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CAPA月例フォトコンテスト常連校の“転機の年” 高校写真部の今を取材しました!

全国の頑張る写真部を紹介するこの企画。今回はCAPA月例フォトコンの常連校であり、全国高校総合文化祭などでも活躍する神奈川県立瀬谷高校です。関東でも雪の降る日に、部員のみなさんと顧問の先生を取材しました!

We’re 写真部#3 神奈川県立瀬谷高校写真部

神奈川県立瀬谷高校は昭和49年に開校。校舎は相鉄線三ツ境駅から徒歩で約20分のところにあり、周辺を「瀬谷市民の森」に囲まれた、自然豊かな環境にあります。

写真部は現在3年生11名、2年生5名、1年生11名で活動しています。ほぼ毎日活動し、コンテストの締切間際になるとパソコン室にメンバーが集まります。

主な活動は学校行事の撮影や展示、コンテストの応募など、年間を通して忙しい毎日。部活で使用しているプリンターはエプソン「SC-PX5V II」です。作業は部室のパソコン室のノートパソコンを使用します。

締め切り前はこの周辺が大混雑!

今回は卒業が目前に迫った、3年生を中心に取材させていただきました。

写真部で過ごした3年間

手前から遠山珠優さん、矢田彩花さん、齊藤七実さん、髙清水雪乃さん(全員3年生)

今回取材した3年生の4人は、すでに進路が決まり部活に遊びに来ていました。進学先は、法学部や理学部、専門学校などバラバラ。とっても元気で仲良しな4人に好きな写真家を聞くと、口を揃えて「顧問の石川先生!(笑)」と教えてくれました。

総勢27人の部員を引っ張る、部長の髙清水雪乃さん。入部は中学時代に訪れた文化祭の時から決めていました。
「中学時代に学校見学で訪れた際、写真部の展示や暗室があることを知り、入部を決めていました。写真部があったから、この学校に入学したぐらいです。」

部長を経験してみて大変だったことは、撮影会での班決めや部員・先生とのコミュニケーションだったとのこと。「月に一回開催する撮影会では、撮影地やメンバーを決めていました。部員が仲良くなるキッカケでもあったので、大変でした」

第45回全国高総文祭 写真部門 優秀賞 「目線くださ~い」

こちらは髙清水さんが2年生で全国大会に出場したときの作品。鎌倉で開催された撮影会で撮った、高校生らしいアイデアの作品です。

 

2023年1月号 1席「Fade-Out」

CAPA1月号の月例フォトコンで一席を受賞した遠山珠優さん。作品のモデルは写真部同期の齋藤七実さん。横浜での撮影会で撮った写真です。忙しい学校生活や多くのフォトコンテストがあるなか、3年生で受賞できたこの作品は印象的だったとのこと。

注目の新部長に聞きました!

2年生で新部長となった島村達朗さん。入部前より機械やカメラが好きで入部を決めました。そんな島村さんの愛機はペンタックスK-5。「写真を撮ることがすごく楽しい。今撮っている写真はスナップや、もともと好きなモータースポーツです。」

瀬谷高校は来年度より、同じ区にある瀬谷西高校との再編・統合が決定しています。新校の名前は「横浜瀬谷高校」。校舎はこのまま使われ、写真部も今まで通り活動する予定です。

学校の合併や、今年度限りで顧問の石川先生が退職するなど写真部にとって“転機の年”になりますが、今の率直な気持ちを聞きました。

「学校の合併の話は2年生になってから聞きました。突然の発表で驚きましたが校舎が変わらないことや、写真部が残り続けるのはよかったです。先生の退職は決まっていましたが、先生あっての写真部だったので、感謝の気持ちはもちろんですが、不安な気持ちもあります。まだ未定なことが多いです。」

そんななか、今後の写真部の目標については「これから自分達の代が決めていかなければならないことがいっぱいあります。先輩たちが作った歴史を守って、学校が変わっても写真部は変わらないように頑張りたいです!」と、笑顔で語る姿が頼もしかったです。

期待の新人あらわる!

2022年11月号 1席「嘘をつく水面」

入部して約半年でCAPA月例フォトコンテストで1席を受賞した、増田晶文さん。この写真は夏に開催された江ノ島での撮影会で、ふいに撮った一枚でした。「一席の連絡をもらった時は『嘘かな?』と思いました。写真の経験は無く、写真部への入部はカメラ好きがきっかけでした。今は写真を撮るのがすごく楽しいです。今後の目標は、もっと大会やコンテストで入賞したいです!」と、話してくれました。

写真部オリジナル「年報」とは?

瀬谷高校写真部では毎年「年報」を作成しているとのこと。内容は今年一年間の部内活動報告や、個人の活動内容をまとめたもの。自分のお気に入りの写真をプリントし、データではなく生写真を貼ります。3年生が卒業するタイミングで部員全員に配られ、「卒業アルバムとはまた別の思い出になる」と石川先生は言います。

写真部の転機の年

顧問の石川順一先生 担当教科は社会科(日本史)

石川先生が瀬谷高校に来たのは11年前の2012年、赴任と同時に写真部の顧問になりました。先生はフィルム時代からの写真経験者。今年で定年となり、退職が決まっていますが、まだ今後の写真部の在り方については未定とのこと。「インストラクターや客員講師として1〜2年は写真部を見ていくつもりですが、後任の先生が決まっていないため、このままフェードアウトしていく可能性もあります。」

 

■指導で注意していることはあくまでもサポート

コンテストに応募する作品は、まず生徒がチェックしてレーティング。その後先生がチェックして、意見が一致したものを応募します。
「高校生の場合、セレクトにあたって撮影時の苦労や被写体への思い入れ等が先に立ってしまい、作品としての客観視が難しい、というケースがしばしばあった、というのが主な理由です。“このコンテストにはコレ”的な賞取りに走らないように気を配っています。賞はあくまでも結果ですから。」

タイトルを付ける際も瀬谷高校ならではのこだわりがありました。「生徒が自分の作品に、自信や愛着を持てるようにするためにタイトル付けも大切です。自分の作品を見直す、言語化する事ができますから。もうちょっとの後押しを大事にしています。」

今回取材して感じたのは、コンテストや大会で活躍する瀬谷高校写真部の強さは、コミュニケーションにあるということ。賑やかな部室では、取材の日もコンテストの準備や作品のタイトル付けが行われていました。先生や先輩・後輩に関わらず、大きな教室でなんでも話せる雰囲気が、写真を楽しめるきっかけになっているのではないでしょうか。

今後も瀬谷高校写真部の作品が楽しみです。

写真部初の写真展を開催

今年の4月に瀬谷高校が新校に生まれ変わるのを機に、写真部で回顧展を開催。そこには全国大会出展作品をはじめ、歴代OB・OGや3月に卒業する3年生の作品が約70点展示されます。会期中は生徒や先生が在廊するとのことです。ぜひご来場ください!

会期:2023年3月1日(水)〜5日(日)
時間:10 : 00〜19 : 00(最終日は17時まで)
入場:無料
住所:神奈川県横浜市瀬谷区瀬谷4丁目4-10ライブゲート瀬谷3・4階

元気な写真部大募集!

部員が1人でも大丈夫! 皆さんの活動を紹介します。全国に君たちの思いを届けよう。写真部はみんながレギュラーだ!

宛先 : 〒110-0005 東京都台東区上野 3-24-6 上野フロンティアタワー 14F
ワン・パブリッシング CAPA 編集部 「高校写真部」募集係