特集

【旅の撮り方①】楽しかったはずの旅行写真が!?どうすれば魅力ある写真にできる?

夏休み、連休をとって旅行に行かれる方も多いでしょう。旅行する時、写真撮影は欠かせません。昨今はスマートフォンによる撮影も増え、旅行での撮影はより手軽になりました。でも、旅が終わって写真を見返すと、撮影場所がわかるだけのつまらない写真であることが多々あります。撮ったときの感動や場所の魅力などを伝える“旅情感”はどのように撮れば盛り込めるのでしょうか? 今回は、感動や魅力あふれる旅写真の撮り方10のコツをご紹介いたします。

 

 

 

旅写真のコツ①

【脱!証明写真】 その場所の雰囲気に合う人物を入れる

 

旅に出ると、その場所がわかるシンボリックなものを撮りたくなる。しかし、そのまま撮っただけでは、ただの説明写真になってしまう。そこで画面に人物を入れると、息遣いが生まれて、グンと旅情を感じさせる作品になる。コツはあまり人物をアップにしないこと。シンボリックなものをメインにしながら、アクセント的に人物を入れると魅力的な旅写真になる。さらにその場所のイメージに合う人物を入れると、雰囲気がより引き出せて効果的だ。

 


 


人物を入れると “旅情感”が増す

大仏を撮っただけでは、ただの説明写真だ。そこで、お経を唱えているお坊さんがいたので画面に入れた。大仏とお坊さんのバランスを考えて、お坊さんは上半身だけにして、鎌倉の大仏らしさが伝わる全身を捉える構図で撮影した。旅での出会いを感じさせる1枚に仕上がった。【撮影地/鎌倉大仏】

30ミリ相当 絞り優先オート(F8 1/500秒) ISO200 WB:オート

 

 

人物は画面のアクセントとして点景程度でもアリ

法隆寺を訪れたときに、まずは全景を狙ったが、それではただの旅の風景写真に。ちょうど日傘を差した人物が歩いてきたので、点景として画面に入れた。日傘から初夏の雰囲気が表現され、しかも周囲は誰もいないので、人物がアクセントとなって画面が引き締まった。 【撮影地/奈良法隆寺】

36ミリ相当 絞り優先オート(F11 1/60秒) ISO100 WB:オート

 

 

 

 

人物を前面に押し出す狙い方も効果的

人物を画面のアクセントではなく、メインにする方法もある。ここでは市場で働く人や、お寺で線香の煙を浴びる人たちを狙った。その場所が感じられるような雰囲気作りを意識すると、旅情が伝わり、生き生きとした作品になる。大口径レンズで被写界深度を浅くしたり、広角で迫ってダイナミックに作画したりすると効果的だ。【撮影地/金沢近江町市場(上)、浅草浅草寺(下)】。

 

 

旅行に出かけて、楽しかった時間を記録したいのは、みんな同じ。ですが、あとで楽しかった時間を振り返る時、写真を見ると、あれ!?って思うことは多々あります。旅行に行った時間に感じた感動や、気持ちが引き出せるような写真が撮りたいですね。

 

 

写真・解説/藤井智弘