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【フィルム写真の楽しみ方④】撮影したフィルムをデータ化する3つの方法

カメラの操作やフィルムならではの描写など、デジタルとはひと味もふた味も違うフィルム写真が今、人気を集めています。フィルムをデジタル化して写真を楽しむ現代版のフィルム写真を紹介します。今回は、撮影したフィルムのデジタルデータ化についてです。

 

オールドレンズでレトロな雰囲気を楽しむ

食器を扱う店の前に小さなガラスの盃が並んでいた。1980年代の50mm F1.4を絞り開放に設定してクローズアップ。フィルム独特の階調や色再現と、オールドレンズのボケ味により、どこかレトロな雰囲気の写真になった。

フィルム写真の楽しみ方
ニコン F3 AI Nikkor 50mm f/1.4S 絞りF1.4 1/2000秒 コダック ULTRA MAX400 (ニコン Z 7II + フィルムデジタイズアダプター ES-2 でデジタル化)

フィルムをデータ化してSNSやプリントに活用

かつてはカラーネガフィルムで撮影したら、同時プリントが定番だった。しかし現在はSNSなどの普及により、デジタルデータにしたい人が多い。データ化するには、いくつか方法がある。

ひとつはダウンロードではなくCDにしてもらう方法。スマートフォンよりCDドライブを持ったパソコンで管理したい人におすすめだ。

また、インクジェットプリンターなどで大伸ばししたいなら、高解像度のスキャナーがあると便利。ただ近年はスキャナーの種類が少なくなり、デジタルカメラで複写するデジタイズアダプターが主流になってきた。一度セットすればスピーディーに作業できる。

また、ネガポジ反転はレタッチソフトのトーンカーブのラインを逆にすることでできるが、ネガ反転機能を持ったカメラやソフトもある。

データ化① フジカラーCDで200万画素のデータに

ダウンロードサービスと並んで手軽なCD。フジカラーCDでは、1コマ200万画素にデータ化。CD1枚にフィルム5本、または200コマ保存できる。内容がわかるようにインデックスプリントも付く。

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データ化② デジタイズアダプターでフィルムを複写

ニコン フィルムデジタイズアダプター ES-2

フィルム写真の楽しみ方

ニコン純正のフィルムデジタイズアダプター。対応レンズは限られているが、「NIKKOR Z MC 50mm f/2.8」も使える。複写にはライトボックスがあると安定した作業ができる。参考価格18,360円 (税込)。

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JJC FDA-S1

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径変換リングを複数付属し、さまざまなマクロレンズに装着できる35mm判フィルム用デジタイズアダプター。LEDライト付きなので、ライトボックスも不要だ。参考価格14,800円 (税込)。

データ化③ フィルムスキャナーで高画質スキャン

プラステック OpticFilm 135i

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今や貴重なフィルムスキャナー。7200dpiの高解像度を持つ。ネガに付いたホコリやキズも検知でき、スキャンしたらPhotoshop に直接展開することも可能だ。参考価格60,170円 (税込)。

ケンコー KFS-14C5L

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1500万画素のセンサーを搭載し、SDカードに保存。35mm判フィルムのほかプリントもスキャンできる。5インチモニターで内容を確認しながら作業が行なえる。参考価格36,800円 (税込)。

フィルムQ&A

複写後、ネガ画像を反転させるには?

SILKYPIX Developer Studio Pro11」には、ネガフィルム反転ツールがある。ネガを複写したデータを表示させ、スポイトをネガの素抜け部分でクリックすると反転。豊富なツールで好みの仕上がりに追い込める。

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ニコン「D850」と「D780」には、ネガフィルムデジタイズ機能が搭載されている。「ES-2」を使用してフィルムを複写すると、自動でネガポジ反転をしてJPEG保存される。「D850」「D780」ユーザー必見の機能だ。

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次回は、藤井カメラマンおすすめのフィルムを紹介します。

 

〈取材協力〉2nd BASE