特集

【イルミネーション&ライトアップ撮影の実践①】ツリー&オブジェは前ボケでふんわり仕上げ

冬は街にイルミネーションやライトアップされた被写体があふれ、カメラを向けたくなる季節。ここでは、それらをキレイに撮るためのカメラ設定や撮影機材などの基本知識から、ツリーやタワー、建物など、被写体ごとの対応法までを紹介。

基本編ではイルミネーションやライトアップの撮り方の基本を紹介したが、実践編では、被写体ごとの細かな撮り方や注意点を解説。今回は「ツリー&オブジェ」の前編。

 

 

【基本編】

1. 特別な機材は必要なし!使用機材はコレだ!
2. カメラ設定は試し撮りで適宜確認!
3. イメージ通りに仕上げるカメラ設定は?
4. 真っ暗?トワイライト?撮影のベストな時間帯
5. 華やかに仕上がる構図は空間の切り取り方で決まる!

 

ツリーやオブジェは、前ボケを入れてふんわりと仕上げよう

冬の街を彩るクリスマスツリーやイルミネーションオブジェは、きらびやかでとてもきれいだ。しかし、いざ撮影すると単に光る粒々が写っているだけになり、つまらない写真になることも多い。目で見たように華やかに表現するカギは、ボケにある。特に前ボケが有効で、彩りとキラキラ感を増幅できて一石二鳥を狙える。

 

撮影テクニック1

「絞りを開ける」+「望遠レンズ」+「前ボケの被写体に近づく」で大きな前ボケを作る

光る被写体だけを撮るよりも、手前にボケを加えれば、イルミネーションのきらびやかな雰囲気を画面全体で表現できる。被写体とは別のイルミネーションをレンズ前に近づけて、それ越しにツリーやオブジェを狙うのが基本。その際、絞りは開放付近で望遠レンズを使うと、大きな前ボケが得られやすい。

 

大きな前ボケの作り方

前ボケは、レンズの焦点距離が長く、絞りが開いているほど大きく描写される。さらに、ピントを主題に合わせたまま、前ボケにするイルミネーションにできるだけ近づくのがポイントだ。
 

失敗例

画面全体に前ボケが入ったことで、主題である奥のオブジェが隠れ、目立たなくなってしまった。
 

前ボケにしたイルミネーションは数色あったのだが、この写真では赤色だけ。単調で華やかさに欠ける。
 

決して悪くないのだが、右下のソリを前ボケで隠したほうが、より主題のトナカイが目立ってよいだろう。
 

参考例

遠くにあるトナカイのオブジェを、イルミネーション越しに狙う。255ミリの望遠を使い、絞りは開放付近のF5に。とても大きな前ボケが得られ、彩り豊かに仕上がった。

255ミリ相当 絞り優先オート(F5 1/4秒) -1.3補正 ISO100 WB:太陽光

 

 

ワンポイントアドバイス

持ち運べるLEDライトを活用しても◎

適当な前ボケ用のイルミネーションがないこともある。そんなときは、100円ショップで売っている、電池式の携帯できる小さなイルミネーション(点灯式)を使うのも手。どこにでも前ボケが加えられて便利だ。
この季節は日が暮れると急に冷え込むので、厚着をするなど寒さ対策も忘れずに。