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Vloggerに学ぶ一眼カメラVlog入門① JIN ─ 登山の全行程を丁寧に見せるVlogが好評

Vlog (ブイログ) とは一般的なブログの動画版のこと。気軽にハイクオリティな映像を記録できるようになった現在、旅行や日常生活など、自らの思いや記録を高品質な映像としてYouTubeなどにアップして残すことを楽しむ人が増えています。そこで、Vlog撮影に一眼カメラを活用している注目のVlogger (ブイロガー) 5人にインタビューしました。第1回はJINさんです。

 

こだわりのVloggerたちに学ぶ一眼カメラVlog入門

 

JIN
 

JIN
1994年、兵庫県生まれ。仕事の関係で2015年から千葉へ移住。今年秋から兵庫に戻るため、主に東北と日本アルプスを制覇してきた。秋からは大山や屋久島の山を登ることを楽しみにしている。

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YouTubeチャンネル

 

これから山を始める人のため、登山の全行程を丁寧に見せたい

最初は友人向けに限定公開で、そのうち多くの人に見てほしいと思うように

写真は子どものころから好きで、学生時代、ビンゴ大会でコンデジが当たってそれから撮り始めました。親がアウトドア好きで、家族で低山にはよく登っていました。社会人になってある程度自由に登山用具が買えるようになったので、本格的な山登りを始めた。それが5年ほど前です。

 

動画制作も好きでした。YouTubeの限定公開で、友人に旅の記録を見せたり、誕生祝いの動画メッセージを贈っていたんです。そのうちどうせなら多くの人に見てもらおうと思った。自分が出るようになったのは2年半前。顔出しはハードルがありましたね。喋りがあまり得意ではないんです。

 

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2019年秋、2泊3日で行なった後立山縦走。岩場は胸のホルダーにアクションカムを付けて撮影。岩場と登山道が交互に現れ11時間ほど歩いた。見どころと難所が多く、1時間29分15秒の長編に。

 

1時間超の動画がきっかけで急激に登録者が増え始めた

最近は登山の動画を上げる人も増えましたが、僕が始めたころは何人もいませんでした。それでも最初の数か月は1000人程度の登録者が続き、苦戦しました。急激に伸びたのは2泊3日で登った『残雪の北アルプス蝶ヶ岳と涸沢カール』を公開してからです。山の魅力と険しさを伝えつつ、これから行く人の参考になるルートの様子を伝えようと思ったら1時間を超えました。印象的な映像を選び、全体像がつかめるオープニングを作ったのも良かったのかなと思います。

 

実際、僕のVlogを見て山を始めた人もいて、質問が寄せられます。それで時折、質問への回答や山、カメラについての雑談も入れています。海外からの視聴も増え、多いときで1割を占めます。英語が苦手なので、今後の課題の一つですね。

 

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2019年のGWが終わった直後、念願の蝶ヶ岳と涸沢カールに2泊3日で登った。2日目の夜から朝にかけての風景をタイムラプスで撮影。山の自然の神秘、美しさが迫ってくる。

 

2泊3日テント泊登山の装備品。これに食料が加わり、総重量は20kg。体力が消耗してくると、撮る気力を奮い立たせるのが大変。

 

JINさんの撮影機材と制作のポイントは?

山の強い風に対策が必要

登山中はソニーのアクションカム「FDR-X3000」を使い、ここぞというシーンやタイムラプスは「α7 III」、余裕があればさらに「α6600」を持つ。カメラのマイクには風切音を防ぐファーを直付けしている。

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マップなどの詳細な情報を加える

ポイントごとに自作のルートマップを表示し、現在地や標高、時刻、経過時間を示す。スマホのアプリでつけている登山記録を基に作っている。

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〈取材〉市井康延