
今年で33回目を迎える全国高等学校写真選手権大会「写真甲子園2026」が、2026年7月28日、北海道東川町で開幕した。全国を11に分けて行われた予選には463校が参加。そこから作品応募による初戦、そしてプレゼンを行うブロック審査会を勝ち抜いた18校54名の選手 (生徒) たちが「写真文化首都」を宣言する東川町にやってきた。
写真甲子園のルールは?
今年の本戦出場校は以下の通り。
初出場が7校と多い一方、優勝経験のある高校や近年コンスタントに本戦進出を果たしている強豪校も多く、楽しみな顔ぶれだ。ちなみに「写真甲子園」は1校につき1チームのみがエントリー可能。本戦に出場する選手は3名と決まっているが、必ずしも写真部やその部員である必要はなく、もちろん学年の構成も自由だ。
ルールも厳格に定められており、大会期間中は撮影場所やスケジュール、セレクト作業など、イコールコンディションが徹底されている。機材ももちろん各校共通で、キヤノンマーケティングジャパンから「EOS RP」と「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」を3セット、さらに「RF24-240mm F4-6.3 IS USM」「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」「スピードライト 430EX III-RT」などが貸与される。メディアもウエスタンデジタルのSDHCメモリーカード16GBが6枚渡され、それしか使うことができない。

レタッチも禁止されているため、撮影時に露出はもちろん、ホワイトバランスやピクチャースタイルを追い込んでおく必要がある。ただし、撮影そのものは開会式前にカメラを渡された瞬間から、最終日午前10時の最後のメディア提出までいつでもOK。食事などの休憩中や、宿舎に戻ってから夜中にこっそり (?) 撮影をする高校もある。短期決戦ゆえ、いつ何を撮るかといったプランや、3人の役割分担も重要なのだ。

提出するのは、8枚の組写真を2回。公開審査会ではプレゼンも行い、テーマ性や構成力が問われる。作品は心 (メッセージ)、技 (テクニック)、眼 (オリジナリティー) という3つの観点から、5名の審査委員がそれぞれ10点満点で評価。単なる上手下手で結果が決まらないところが写真甲子園の難しさであり、また多くの高校写真部員が挑戦してみたくなる理由でもある。
大会1日目 (7月28日)
開会式
今年から大会の主会場が「せんとぴゅあ I」の講堂に。移転で空いた小学校の校舎がリノベーションされ、さまざまな文化施設が集まった複合施設だ。


歓迎夕食会
近隣の農業施設に場所を移して歓迎夕食会。一晩お世話になるホームステイ先のご家族とも、ここで対面。ジンギスカン、とうもろこし、じゃがいもなど北の味覚とともに、自己紹介やゲームで盛り上がった。

ホームステイ
大会初日の夜は18校がバラバラに分かれ、東川町内の一般家庭でホームステイ。東川町のことを深く知る機会であるとともに、町民の素顔や暮らしぶりを撮るチャンスでもある。
例年、提出作品に占めるウエイトは高いが、プランを用意して凝った撮影をする高校もあれば、ありのままの姿をスナップする高校も。ここだけがイコールコンディションとはいえないが、どのホストファミリーにもドラマがあり、それをいかに引き出せるかがポイントともいえる。

大会2日目 (7月29日)
【第1ステージ】上富良野町

今年もいきなり絶景からのスタート。麦畑がなだらかな丘となってどこまでも続く。青空は見えないものの薄日が差し、機材を抱えて撮り歩くには絶好のコンディションだ。


【第2ステージ】東神楽町

昼食の後は旭川空港がある東神楽町で撮影。午後から雨という予報だったが、一瞬通り雨がある以外は明るめの曇りといった空模様。天気も選手たちの味方をしてくれた。


第1回セレクト会議
撮影終了後は東川町「せんとぴゅあ I」に戻り、選手たちは16時半から2時間のセレクト会議へ。各校には画像処理ソフト「Digital Photo Professional 4」がインストールされたパソコンと、インクジェットプリンター「PIXUS PRO-S1 Mark II」が用意される。用紙は2LとA4が支給され、まず2Lで候補をプリント。提出作品はA4に所定のフォーマットでプリントする。

大会期間中、監督 (顧問) のアドバイスを受けられるのは、このセレクト会議の途中20分間のみ。ここで大量の2Lプリントを並べて監督に説明。監督からは「もっとこの場面は他にないの?」「アップばかりだから引いた写真があるほうが伝わるなぁ」「これとこれを組むと、新しいストーリーができるよ」といった意見が返ってくる。
後半でそれをもとに、明日朝9時からの公開審査会で発表する作品8点を選ぶ。実際には長時間の撮影よりも、この2時間のセレクトが結果を左右するといっても過言ではない。そして熱き写真バトルは後半戦へ!
〈協力〉キヤノンマーケティングジャパン株式会社
〈レポート〉鹿野貴司