今年の夏は、写真撮影も朝ドラも「なつぞら」がアツい! 昼も夜も、晴れでも雨でも、フォトジェニックな夏の空は、PLやNDなどのフィルターワークと露光(露出)テクニックで写真が昇華する。今回は、連載形式で入道雲、虹、雷、星空、この4つの「なつぞら」撮影攻略のカギに迫る。今回は「雷」について解説!
※屋外での雷の撮影は危険です。撮影時は不用意に近づくことは避け、安全な場所から十分に注意しながら撮影してください
雷は明るい光なので露出の調整が撮影のカギ
上空に冷たい空気が入り、大気の状態が不安定になると雷が発生する。夏の午後から夜にかけて厚い雲に覆われて暗くなったかと思うと、閃光が辺りを照らし出す。一瞬の光ゆえ、光ってからシャッターを押しても間に合わない。空打ち覚悟でシャッターを押し続けるしかないので、低感度で絞り込み、スローシャッターにして確率を上げよう。明るいうちはNDフィルターを使ってスローシャッターにしたい。
そして暗くなってくると稲妻は目立ちやすく、シャッター速度も遅くなって写り込む確率も高くなる。さらにマイナス補正することで周囲を暗く落とすと、稲妻の光を一段と際立たせられる。また屋外は危険なので、屋内や車の中など安全な所から撮影しよう。
アンダー目の露出で閃光を際立たせる
入道雲が夕日で染まり、その奥で雷が光っていた。稲妻は一瞬なので、光ってからシャッターを押しても間に合わない。諦めずに何度もシャッターを切ったうちの一枚である。マイナス補正でシャドーを引き締め、夕日の当たった入道雲や稲妻の輝きを引き立たせた。
ニコンD200 AF-S ズームニッコール17~35ミリF2.8D IF-ED 絞り優先オート F8 1/1.6秒 -0.7補正 ISO100 WB:晴天 C-PLフィルター使用 北アルプス北穂高岳(長野・岐阜)
雷撮影は危険をともなうので遠隔操作が安心
雷はいつ光るかわからないので、撮影チャンスを増やすには露光時間を長くしたい。そこで、NDフィルターを使ってシャッター速度を遅くして、数秒や数十秒の露光時間にするのが有効だ。また、スマートフォンとカメラをペアリングさせると、屋内やクルマの中から遠隔操作で撮影が行なえる。ライブビュー画面や再生画像を見られるし、露出やISO感度も変えられる。
※撮影時は十分にご注意ください