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【2023ベストバイ】小技の効いた小型フラッシュ「GODOX V350」で撮影システムを軽量化

久しぶりに行動の自由が戻ってきた2023年。プロ写真家の皆さんに「2023年、買ってよかったモノ」を一斉調査しました。2024年の明るく楽しい写真ライフの参考になれば幸いです。さあ、どんなアイテムが出てくるかな?

プロが買って良かったモノ教えます! 2023ベストバイ特集

桃井一至さんの2023ベストバイ「GODOX V350」

【2023ベストバイ】桃井一至さん

小技の効いた小型軽量クリップオンフラッシュ

2023年、買ってよかったのは、小型フラッシュ「GODOX V350」だ。いわゆる汎用メーカー製フラッシュで、キヤノン、ニコン、ソニー、富士フイルム、OM SYSTEM (オリンパス)、パナソニック製カメラに各対応する製品が用意されている。

購入したのはソニー用。通常、クリップオンフラッシュは光量の大きなソニー純正「HVL-60RM」を愛用しているが、クイックシフトバウンス機能などが付いて、本体のみで449gと、「α7C II」とほぼ変わらない重さ。カメラボディ2台分の重さにプラス交換レンズ。さらに内容次第で2セットを両肩にかけて撮影に挑むことになるので、それだけでも骨が折れる。ならば一方だけでも「V350」で軽くしようと企んだ次第。

【2023ベストバイ】桃井一至さん

マスター機能を搭載

近しいスペックでソニー純正「HVL-F46RM」という選択肢もあるが、「V350」を選んだ理由にはもうひとつあって、ゴドックスのワイヤレス対応フラッシュをコントロールできるマスター機能を備えている。

マスター機能とは、手元から同社製フラッシュの発光量などをコントロールできるワイヤレス機能のこと。モノブロックタイプのフラッシュはゴドックスで揃えているので、「V350」があれば、コントローラーとしても使えて一石二鳥というわけだ。

通常、ワイヤレス撮影のコントローラーにはゴドックスの「X2T」を使用しているが、こちらはコントローラー専用品。専用ということもあり、機能的には「V350」より送信距離や対応グループ数などで長けているが、フラッシュ発光機能を持っていないので、両方を兼ね備える「V350」は予備に調度いい。ちなみに「X2T」をコントローラーにして、「V350」の発光も可能だ。

【2023ベストバイ】桃井一至さん
カメラに装着しているのがコントローラー「GODOX X2T」。中央「GODOX V350」の右側は「GODOX AD200」にラウンドフラッシュヘッド「H200R」を取り付けたもの。

リチウムイオンバッテリー採用でチャージ時間が短い

あらためて「V350」について解説すると、ガイドナンバーは最大36 (105mm / ISO100) なので、絞りF4であれば、計算上は9m先まで照らせるパワーを持つ。広角や標準域の使用時はGNが減少するため、近距離が主なカバー範囲。おおむねパーティショットくらいが目安。もちろん飛距離を延ばしたり、バウンス撮影や同梱ディフューザーで光をソフトにしたいときはISO感度アップと合わせて使えばOKだ。

本体サイズはカメラバッグのサイドポケットに収まる程度のボリュームで、ズームヘッドは24mm〜105mmまで対応している。

【2023ベストバイ】桃井一至さん
バックライト付き液晶もあり、手元が暗いときでも操作がしやすい。

ちなみにゴドックスのラインアップには「V350」とほぼ同スペックの「TT350」もあるが、こちらは単3形乾電池2本が電源。「V350」は専用リチウムイオンバッテリー採用でチャージ時間が短いのと、コントローラーの送信距離に差があり、約30mと約50mで「V350」のほうがパワフルだ。ファミリーフォトのクオリティアップや、将来的に多灯フラッシュに挑戦してみたい方などにオススメしたい。

【2023ベストバイ】桃井一至さん