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【ミズバショウの撮り方】水面を背景に、花をいかにすっきりと見せるかが撮影のカギ!

雪解けとともに咲くミズバショウ。主に春から夏にかけて見られますが、生育地で開花時期や見ごろの時期が変わります。ミズバショウは寒冷地の水辺や湿原でよく見られます。外側の白い部分は苞(ほう)と呼ばれ、実際の花は苞で包まれた黄緑色をした部分です。

 

 

水面を背景にすると画面がすっきりとして水辺に咲くミズバショウらしい雰囲気も生かせる

ミズバショウは雪解けとともに咲くため、周囲は雑然とした枯れ葉に覆われていることが多く、花をいかにすっきりと見せるかが撮影のカギです。水面を背景にするとすっきりとし、水辺に咲くミズバショウらしい雰囲気も生かせます。ただ霜が降りると白い苞が茶色く変色してしまうため、傷みのない新鮮な花を選ぶことも大切です。みずみずしい花なら苞や花をクローズアップして造形的に狙うのもおすすめです。

 

基本テクニック

水面を生かすのがコツ、時間帯による色彩や逆光で輝く水面を取り入れる

水面の映り込みを生かせると、水辺に咲くミズバショウらしい雰囲気を引き出せる。その際、逆光線によるキラメキや、青空や朝焼け・夕焼け空の映り込みなどを狙ってみるとよい。光が差すタイミングはもちろん、わずかなポジションの違いでも映り込みは変化する。慎重に上下左右に移動して撮影場所を決定しよう。

 

 

光がないとやや単調、逆光なら水面が輝きメリハリが生まれる
△写真のように太陽が雲に隠れて光が差さないと平凡な流れだが、逆光線に照らされると水面はにわかに輝きを増す。水面の輝きが強いと露出アンダーになりやすく、プラス補正が欠かせない。またゴーストやフレアも出やすいので、必要に応じてハレギリも行いたい。

 

 

青い水面で清楚な雰囲気が生きる
青空が映り込んだ水面を背景にして、やわらかな光によるミズバショウの清楚な雰囲気を引き出した。ミズバショウには光が差さず、背景の水面に青空が映り込む、タイミングとポジションを選ぶことが欠かせない。

225ミリ相当 絞り優先オート(F4.5 1/80秒) +0.3補正 ISO200 WB:晴天 PLフィルター

 
 

 

朝焼け雲が水面に反射して明けるイメージに
朝焼け雲が映り込む水面を生かし、夜明けの湿原に咲くミズバショウらしさを捉えた。前日のうちに朝焼け空をイメージして、東側の水辺に咲くミズバショウを探しておくと慌てないですむ。短いシャッターチャンスを大切にしたい。

62ミリ相当 絞り優先オート(F16 1.3秒) ISO200 WB:晴天 PLフィルター

 

 
写真・解説/深澤 武