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【設置物の撮り方③】この一枚にグッとくる世界観を表現!ボケを生かそう

路上には街灯や標識、カーブミラー、看板など、さまざまな設置物があふれています。普段は被写体としてあまり絵にならないと感じ、見逃しがちでもある設置物。このような設置物にスポットを当てて、魅力的な写真に仕上げる撮影テクニックをご紹介します。

 

撮影:藤井智弘

 

シャープで力強い表現を狙うならパンフォーカスで
雰囲気重視ならボケを生かそう

被写界深度をコントロールすると、さまざまな表現が可能になります。絞り込んでパンフォーカスにすると、シャープで力強い表現が得られます。主に広角レンズを使って、遠近感を誇張させた撮影に向きます。逆に絞りを開けて被写界深度を浅くし、ボケを生かすと、雰囲気重視のやわらかいイメージの写真になります。こちらは大口径の標準レンズや中望遠レンズだと狙いやすいでしょう。設置物自体や現場の状況から、どちらの表現が自分のイメージに合っているかを見極めることが大切です。

 

基本テクニック

パンフォーカスで捉えて周囲までしっかり見せる

広角レンズを使って絞りを絞り込むと、パンフォーカス描写が得られやすい。パンフォーカスにすると標識や看板などの設置物だけでなく、周囲もシャープに写るので、その場の状況をしっかり見せることができる。ただし、特に広角で周囲を広く入れると、画面が煩雑になりやすい。設置物がメインになるようなフレーミングをして、周囲はある程度整理するとバランスよくまとまる。

 

撮影:藤井智弘

広角レンズを使って絞りを絞るのが基本

超広角18ミリ相当で、ギターの形の看板に迫る。背景に高層ビルを入れて、奥行きと現場の様子を伝える。絞りはF8に設定し、誇張された遠近感とパンフォーカスによるシャープな仕上がりを狙った。余計なものが入らないよう、画面全体を確認しながら構図を決めている。

18ミリ相当 絞り優先オート(F8 1/200秒) -0.3補正 ISO100 WB:オート

 

撮影:藤井智弘

平面的な光景はパンフォーカスにしやすい

夜の街灯を中望遠レンズで撮影。街灯と壁が近く、奥行きもないため、絞りF2.8でも壁に映った街灯の影まではっきりしている。またメタリック調の壁なので、周囲の街の明かりが鮮やかに反射し、ファンタジックな写真になった。イメージどおりの色調になるように、WBは調節している。

90ミリ相当 絞り優先オート(F2.8 1/60秒) -0.7補正 ISO400 WB:3350K

 

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