CAPA創刊40周年を記念して開催したフォトコンテストに、たくさんのご応募ありがとうございました。2021年6月1日〜8月31日の募集期間に4610作品のご応募をいただきました。激戦を勝ち抜いて入賞した全62作品をご紹介します。
【主催】 株式会社ワン・パブリッシング CAPA編集部
※社名よみ五十音順
グランプリ「守りたい小さな命たち」
前田啓さん (北海道 / 47歳)
作者コメント
100万分の1と言われるアルビノのエゾリス。巣材をくわえてジャンプしているところです。とてもすばしっこく、出てくる時間帯も限られており、シャッターチャンスはごくわずかでした。生物の多様性を支える豊かな地球を守っていきたいと思わせてくれる一枚が撮れました。
選評 (織作峰子)
素晴らしいシャッターチャンスを捉えることに成功されました。大変貴重なアルビノのエゾリスに出会ったこと、加えて最高に美しい光線の中、巣作りのための材料を加えてジャンプするリスの仕草、背景に見える美しい山の風景、そんな環境の中に体を全面に入れ込んだレイアウトも力強く、グランプリになるだけの条件が揃いました。1/3000秒のシャッタースピードで止めた、小さな体とは思えないほどのあふれんばかりのパワーに感動しました。
審査員総評
織作峰子さん
A部門「未来に残したい1枚」、B部門「俺の&私の相棒カメラ」共に、一枚に込められたさまざまなドラマを物語る素晴らしい作品が集まりました。自由に行動することがままならない昨今ですが、おうち時間が増えたことで、過去の作品をじっくり眺めたり、忘れかけていた作品と再開できるきっかけになったのではないでしょうか。そんな中、「未来に残したい」という言葉の持つ重要な意味を、作品がしっかりと語っていたと思います。
ハービー・山口さん
多種多様の作品がありましたが、個性があり、共感を呼ぶ作品が審査に残るのだとあらためて実感しました。作品をつくる上で大切なものとは、撮りたいものに出会え、自分のセンス、テクニック、仕上げの丁寧さなどと掛け合わせる情熱です。その作品が多くの人々に届くのですから、写真活動は生き甲斐につながります。今しか撮れないもの、自分しか撮れないものを意識して、これからも作品作りに挑戦しようではありませんか。
日野文彦さん
全国各地より撮影者の想いのこもった素晴らしい作品が集まりました。家族や友人との絆、伝統的な文化・行事、臨場感ある絶景写真。コロナ禍で人と気軽に会えない、イベントもない、旅に出ることも不自由な時勢ですが、皆さんの応募作品を拝見し、写真の魅力を再認識しました。また、B部門では往年の名機から最新機種まで、皆様のカメラ愛も感じることができました。カメラ・写真の文化、業界もまだまだ先まで盛り上げ、未来に残していきたいですね。
『CAPA』編集長・菅原隆治
4,000点を超えるご応募、ありがとうございました! 大切な人、将来に引き継ぐべき風景や祭事、そして大切な愛機を見事な作品に仕上げた応募作の数々は秀作揃いで、順位を決める作業がこれほど難しい審査は初めてでした。しかし同時に、とても楽しく充実した時間であったことも事実です。被写体への愛情あふれる作品に私も幸せのお裾分けをいただきました。全国の写真を楽しむ皆さんの活力が、これからの写真文化を支える源だと確信できたコンテストでした。