中級機以上の一部の測距点(測距センサー)には、「F2.8対応」のAFセンサーが配置されている。通常の測距点はF5.6の明るさに対応するが、明るいレンズを使って絞りを開けて撮るときはピント精度に不安がある。F2.8対応センサーなら、明るいレンズで高精度なピント合わせが可能だ。ただし、開放F値がF2.8より暗いレンズではAFが効かなくなるため、F5.6やF8対応のセンサーなどと組み合わせながら、バランスよく配置されている。
これと似たように、F5.6対応センサーだけでは暗いレンズ使用時にAFが作動しない。例えば、開放F4の望遠レンズに2倍のテレコンバーターといったような、開放絞りF8となる組み合わせでは、従来はAFが効かずにMFのみのことが多かった。F8対応センサーが配置されていると暗いレンズでもAFが使用できる。
キヤノンのプロフェッショナルモデル「EOS-1D X Mark II」のAF測距点は61点。中央の5点がF2.8対応とF5.6/F8対応のデュアルクロス測距。その周りをF5.6/F8対応のクロスセンサーが囲み、最大41点のクロス測距が可能。