夏の夜を豪華に彩ってくれる花火は、日本の風物詩。きれいな花火を見るだけではなく、「デジタル一眼で撮ってみたい!」と思う被写体の一つです。今回は、花火写真家・金武 武さんに、花火をシャープに写すための撮影テクニックや、必要機材、入門者向けのQ&Aまで、いろいろ教えていただきました。季節限定のこの色鮮やかな絶景花火を、今年はきれいにカメラでとらえましょう!
花火撮影に必要な機材はコレ!
有料観覧席やカメラマン席で撮影するならば、標準ズームレンズと広角ズームレンズの 2 本あれば安心だ。混雑した会場で三脚を使用する場合には、座って撮影することを心掛けてほしい。ブレ防止のレリーズや、会場は暗いので小型ライトは必需品。打ち上がる花火がわかる大会プログラムも用意しておきたい。HP からプリントするか会場でもらおう。
・デジタルカメラ
・標準ズームレンズ(広角ズームレンズ)
・三脚
・リモートスイッチ
・NDフィルター(ハーフNDフィルター)
・小型ライト
・大会プログラム
ワンポイント!
カメラを真上に向ける雲台の使い方
打ち上げ場所に近いところで撮影する場合は、カメラを真上に向ける必要がある。雲台のパン棒をカメラのレンズ側(逆向き)にすれば、カメラを真上に向けることができる。普段から逆向きにして操作に慣れておくといいだろう。
花火撮影入門Q&A
Q1.花火にピントを合わせるには?
A.上がっている花火にAFで合わせて固定する
大会の最初に上がるスターマインに AF でピントを合わせ、その後 MF に切り替えてピントを固定する。ズームで構図を変えない限り、ピントがズレることはない。ピントリングを無限遠にしたり、遠くの夜景にピントを合わせたりすると、手前の花火がピンボケになることがある。
ほとんどの花火大会では最初にスターマインがくる。明るくて広い範囲に上がるので、 AF で容易にピントが合う。
Q2.カメラの設定を教えて?
A.下の表を参照
ホワイトバランスは 2つを使い分けられるとキレイな写真が撮れる。洋火を撮るなら色温度設定 3200K がよく、色温度設定ができないカメラは「電球」や「白熱球」に。錦冠菊花火などの和火は色温度設定 4500K 程度か、設定ができない場合は「太陽光」や「晴天」にする。
Q3.シャッターを開けるタイミングは?
A.ドンッという打上げ音が聞こえたら開ける
単発の打ち上げ花火の場合、打ち上げ音は一つの目安になる。慣れてきたら、打ち上がる前にシャッターを押すこともできるだろう。スターマインを撮る場合は、あまり早くシャッターを開けると露出オーバーになるので、メインの大きな花火が開花したら開けるとよい。
花火会場は暗いので、リモートスイッチの操作は普段から触って慣れておこう。ボタンの位置やロックの解除の方法がわからず戸惑っている人をよく見かける。
「花火撮影は、万全を尽くしても一枚きれいな撮影ができたら万々歳!」くらいの気持ちで、楽しみながら撮影できたらいいですね。今年の夏は、華やかな花火描写に挑んでみましょう。
写真・解説/金武 武