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【路上の撮り方④】雨の日しか撮れない被写体を、印象的に撮影するワザ

都市の情景を撮るうえで、路上には魅力的な被写体であふれています。とはいっても、道の種類はさまざまで撮り方もいろいろ。日々何気なく通り過ぎる路上を、どういう風に切り取り素敵な写真にするか、狙い目の被写体から効果的な撮り方までをご紹介します。

 

撮影:清水哲朗

 

ぬれた路面、水たまり、傘をさす人など
雨の日の路上は被写体の宝庫

見慣れた路上風景をかっこよく写したいと思ったら、動いている被写体を見つけて、それをわざとぶらして捉え、動感を表現してみるといいでしょう。シャッター速度を遅くすることで、静止画である写真でも動きを表現できるのです。このテクニックが生きてくる被写体が路上を走る車や自転車です。いつもの街の写真に車のブレをアクセント的に加えると、人とは違った都市風景を撮れるでしょう。シャッター速度をさらに遅くすると、歩く人をぶらして撮ることもできます。

 

基本テクニック

水たまりに映り込んだ景色を狙う

路上にできる水たまりは、雨上がりに狙うのが効果的。 水面の映り込みを狙うと、見慣れている被写体も間接的に捉えられて、魅力的な被写体へと生まれ変わる。撮影するときは、まず肉眼で周囲の風景がどのように映っているか、どの角度がベストかよく観察すること。ランドマーク的なビルやタワーなど目を引く被写体が映り込んでいると、その存在感がより際立ち、印象的な写真になる。

 

撮影:清水哲朗

ピントは映り込んだ被写体に合わせる

雨上がりの路面にできた水たまりに映った都市風景を狙う。主題は映り込みなので、水面に映った街の景色にピントを合わせる。さらにここではホワイトバランスを「晴天」にして、青みを加えることで雨の日の雰囲気を引き出した。

50ミリ相当 絞り優先オート(F5.6 1/60秒) ISO1600 WB:晴天

 

撮影:清水哲朗

映り込みと実像の対比を狙いつつ瞬間的な面白さも取り入れる

最初は、水たまりに映ったスカイツリーに目がいき撮影したが、平面的で単調な写真になってしまった。そこで通りがかった女性の足を入れてとっさに撮影。瞬間の面白さと立体感が生まれ、より印象的になった。実像のプラスαを入れることで映り込みとの対比が生まれつつ、安定感や想像性も高まる。

54ミリ相当 プログラムオート(F5.6 1/200秒) -0.3補正 ISO160 WB:オート

 

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