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全域F2.8の明るさと幅広い焦点距離!「キヤノン RF100-300mm F2.8 L IS USM」が報道撮影を支える

アーティスティックなスポーツ写真で知られる髙須力さん。今回は、髙須さんが「撮影のモチベーションを強く刺激してくれる」と信頼を寄せる、キヤノンの大口径超望遠ズームレンズ「キヤノン RF100-300mm F2.8 L IS USM」をフィーチャーする。そこから独自の視点で生み出し続ける数々の写真の原動力を探っていこう。

報道カメラマンの現場NEXT4

RF100-300mm F2.8 L IS USMの詳しい情報はこちら

 

報道カメラマンの現場NEXT④ 髙須力 × セパタクロー

ダイナミックな瞬間を捉えてセパタクローの魅力を引き出す

日本ではまだ馴染みが薄いセパタクロー。強豪タイのプレイヤーによるアクロバティックなアタックの一瞬を狙った。取り回しがしやすい「RF100-300mm F2.8 L IS USM」のおかげで、イメージどおりの写真を捉えることができた。

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キヤノン EOS R3 RF100-300mm F2.8 L IS USM 絞りF3.2 1/640秒 ISO4000 WB : 5000K (焦点距離300mmで撮影) セパタクロー 第36回 世界選手権大会 (タイ国王杯)「キングスカップ」

報道視点の大会撮影ではRFサンニッパズームが主軸

プロとしての矜持なのだろう。さまざまなスポーツを撮ってきた髙須さんが、ふと、限界という言葉を口にした。

「サッカーWカップなどでもほかにはない写真を撮ってきた自負はありますが、例えば世界中から200人ものカメラマンが集まり、撮影位置の規制も年々厳しくなる中で、これからも〝自分だけの写真〟を狙い続けられるのかという不安に駆られるようになってきたのです。そしてコロナ過を経て改めて己を見つめ直したとき、自分がシャッターを押さなければ記録としての写真さえ残らないような現場にも、何ものにも代えがたい価値を見出せるようになり、大会の規模などに関らず、写真への情熱が前以上に湧いてくるようになりました」

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髙須力さん

ここで紹介するのは、そんな髙須さんが20年近く前に出会い、10年前から深掘りを決意した東南アジアの伝統スポーツ、セパタクローの最近のカットだ。

「5年前にはセパタクロー日本代表にも選ばれる選手を主題にした個展を開きましたし、今年はタイの世界大会や、中国・杭州で開かれたアジア競技大会へ自ら撮影しに出向きました」

今年の撮影で手にしていた主力レンズが「RF100-300mm F2.8 L IS USM」。「1日に何試合も撮影したり、いくつもの競技を取材したりしなければならないときは、これほど利便性が高く、使い勝手がいいレンズはほかにはありません」と、髙須さんは笑顔で語ってくれた。

ズームを生かしてベストな構図で狙える

セパタクロー選手の身体のしなやかさと強靭さは目を見張るばかりだ。その特徴的なボールコントロールを強調できるフレーミングでシャッターを切った。大口径F2.8 のボケは煩雑な背景を整理する意味でも助かる。普段から、ズームでも画角を決めて絵づくりをするように心掛けている。

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キヤノン EOS R3 RF100-300mm F2.8 L IS USM 絞りF2.8 1/640秒 ISO3200 WB : 5000K (焦点距離300mmで撮影) セパタクロー 第36回 世界選手権大会 (タイ国王杯)「キングスカップ」

最新かつ最高のレンズを選び、集中力と情熱を高めていく

RF100-300mm F2.8 L IS USM」を愛用している理由は、汎用性の高さだけにとどまらない。

「ズーム全域で解像感のある描写はヌケがいいし、背景ボケの大きさや美しさも文句なし。AF合焦の俊敏さ、手ブレ補正機能 (IS) の効きも信頼できるし、その高性能さを考えたらリーズナブルな価格と言えます」

いわゆる作品づくりでは単焦点レンズを多用する髙須さんだけに、ズームの便利さを声高に語ることに少し意表を突かれた。そこでズバリ、機材選びのこだわりをたずねてみた。

「別にないんです (笑)。強いて言えば、その時点で最新のプロ機材を使うようにすること。仮に安価で古いレンズなどを使って、もし捉えたいシーンを撮れなかったら、機材のせいにしたくなる。あくまで自己責任であり、機材を言い訳にしたくないので、最高のものを選ぶことにしています」

それはつまり、「RF100-300mm F2.8 L IS USM」を心から信じているという証にほかならない。

「昔はISを信用していなかったのですが、今では全幅の信頼を置き、ONにしています。むろんRF100-300mm F2.8 L IS USMも基本ON。高速シャッターには頼らず、自分に負荷をかけないと写真が下手になると思って、最近は1/640秒とか1/8秒で撮ることに挑戦しています。その際、ムダなブレをISが抑えてくれている。考えてみれば、僕の挑戦の傍らにはEOS Rシステムがいてくれるのです」

定評ある手ブレ補正により、タテ方向の流し撮りもスムーズに行なえる

男子シンクロ高飛び込みを、タテ方向の流し撮りでアーティスティックに捉えた。実は会場に到着したのがギリギリで、急いで撮影ポジションに着かねばならなかった。軽量な「RF100-300mm F2.8 L IS USM」のおかげもあり、手持ちで撮影。焦ることなく、平常心で絵づくりに専念できた。

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キヤノン EOS R3 RF100-300mm F2.8 L IS USM 絞りF5.6 1/8 秒 ISO50 WB : 4750K (エクステンダー RF1.4x使用 焦点距離140mmで撮影) アジア競技大会・杭州

600mmの画質も違和感なし。汎用性の高さはダントツ

2倍のエクステンダーを装着して、600mmでグッと寄る。タイトな構図で、柔道の組み手争いに緊張感をはらませた。シャープさもコントラストも問題なし。AF合焦の俊敏さも削がれていない。

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キヤノン EOS R3 RF100-300mm F2.8 L IS USM 絞りF5.6 1/8秒 ISO50 WB : 4750K (エクステンダー RF2x使用 焦点距離600mmで撮影) アジア競技大会・杭州

標準Lズームとの組合せで変化をつける

セパタクローの、まるで忍者かダンサーのようなトリッキーな動き。状況を語らせるには、広角~標準域で撮影する。「RF100-300mm F2.8 L IS USM」と「RF24-105mm F4 L IS USM」のコンビネーションはベストマッチ。

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キヤノン EOS R5 RF24-105mm F4 L IS USM 絞りF4 1/1000秒 ISO4000 WB : 4750K (焦点距離24mmで撮影) アジア競技大会・杭州

卓越したRFレンズのクオリティーが取材のモチベーションを盛り上げる

EOS Rシステムになり機動力がアップした

これまではカメラボディ3台体制だったが、「RF100-300mm F2.8 L IS USM」の導入で、「RF24-105mm F4 L IS USM」と組み合わせれば、ボディ2台体制で仕事をこなせるようになった。標準Lズームは「EOS R5」に装着。ほかに、主に作品づくりに使用する「RF85mm F1.2 L USM」などを携行するケースもある。

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軽量でバランスが良いので集中力を持続しやすい

RF100-300mm F2.8 L IS USM」と「EOS R3」のコンビは、デジタル一眼レフとヨンニッパなどの組み合わせと比べてかなり軽量化できる。重量バランスも良好で、長時間でなければ手持ち撮影も苦にならない。

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報道的な撮影でベスト! 即応性重視の2台体制

たとえばオリンピックやアジア競技大会など、さまざまな種目を撮る必要があるときに「RF100-300mm F2.8 L IS USM」は最適なレンズ。これと「RF24-105mm F4 L IS USM」を組み合わせれば、どんな状況でもほぼ撮り切れる。

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単焦点に匹敵する高画質! 安心して撮影できる

RF100-300mm F2.8 L IS USM」は、ズーム全域におけるシャープな切れ味とナチュラルな色再現に満足している。逆光耐性も強く、照明などが画面内に入っても汚いゴーストなどは皆無。カメラとの連携だろうが、AFも俊敏で、ここぞという瞬間をきっちり捉えてくれる。

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エクステンダーを活用して100~600mmを確保する

エクステンダー RF1.4x」と「エクステンダー RF2x」を活用して、「RF100-300mm F2.8 L IS USM」の使用領域を広げている。特に「エクステンダー RF1.4x」は画質にほとんど劣化は見られず、AF作動も体感できるような変化はない。「エクステンダー RF2x」の画質も十分に納得できるレベル。

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AFやシャッター速度を瞬時に変えられる設定に

AEロック (*) ボタンで「領域拡大 (上下左右)」、AF-ONボタンで「トラッキング」開始に設定。M-Fnボタンにはカスタム撮影モードの切り替えを割り当て、即座に高速と低速シャッターなどを使い分けられるようにしている。

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髙須 力 (たかす つとむ)

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1978年、東京生まれ。2002年より独学で写真を始める。被写体はサッカー、テニス、ハンドボールから、柔道、水泳、フィギュアスケートまで、ありとあらゆる競技やアスリートたちを撮り続けている。セパタクローの撮影はライフワークでもある。日本スポーツ写真協会理事、日本スポーツプレス協会および国際スポーツプレス協会会員。
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〈協力〉キヤノンマーケティングジャパン株式会社
〈取材〉金子嘉伸 〈取材撮影〉我妻慶一