特集

料理写真はアングルやズーミングの工夫で立体感を出すべし!【スマホで撮るごはん写真の正解③】

レストランの料理やカフェのスイーツ、自分で作った食事を美味しそうに撮りたい。しかし、スマホで何も考えずに撮ると、実際の見た目とはまるで違う味気ない“メシマズ写真”になってしまいがちだ。この原因はスマホにあるのではなく、撮影者の技術がいまひとつなのである。スマホで美味しそうに撮るにはいくつかのコツがあるのだ。

そこで、手軽だが美味しそうに見えるスマートフォンでの撮影テクニックを3回にわけて紹介しよう。今回はアングルとズーミングについて解説する。

 

スマホで撮るごはん写真の正解
① 脱”メシマズ写真”のコツは正確なピント合わせから! https://getnavi.jp/capa/special/294875/
② 料理を美味しそうに写す理想の光は? https://getnavi.jp/capa/special/294916/

 

アングルやズーミングを工夫する

アングルとは、被写体に対する撮影角度のこと。主に真横、斜め上、真上と分けられる。料理を撮るアングルは斜め上からが基本で、全体を写しつつも、奥行きを出すことで立体感を引き出せる。もちろん料理によってベストなアングルは異なる。ハンバーガーなら真横から見ると食材の重なりがよくわかるし、ソースのかかったパンケーキなど平面的な料理は、真上から撮るほうがその魅力を伝えやすい。料理の顔(正面)がどこなのかを考えてアングルを決めるといいだろう

 

また、アングルの違いによって背景に写るものが変わってくる点にも気をつけよう。真横や斜め上からの場合は背景が写り込んでくるので、室内の余計なものが入らないように画面の隅々まで確認することが大切だ。真上からでは、皿やテーブル、テーブルクロスが背景になるので、それらの絵柄が料理の邪魔にならないように狙おう。

 

さらに、アングルの違いはボケ具合にも影響する。ピントを合わせた被写体から背景が離れるほど背景はぼけて写るので、真横や斜め上から狙うとスマホでもボケを作り出しやすい。一方で真上から見下ろす場合は、料理と背景との距離が近いのでぼけにくい。

<斜めから写す>


斜めから狙うと奥行きが出るので、背景をぼかしやすい。主役がはっきりと写るだけでなく、料理に立体感も出てくる。

 

<真上から写す>


真上から写す場合は、奥行きが出ないので平面的に写りやすい。シンプルなフレーミングで料理を引き立たせるのがコツだ。ここでは主役のカップは全体を入れつつ、脇役の一部をカットしたり、端に寄せたりすることで、主役を目立たせている。

 

そして、スマホに搭載されているレンズは、広い範囲が写せる広角レンズがほとんど。遠近感が強調されて、画面の端が歪んで写りやすいという特徴がある。一部分がアップになるデジタルズームを使うと、歪みは少なく、遠近感も弱くなり、被写体の前後が圧縮されたように写る。ただしデジタルズームは、ズーミングするほど画質が落ちる。WEB上で小さく扱うぶんには問題ないが、大きく見せるならズーミングはほどほどに抑えておきたい。使用するサイズを考えてズーミングを活用しよう。

 

次の写真は、ズーミングなしと最大にズーミングした状態で撮り比べたもの。画面内の料理の大きさが同じくらいになるよう、ズーミングなしでは料理に近づき、ズーミング時は離れて撮影している。すると、背景の写る範囲、背景の被写体の大きさ、さらに遠近感の出方に違いが見られた。また、ズーミングすると画質が粗くなってしまったのも見逃せない。それぞれの写り方の特徴を知って、ズーミングを活用するようにしたい。

<ズーミングなし>


(部分拡大)

 

<めいっぱいズーミング>


(部分拡大)