動く被写体をカメラで追いかけながら撮っているときなど、被写体の手前を障害物が横切ることはよくある。そんなときは手前の障害物にピントが合ってしまわないように、AFの動き出しを少し遅くすることで追従性を上げられる。この調節機能を「被写体追従特性(キヤノン)」や「AFロックオン(ニコン)」、「C-AF追従感度(オリンパス)」などと呼ぶ(名称はメーカーによって異なる)。主に中級機以上のカメラに搭載されている。
鉄道や自動車などの速度変化や急な方向転換があまりない被写体を撮るには、「粘る」「鈍感」側に設定すると、被写体が測距点から外れてしまったときでもピンボケになりにくい。その逆に、スポーツのように急な加速や減速、方向転換が多い被写体には、「俊敏」「敏感」側に設定することで、素早くピントを合わせられるようになる。パス回しをする選手を順番に撮りたいときなどにも対応しやすい。
このように、被写体の動き方などに合わせて設定を調整する。この機能の使い方をしっかり覚えておくと、動いている被写体のピント合わせの合焦確立を上げられる。
キヤノン EOS 5D Mark IVの被写体追従特性の設定画面。マイナス側(粘る)にすると、カメラの前を横切った障害物などにピントが合いづらくなる。プラス側(俊敏)にすると、距離の変化に対するレスポンスがよくなり、急な動きの変化への追従性を上げられる。
こちらは、オリンパス OM-D E-M1 Mark IIのC-AF追従感度の設定画面。キヤノンと同様、マイナス側に設定すると障害物に対して強くなり、プラス側に設定すると被写体の素早い動きに機敏に対応できるようになる。ソニー、ニコン、フジフイルム、ペンタックスも5段階での設定となる。