カメラの操作やフィルムならではの描写など、デジタルとはひと味もふた味も違うフィルム写真が今、人気を集めています。フィルムをデジタル化して写真を楽しむ現代版のフィルム写真を紹介します。今回は、藤井カメラマンおすすめのフィルムです。
- フィルムの基礎知識
- フィルムカメラを使いこなす5つのポイント
- フィルム撮影を楽しむならカメラにこだわろう
- 撮影したフィルムをデジタイズ!
- お気に入りのフィルムを見つけて撮影を楽しもう
モノクロフィルムで印象的にスナップ
桜が咲く川沿いを歩く人たち。立ち止まって景色を眺める2 人を中心にフレーミングした。色ではなく階調で見せるモノクロは、カラーフィルムとは異なる表現が得られる。街スナップにもモノクロフィルムがよく合う。
フィルムの特性を生かして自分だけの表現を探そう
フィルム写真は、フィルムの個性を楽しむのも魅力だ。種類は大きく分けるとカラーネガ、モノクロ、リバーサル (ポジ) フィルムがある。最もポピュラーなのがカラーネガフィルム。富士フイルムやコダックなど、おなじみのメーカーだけでなく、シネフィルムや特定の色が強調されるフィルムなど、個性的なフィルムもある。ただ現在フィルムは全体的に供給不足。見つけたときに即購入しておくと安心。
作品派にはモノクロフィルムも人気だ。自家現像も可能なので、あえてモノクロで予算を抑えながら楽しむ人も増えているという。
そして、かつてプロやハイアマチュアに支持されていたリバーサルフィルム。カラーネガよりシビアな露出設定が要求されるが、カメラとフィルムの特性を使いこなす楽しさが味わえる。
個性的なフィルムが充実したカラーネガ
富士フイルム SUPERIA PREMIUM 400
広いラチチュード (明るさの再現域) を持ち、露光オーバーにも強い。またISO400の感度ながら微粒子。鮮やかな色再現性も大きな特徴だ。参考価格 36枚 1,650円 (税込)。
コダック ULTRA MAX400
コダック独自の粒子技術とケミカル技術を採用。光の吸収効率が高く、広いラチチュードを持つ。屋内や夜の撮影でも優れた仕上がり。参考価格 36枚 2,100円 (税込)。
蔵CURAセレクション CineStill 400D
元は映画用の35mmフィルム。温かみのある色再現を持つ。ISO400だが、ISO200からISO800までの増減感が可能。さまざまなシーンで活躍する。参考価格 36枚 3,870円 (税込)。
LomoChrome Turquoise
青とオレンジに特化した色調が得られる。肉眼と異なる個性的な表現が可能だ。ラチチュードが広く、感度をISO100~400の間で選ぶことができる。参考価格 36枚 1,610円 (税込)。
クラシカルな描写が楽しめるモノクロフィルム
富士フイルム ACROS 100 II
微粒子を誇っていた「ACROS」が2018年に終了したものの、2019年に「ACROS II」として復活した。滑らかで豊かな階調が得られ、扱いやすいフィルムだ。参考価格 36枚 1,260円 (税込)。
イルフォード ORTHO PLUS
一般的なパンクロマチック (可視光に感度があるフィルム) ではなく、青と緑に感度があり、赤の感度がなく暗くなる特性を持ったオルソマチックのモノクロフィルム。参考価格 36枚 1,700円 (税込)。
蔵CURAセレクション KIKI PAN 320
ネコ柄のパッケージが可愛い香港拠点のモノクロフィルム。製造はドイツだ。粒子が大きく、ザラッとした仕上がり。街スナップ向き。参考価格 36枚 1,510円 (税込)。
品薄状態が続くリバーサルフィルム
現像したフィルムがそのまま画像として見られるリバーサルフィルム (ポジフィルム)。カラーネガとは異なる鮮やかさを持つ。現在、量販店では品薄状態。購入時には在庫確認をしよう。
富士フイルム PROVIA 100F
コダック エクタクローム E100
2nd BASEで発見! フィルムガチャ
「2nd BASE」の店舗前には、フィルムガチャが設置されている。500円玉を2枚入れて回すと、黒いカプセルに収められたモノクロフィルムが出てくる。秋葉原という土地柄もあってか、外国人にも人気があるそうだ。1回1,000円。
2nd BASE
住所 東京都千代田区神田練塀町13-1外 SEEKBASE AKI-OKA MANUFACTURE 01棟
営業時間 11:00~20:00
定休日 水曜・年末年始
TEL 03-6303-2388
交通 JR秋葉原駅より徒歩3分
〈取材協力〉2nd BASE