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「虹」をくっきり、鮮やかに撮影する方法【なつぞら撮影攻略②虹】

今年の夏は、写真撮影も朝ドラも「なつぞら」がアツい! 昼も夜も、晴れでも雨でも、フォトジェニックな夏の空は、PLやNDなどのフィルターワークと露光(露出)テクニックで写真が昇華する。今回は、連載形式で入道雲星空、この4つの「なつぞら」撮影攻略のカギに迫る。第2回は「虹」の撮影テクニックを紹介!

PLを使ってメリハリのある虹写真に仕上げる

夏の強い直射光により、上昇気流が発生すると入道雲ができる。昼から午後にかけて発生することが多く、雲の下ではスコールのような強い雨を伴う。水滴に光が当たると光の屈折により虹が見られる。つまり雨を降らす雲があって、そこに太陽の光が差し込めば虹が現われるのだ。

局所的に晴れと雨が混在する状況は夏の沖縄ではよくあり、カタブイ(片降り)と呼ばれている。このとき太陽を背にして正面から雨に光が当たることが虹を見られる条件である。日中は太陽光が上から差すので虹は見られず、朝や午後遅くがチャンスといえる。ただ雨を降らす雲が背後に広がっていると虹は映えない。雨雲が小さく、背景に大きな青空が広がった虹が映えるような場面を狙いたい

虹を撮るときは、背景の空の深みを出すと虹色がくっきりと映えるので、PLフィルターは欠かせない。PLの調整次第では虹が消えてしまうので、空の深みが増して虹色も際立つように効果を調整しよう。ただ、光が弱くなると虹もすぐに淡くなってしまうので、とにかく一枚撮影しておくとよい。

PL効果がキチンと出ているかファインダーや背面モニターで描写を確認してから撮影する

次の写真では、PLフィルターを使うと青空の深みが増し、虹色も鮮やかになってメリハリが出た。ただフィルターの回転角によっては虹色が消えてしまうこともあるので、虹が鮮やかに出るようPL効果をきちんと確認してから撮影することが大切だ。

ニコンD800E AF-Sニッコール70-200mm F2.8G ED VRⅡ 絞り優先オート F11 1/25秒 -0.3補正 ISO100 WB:晴天 C-PLフィルター使用 沖縄県・西表島

空や雲に合わせて露出を決めることで虹もきれいに写る

光を受けた入道雲は白くて明るい被写体のため、補正なしだと露出アンダーになりやすい。次のシーンではプラス1.3補正で適正露出となった。虹の面積は少ないため露出に与える影響は少なく、青空や雲をメインに露出決定をすれば、虹も自然な明るさに仕上がる。

<〇 +1.3>

 

<△ +0.7>

全体を撮るのではなく虹色の濃い部分に狙いを絞ろう

海から立ち上る虹を望遠レンズで切り取った。半円形の大きな虹なら超広角レンズの出番だが、虹が見られるのは半円の一部だけということもよくある。そのようなときは、虹の濃い部分を切り取るとカラフルさを生かせて迫力も出る。

ニコンD800E AF-S ニッコール70-200mm F2.8G ED VR Ⅱ絞り優先オート F8 1/400 秒ISO200 WB:晴天 C-PLフィルター使用 沖縄県・西表島