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【路上の撮り方④】雨の日しか撮れない被写体を、印象的に撮影するワザ

 

応用テクニック①

高い場所から狙って傘の花や地面の模様などを造形的に捉える

都市撮影では、傘は雨の日のモチーフとして最適だ。特に高い位置から見下ろすアングルを選ぶと、傘の造形や色彩が生きてくる。歩道橋やビルの上から狙ってみよう。その際、地面にも模様があると効果的な背景となる。傘の形と地面の模様で造形的な写真を狙える。

撮影:永山昌克

地面に模様があると絵にしやすい

高層ビルの展望室から捉えた横断歩道の様子。 カラフルな傘や服が多くなった瞬間に連写し、最もバランスのいい位置に歩行者が並んだカットを採用した。晴天時に撮影しても、傘という花がないと、このパターン的な面白さは得られない。

105ミリ相当 マニュアル露出(F5.6 1/320秒) ISO1600 WB:太陽光

 

撮影:永山昌克

パターンとして傘や地面を表現する

ハイアングルから撮影。ほかの歩行者など無駄な要素をカットしたことで、傘と長靴の色彩感が際立った。こうした石畳や横断歩道といった路上の幾何学パターンは、雨天+ハイアングルが似合う場所だ。

 

応用テクニック②

ぬれた地面が光を反射して輝きを増す雨の日は夜撮影がおすすめ

雨は地面をぬらし、光を反射させる。特に夜の撮影では、その反射の効果で光の輝きが倍増する。雨の日や雨上がりは、晴れた日に夜景を撮るよりも、画面にたくさんの光を写し込むことができるのだ。

 

撮影:西村春彦

天候によって地面の印象はだいぶ変わる

夜に同じ石畳を撮影した。左は雨の日、右は晴れの日である。石畳の先にある店の明かりで、全体的にオレンジ色に写っているが、雨の日はたまった水に明かりが反射して、輝きが印象深い。

 

撮影:西村春彦

観覧車の光が反射していた七色の地面を狙う

虹色に光る遠くの観覧車が、ぬれた石畳に反射して輝いていた。遠くのものは低いカメラポジションにするほど地面に多く映り込むので、傘をさしたまましゃがんで、高感度に設定して手持ちで撮影した。なお、ピントも露出も地面の反射に合わせている。

70ミリ相当 絞り優先オート(F5.6 1/5秒) -0.7補正 ISO1600 WB:太陽光

 

路上風景は、天候や時間帯を変えると、幻想的な撮影も可能になります。水たまりの映り込み、濡れた地面の光の反射、雨の日のカラフルな傘など、いろいろな被写体にスポットを当てて撮影してみましょう。

 

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