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スポーツ写真の巨匠が「キヤノン RF100-300mm F2.8 L IS USM」で体操競技を活写!

報道に携わるカメラマンの現場に迫るシリーズが復活! 第1回は、フリーランスとしてスポーツ写真の地平を切り拓いてきた水谷章人さん。F2.8の100~300mmという革新のズームレンズ「キヤノン RF100-300mm F2.8 L IS USM」で、体操ニッポンの次世代を担う選手らが集うNHK杯に挑んだ。

報道カメラマンの現場NEXT1

「キヤノン RF100-300mm F2.8 L IS USM」の詳しい情報はこちら

 

報道カメラマンの現場NEXT① 水谷章人 × 第62回NHK杯 体操

躍動感を意識したタイミングとフレーミング

個人総合で優勝した橋本大輝選手 (順天堂大学) のあん馬の演技。通常は全身を入れるのが基本だが、水谷流はそこから自らの表現に落とし込んでフレーミングする。RF100-300mm F2.8 L IS USMのズームリングの感触はスムーズで秀逸。トータルの操作性もすこぶるいい。

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キヤノン EOS R5 RF100-300mm F2.8 L IS USM シャッター優先オート 1/1250秒 F3.2 ISO3200 WB : オート

最新のF2.8ズームを手に体操の取材現場に立つ

「驚きました! スポーツ取材にRF100-300mm F2.8 L IS USMを持ち込んだら、予想以上に使い勝手が良くて」

水谷章人さんは開口一番、言葉に力を込めた。

「近年、スポーツ撮影の焦点域は400mmが標準で、当初100-300mmズームと聞き、どこまで使えるのか懐疑的でした。そこで愛機 EOS R5のクロップ撮影を活用してみたのですが、ぴったりとハマりました」

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日本スポーツ写真協会 名誉会長 水谷章人さん

水谷さんがRF100-300mm F2.8 L IS USMのすごさを実感したのが、NHK杯体操の取材。2020東京オリンピックの体操個人総合と種目別鉄棒で金メダルに輝いた橋本大輝選手はじめ、旬な体操選手がそろい踏み。第52回世界体操競技選手権大会への出場権もかけて精鋭たちがしのぎを削った。

「普通は手や足の先までしっかり入れるのが大前提。自分も王道カットを押さえつつ、できるだけ寄りで撮影。体操は一人ずつ演技を行なうため、狙いに集中できるが、動きが大きくスピーディー。表情のアップを追い続けるのは至難のワザだけど、挑戦しがいがある。EOS R5との組合せもばっちりでAFも何ら問題ありませんでした」

AFエリア選択モードは使い慣れた1点AF。鉄棒などレンズを縦に振る場面が多いときは手持ちでも写した。

EOS R5との重量バランスも良く、逆光耐性も文句なし。シャープさも良好で、選手たちのドラマをいつも通り写真に刻めた。スポーツ撮影に100-300mmのF2.8、大いにアリです」

会心のガッツポーズにズームアップ

素早く構図を決められるのもこのズームレンズの強みだ。スポーツ写真は人生の縮図のようなもの。アスリートの喜怒哀楽、競技や試合のドラマを写真に凝縮させることを意識して現場に立つ。これまでも、これからも。

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キヤノン EOS R5 RF100-300mm F2.8 L IS USM シャッター優先オート 1/1250秒 F3.2 ISO3200 WB : オート

タイミングを計り、華麗さを際立たせる

高難度の離れワザが連発する鉄棒は、選手の縦方向の動きが大きい。軽量・コンパクトなRF100-300mm F2.8 L IS USMは手持ち撮影も可能だ。橋本選手の足先まで捉え、洗練された美しさに留意した。逆光にも強く、描写はクリア。

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キヤノン EOS R5 RF100-300mm F2.8 L IS USM シャッター優先オート 1/1250秒 F3.2 −0.3補正 ISO3200 WB : オート

橋本選手がプロテクターに炭酸マグネシウムの滑り止めをまぶしている瞬間をアップで迫る。スポーツ報道でもこうしたカットを入れることで、選手の心の機微などを浮き彫りにできる。RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMもお気に入りの1本だ。

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キヤノン EOS R5 RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM シャッター優先オート 1/800秒 F8 ISO5000

明るさのアドバンテージは被写体も表現も広げられる

「掲載写真のセレクトで意識したのは、演技のピークともいうべき王道のフォルムではなく、そのわずかに前後したタイミング。要はより “動きを予測させられる” ポーズや目線です」

水谷さんは今回、男子も女子も撮ったものの、掲載できる作品には限りがあるため、世界チャンピオンの橋本大輝選手の美しい演技に着目して作品を絞ったという。発表時の作品選びも重要なのだ。

コロナ禍の影響もあって「NHK杯の撮影は久しぶり」と明かす水谷さん。開放F2.8超望遠ズームの明るさのメリットを改めて再確認できたと振り返る。

「ミラーレスの時代となり、高感度画質も向上しています。もはや明るいレンズはスポーツ撮影の絶対条件ではない。けれども、悪天候やナイター、それに屋内競技だってある。3倍ズームの利便性も考えれば、スポーツ写真家を含め、失敗が許されない新聞社の写真記者にとってもこのレンズの恩恵は相当に大きいはず」

最後にこのレンズでほかに何を撮りたいかをたずねた。

「2年後に写真家60周年を迎えるにあたって山や風景の撮影にも力を入れたい。ただ、このズームの性能を最大に引き出せるのはスポーツ写真。例えばラグビーもいい。クロップやエクステンダーを併用すれば使い出がある。いずれにせよ、機材の特性を生かして撮っていきたいね」

水谷さんはRF100-300mm F2.8 L IS USMを手に、豪快に笑った。

描写性能に加え、機動力の高さを重視してレンズを選ぶ

最新の大口径300mmズームで久しぶりの体操取材にも全集中

今やスポーツ撮影の “標準レンズ” はヨンニッパだが、RFレンズ、しかもズームとして生まれ変わったサンニッパ RF100-300mm F2.8 L IS USMは、屋内撮影となる体操取材にドンピシャだった。描写性と操作性はいうまでもなく、EOS R5との相性も抜群で、コロナ禍で近年は撮っていなかった大会も集中して撮ることができた。

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「EOS R5」と絶妙な重量バランス

EOS R5EOS R3との重量バランスが良く、体操は一つ一つの演技の時間が短いので、手持ち撮影でも苦にならない。レンズ本体を左手で支える感覚で持つといい。このとき、きちんと脇を締め、肘を体につけるのがコツ。

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その時点でベストな機材をチョイス!

現在のメインカメラはEOS R5で、スポーツ撮影用と風景・山岳撮影用の2台体制で日々の撮影を行なっている。EOS R3の本格導入はまだだが、AF捕捉力の進化や超高速連写の魅力には大いにそそられる。

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1.6倍クロップの利便性を再発見

EOS R5のクロップ撮影機能も積極的に利用した。EVFには約1.6倍に拡大された映像が表示されるので、撮影時の違和感はまったくない。クロップ時でも記録画素数は約1730万あり、画質的にも十分満足のいくもの。

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エクステンダー併用の選択肢も

エクステンダー RF1.4x装着だと開放F4になるが、420mm相当の画角をカバーできる。エクステンダー RF2xならば超望遠600mm相当まで写せる (同F5.6)。個人的には開放F2.8を生かしたいので、携行機材を絞る際の “おまもり” 的な存在だ。

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水谷章人 (みずたに あきと)

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2年後に写真家活動60周年を迎えるスポーツ写真界のレジェンド

1940年、長野県生まれ。山岳写真から始まりスキー写真に移行。その後、幅広くスポーツ撮影を手掛け、オリンピックや各種スポーツの世界選手権取材も多数。現在は日本スポーツ写真協会名誉会長を務める。受賞歴は第12回講談社出版文化賞写真賞、第3回藤本四八写真文化賞、日本写真協会賞作家賞、ヤマハ発動機スポーツ振興財団スポーツチャレンジ賞など。
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第62回NHK杯 体操 2023年5月20日 (土) ~21日 (日) 東京体育館
〈取材〉金子嘉伸 〈取材撮影〉我妻慶一 〈協力〉スポーツプレスJP