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レンズの「歪曲収差」や「倍率色収差」って何? どう補正する? 【ソニー「Imaging Edge」簡単ガイド・レンズ補正編】

ソニーのミラーレスカメラやコンパクトデジタルカメラ利用者に無償で提供されるアプリケーションソフトウェア「Imaging Edge(イメージングエッジ)」。その機能の1つ「Edit」では、RAWやJPEG、TIFFファイルを取り込んで画像の調整を行うことができる。今回は「レンズ補正」について解説する。

※JPEGやTIFFファイルの場合、RAWデータに比べると調整できる項目は限られます

 

[レンズ補正]レンズの歪曲収差や色収差を補正

[レンズ補正]は、レンズの特性によって生じる歪曲収差や倍率色収差を補正する機能だ。歪曲収差とは、四角い被写体が樽型や糸巻き型になるなど、形状がゆがんで写る現象のこと。倍率色収差とは、写真の周辺部で、被写体の輪郭が赤や青でにじんで見える現象のこと。[レンズ補正]ではこれらを補正データに基づいて自動的に補正できる。

 

▲[歪曲収差補正]と[倍率色収差補正]のそれぞれで[入]と[切]が選べる。初期設定では、撮影時に選択した状態になっている。なおサードパーティ製品など補正データのないレンズでは[入]を選べない場合もある。

 

使いこなし(1)歪曲収差を自動的に補正する

建造物の外観や内観、商品撮影、複写など直線を含んだ被写体を撮った場合、使用レンズによっては歪曲収差が目立つことがある。そんなときは[歪曲収差補正]を[入]にしよう。ソフトに組み込まれた補正データに基づいて自動的に補正が行われる。

<元の写真(切)>

【改善Point】周辺部分に樽型の歪曲収差が見られる
元の写真は、高層ビルの渡り廊下を見上げるアングルで捉えたもの。画像周辺部になるほど樽型の歪曲収差が目立ち、直線が曲線になって写っている。これを補正したい。

 

歪曲収差補正で、歪みを感じなくなった

[切]では目立っていた歪曲収差が、[入]にするだけで自動的に目立たないように補正された。効果として意図的に歪曲を残す場合以外は、通常は[入]を選ぶのがお薦めだ。

<切>

 

<入>

 

使いこなし(2)倍率色収差を自動的に補正する

色がにじんで見える倍率色収差は、使用レンズによって発生の度合いが異なるほか、構図や被写体、撮影設定によっても目立つ場合と目立たない場合がある。目立つ場合は、「倍率色収差補正」を[入]にして自動的に補正しよう。

<元の写真(切)>

【改善Point】倍率色収差が生じている
元の写真は、建造物を広角レンズで撮影したもの。縮小表示では気にならないが、等倍表示にして細部を見えると画面端の被写体の輪郭に色ずれが生じていることがわかる。

 

[入]にすれば自動補正される

[入]を選択するだけで、倍率色収差は自動補正された。なお、カメラ内の[倍率色収差補正]を[オート]にして撮影すれば、Edit上では最初から[入]が選ばれている。

<切>

 

<入>

 

【参考本紹介】

ソニー イメージングエッジ完全マスター

ソニー イメージングエッジ完全マスター

ソニー純正画像ソフト「Imaging Edge (イメージングエッジ)」のガイドブック。ミラーレスカメラ“α”シリーズをはじめとするデジタルカメラユーザー向けにソニーが無償提供しているイメージングエッジの使いこなし方がわかる。特にRAW現像は、プロの画像調整テクニックを詳しく紹介。カメラとスマートフォンの連携もわかりやすく解説している。

2019年12月24日(火)発売
A4判 オールカラー130ページ
本体 2,500円(税別)
ISBN 978-4-05-611548-2

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