ソニーのミラーレスカメラやコンパクトデジタルカメラ利用者に無償で提供されるアプリケーションソフトウェア「Imaging Edge(イメージングエッジ)」。その機能の1つ「Edit」では、RAWやJPEG、TIFFファイルを取り込んで画像の調整を行うことができる。今回は「明るさ」「ヒストグラム」について解説する。
写真を明るくしたり暗くしたりする機能
[明るさ]は、写真全体の明るさを補正する機能だ。カメラの露出補正機能と同じように、プラス側に設定すると明るくなり、マイナス側に設定すると暗くなる。補正の範囲は±2.0EVで、スライダーのドラッグや数値入力によって調整ができる。操作を行う際は、[ヒストグラム]パレットを表示し、その山の形を見ながら、どこまで補正するかを決めるとよい。
使いこなし(1)狙いに応じて明るさを調整する
写真を明るく軽やかなイメージに仕上げたいときは[明るさ]をプラスに、逆に暗く重厚なイメージにしたいときは[明るさ]をマイナスに設定する。
<元の写真(±0)>
【改善Point】明るくするか暗くするかは狙いによって決めよう
元の写真は、やや逆光気味の光線で撮影した町並みだ。明るく補正してカラフルな色彩感を強調するか、逆に暗く補正して壁面やガラスの素材感を際立たせるか。狙いに応じて判断しよう。
プラス側への補正
[明るさ]をプラスにすると、全体に軽やかな印象になった。また日陰の部分も明るく見えるようになった。
<明るさ +0.7EV>
<明るさ +1.3EV>
マイナス側への補正
[明るさ]をマイナスにすると、全体に重々しい印象になった。また白とびしていた空のディテールも見えるようになった。
<明るさ −0.7EV>
<明るさ −1.3EV>
使いこなし(2)ヒストグラムを見ながら[明るさ]を調整する
[ヒストグラム]は、画像に含まれるピクセルの数を明るさによってグラフ化したもの。グラフの縦軸はピクセルの数を表し、横軸はピクセルの明るさを表している。左側にピクセルが集まるほど暗い画像、右側にピクセルが集まるほど明るい画像となる。
露出アンダーの写真の場合
元の写真は、露出が不足し、見た目よりもかなり暗く写っている。ヒストグラムを見ると左側にピクセルが集まっていることがわかる。
明るさをマイナスにすると、ヒストグラムはさらに左側に偏る。逆にプラスにするとヒストグラムは全体にまんべんなく広がる。
<明るさ −1.33EV>
<明るさ +1.67EV>
露出オーバーの写真の場合
元の写真は、露出がオーバーで、見た目よりもかなり明るく写っている。ヒストグラムを見ると右側にピクセルが集まっていることがわかる。
明るさをプラスにすると、ヒストグラムはさらに右側に偏る。マイナスにするとヒストグラムの山は中央に移動する。
<明るさ +0.67EV>
<明るさ −1.67EV>
【参考本紹介】
ソニー イメージングエッジ完全マスター
ソニー純正画像ソフト「Imaging Edge (イメージングエッジ)」のガイドブック。ミラーレスカメラ“α”シリーズをはじめとするデジタルカメラユーザー向けにソニーが無償提供しているイメージングエッジの使いこなし方がわかる。特にRAW現像は、プロの画像調整テクニックを詳しく紹介。カメラとスマートフォンの連携もわかりやすく解説している。
2019年12月24日(火)発売
A4判 オールカラー130ページ
本体 2,500円(税別)
ISBN 978-4-05-611548-2
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