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【カメラ用語事典】構図パターン

人が写真を見て、バランスがいい、美しい、心地よいと感じる構図には、いくつかのパターンがある。それらを総称して「構図パターン」と呼んでいる。

例えば海を撮る場合、画面の真ん中に水平線を配置するよりも、上から1/3、または下から1/3の位置に置いたほうが印象的な構図になる。これは画面の水平と垂直をそれぞれ3分割するガイド線を引き、その線上に被写体を配置する「3分割構図(3分割法)」に沿った考え方で、代表的な構図パターンのひとつである。

このほか、日の丸構図、対角線構図、シンメトリー構図、曲線構図(S字、C字)、三角構図、トンネル構図、パターン構図、放射線構図、4分割構図(4分割法)などがある。これらの構図パターンに無理に被写体を当てはめる必要はないが、フレーミングに迷った場合は撮り方の目安として役立つ。

 

■3分割構図

3分割構図は、画面の縦と横をそれぞれ3等分して、その交点や線上に被写体を配置する方法。安定感を与えられるほか、空間を生かした絵作りができる。

 

写真/永山昌克

3分割構図を用いて撮影。上の写真は水平線を画面下1/3に配置。安定感のある画面になった。下の写真はメインの花を右上の交点に配置。画面の真ん中に花を置くと平凡な写真だが、右上に置くとバランスよくまとまりつつ、空間も生かせた。

 

■日の丸構図

日の丸構図。被写体を画面の真ん中に置く構図で、インパクトの強い写真になる。ただし被写体が平凡だと単調になりやすく、ダメな例として扱われることもある。

 

■曲線構図

曲線構図。画面内に「S」字や「C」字形を作り出すことで、奥行きや被写体の流れ、連なりを感じさせることができる。被写体によっては躍動感やリズム感を演出する効果もある。

 

■トンネル構図

写真/小澤太一

トンネル構図。トンネルの中から外の風景を眺めたような構図。周囲を囲んだ被写体がフレームの働きとなって、メインの被写体をいっそう強調できる。距離感や奥行きを意識させる効果もある。