特集

大切なのは“リスペクトの心” 成長し続ける柏の葉高校写真部の挑戦!

全国の頑張る写真部を紹介するこの企画。今回は、千葉県立柏の葉高等学校を取材しました。

部室にはずっと笑い声が響いているほど、元気いっぱいでした。

We’re 写真部#5 千葉県立柏の葉高等学校 写真部

柏の葉高校には普通科の他に千葉県内唯一の情報理数科があり、生徒主体の姿勢で学校行事や部活動に取り組んでいます。校舎はつくばエクスプレス・柏の葉キャンパス駅から徒歩15分。学校周辺には柏の葉公園もあり、自然豊かな環境にあります。

写真部は現在、1年生と2年生の14名で活動しています。3年生は4月に引退し、自由参加です。CAPAの取材があるということで、この日は久々に遊びに来てくれた3年生の生徒もいました。

部長になって2か月!堂々とした姿が印象的な新部長をインタビュー

2年生の佐野碧さん。愛機はキヤノンEOS Kiss X9i。

佐野さんの入部のきっかけは、中学生時代に柏の葉高校のホームページで写真部を見かけたこと。「入学する前に写真部があることを知り、興味を持ちました。体験入部に訪れた際、先輩たちが仲良く、優しかったので入部しました」また、写真に興味が湧いた理由は「家にある自分の小さい頃の写真や、家族の写真を見るのが好き」と、写真が身近な存在だったことも影響していました。

部長に決まった理由は昨年の部長の推薦。「部長になるのは初めてだったので、責任感や不安もあったけど、写真部を支えたい気持ちがありました。部長になってからは、先生と話し合いながら撮影会の予定や、今後の目標などを決めています。みんなの楽しそうな様子や、撮影した写真で仲間が賞を獲る姿を見るとやりがいを感じます」と、笑顔で話してくれました。

お気に入りの一枚

タイトル:聞こえますか?

駅のホームで弟を撮影した写真。「マスクをしている姿とメッセージが溢れている背景のミスマッチを狙いました。マスクをして、言えないことを後ろのメッセージで主張しているイメージです」

“これからも写真続けていきます!”4月に引退した3年生のこれから

左から神津早麻さん、井手口心さん、山口瑠奈さん

4月から部活への参加が任意になり、部活以外では学校でたまに会う程度になってしまったという3年生の部員たち。

■駆け足だった2年間

写真部の2年間の活動は、あっという間だったと3人とも顔を見合わせて話します。「1年生の時はゆるく活動していて、大会やコンテストなどに応募したことが無かったんです。2年生になったタイミングで顧問の先生が変わり、1年生の時に比べてガツガツと活動するようになりました。先生が急に“全国大会を目指します!”と言い出した時は本当にびっくりしました」

活動していくなかで、作品の入賞や、写真の上達にはきっかけがあったとのこと。「4月に全国高等学校写真選手権大会(以下、写真甲子園)に挑戦するためにたくさん写真を撮りました。その時から、なんとなく写真の撮り方が分かってきた気がして。作品を制作するのに、毎日放課後の最終下校時刻まで部室に残り、夢中で制作しました」

先生の指導力ももちろんですが、生徒自身の行動力や頑張りがすぐに結果に出ていて驚きました。

■部活から離れてみて

昨年度の部長だった井手口さん「部長の時は毎日がすごく忙しかったです。だけど、世代交代して2年生が中心になって自分の居場所がなくなった気になりました(笑)。学校で1番楽しかったのが写真部だったので。ちょっと寂しいです」と、まだまだ活動したい様子。

会計係を務めた神津さん「クラスが忙しくなってなかなか部活には参加できなくなっちゃったけど、充実してて楽しかったなぁ。すごくいい思い出です」

今年の夏に開催される全国総文祭への出場が決まっている山口さん「部活をしているときは充実感や達成感があったけど、それがなくなってしまって寂しいです」

3人とも寂しそうな印象でしたが、写真部の活動がそれだけ充実していたのだと感じられました。

最後に、これからの写真との関わり方について聞くと、3人は照れくさそうにしながらも、自信を感じさせる表情で話してくれました。

井手口さん「写真部をやめて、寂しい気持ちと今後も写真を続けたいという思いがあり、写真の大学に進学する予定です。写真部に入らなかったら、大学でも写真を勉強したいって思えなかったです」

山口さん「進学先は写真に関係はないけれど、写真のサークルがあったら入りたいし、続けていきたいです」

神津さん「海外の学校に進学するので、言葉の壁はあるけれど写真をきっかけに友達を作れたらなぁと思っています」

先生の私物のカメラを含む、部活内で自由に使える貸し出しカメラたち

2度目のブロック審査に進出!写真甲子園への挑戦

毎年5月下旬に応募締め切りがある写真甲子園。今年は歴代最多の584校の応募がありました。全国の読者の高校生のなかには出場を目指している人も多いのではないでしょうか?

今年で2回目の挑戦となった柏の葉高校写真部のみなさんにも、挑戦した感想を聞きました。

左から松室茜里さん、佐野碧さん、ミランダ ナルミさん。メンバーになった理由は、3人とも北海道に行きたいという熱い思いでした。

応募作品には柏の葉高校写真部ならではのストーリーがありました。「今年の2月ぐらいから部員みんなで撮影を始めました。撮影地は柏市周辺です。街の様子や働いている人を撮影したくて、ちょっと寂しい感じとか、商店のシャッターの感じとか。あえて人の顔を入れずに、寂しさを表現しました。タイトルには今の街の現状をカメラを通して知っていくことが多かったので、これから大人になっていく、私たちへのメッセージになればという思いを込めました」

応募作品:これから大人になる私たちへ

作品を制作するにあたり開催された撮影会では、1日で1000枚以上撮影することもあったそう。「先生に『瞬間が大切だから沢山撮れ』って言われて、とにかく写真を撮りました。印象的だった思い出は、農家のおばあちゃんを撮影した時、カブをもらったことです。初めての経験で驚きましたが、すごく嬉しかったです。美味しかったです(笑)」

6月11日に行われたブロック審査会では「『写真に初々しさがあって、距離感があるのが逆にいいね。撮り続けていってほしい』というコメントを審査員の先生からいただきました。緊張したけれど、良い経験になりました」。

惜しくも今年の本戦出場は叶いませんでしたが、すでに来年のことを考えている頼もしい姿がありました。

松室さん「とても悔しかったです。来年リベンジしたいけれども、今年の挑戦は3年生に譲ってもらったところもあるので、来年は1年生にチャンスをあげられるように頑張りたいです」

これからの目標ですが、3人とも“誰かに届く写真”を目指したいとのこと。

佐野さん「人物写真を撮ることが好きなので、撮り続けたい。人の心を動かすような写真を撮りたいです」
ミランダさん「個人で賞を獲りたいのと、昨年の県展で見た印象的な写真があって、私もそんなインパクトのある写真を撮ってみたいです」
松室さん「文化祭や写真展などで、見てくれた人が足を止めてくれるような写真を撮りたいです」

これからの写真部を引っ張って行く3人の今後の作品が楽しみです。

顧問の伊東央二先生

柏の葉高校写真部の顧問になって2年目。伊東先生自身も高校時代は写真部だったそう。「教員になってから、運動部の顧問を務めたこともありましたが、初めて写真部の顧問になったのは15年前です。以前赴任していた学校の写真部では2度ほど写真甲子園に行きました」

■いつも生徒に伝えるのは“リスペクト”

長年写真部の顧問を務めている伊東先生が大切にしていることがあります。「生徒に伝えているのは、リスペクトの気持ちです。人や物に対して、常に持っていてほしいです。あとは自分らしく、自由に撮影していいよと伝えています。技術的なことよりも、気持ちが大切だと思っています」

写真の指導については、作品をプリントアウトして、生徒が付けたタイトルを見てからアドバイスをします。「出来上がった作品を見て、組み写真を作る場合は、寄りと引きのバランスについて話をすることもあります。アングルの重要性についてもです。しかし、生徒が“いいな”と思って撮ってきたことが大事なので、下手でも全然OKなんです」

先生の楽しみながら写真に向き合う姿が、生徒のみんなにも伝わっているようでした。

 

取材日には、みんなの作品を鑑賞しながら良かった点を褒め合う合評会が行われていました!

この2年で急成長を遂げる柏の葉高校写真部を取材しましたが、その活動の情熱と成果には驚きました。新しいテーマやジャンルに積極的に挑戦し、楽しみながら、自分たちの写真の幅を広げようとしている姿が印象的でした。

柏の葉高校写真部の更なる飛躍に期待を寄せつつ、みんなの写真が多くの人々の心に届くことを願っています!

部活の様子を動画でお届け!TikTok公開中

@capa_camera_web 全国の頑張る写真部を応援するCAPA CAMERA WEB不定期連載企画「We’re写真部」? 今回は千葉県立柏の葉高校写真部を取材しました✨✨ そこには、日々”リスペクトの心”で活動する高校生の笑顔が溢れていました? 詳しくはCAPA CAMERA WEBをチェック✅ #CAPA #CAPACAMERAWEB #weare写真部 #写真好きな人と繋がりたい ♬ Ao To Natsu Remastered 2020

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