ISO感度の設定には、常用ISO感度と拡張ISO感度がある。常用ISO感度は文字どおり普段使いの感度のことで、ノイズによる画質の荒れはそれほど感じない(許容範囲は撮影の状況と撮影者の考え方により異なる)。
一方の拡張ISO感度は、普段使いではない、緊急措置的に使うISO感度と考えればよいだろう。カメラの上位機種では、高感度側に加えて低感度側にも感度を拡張できるものがある。高感度側ではもちろんノイズが増えたり、ディテールが少なからず損なわれたりするが、暗い場所でも速めのシャッターが切れるメリットがある。拡張の低感度は白とびが生じやすいなどの弱点はあるが、低速シャッターの表現に役立つ。
キヤノンのハイアマチュア一眼レフ EOS 5D Mark IIIのISO感度設定画面。「L(50)」や「H1(51200)」「H2(102400)」が拡張ISO感度。通常の最低値はISO100だが、拡張ならISO50が選べる。