フォトコンテストへの応募や写真展示において、見る人に作品に込めた思いや狙いまでプリントで伝えるのは容易ではない。今回は、普段から自宅でプリントをしながらフォトコンテストに応募しているという『CAPA』読者代表の土橋良子さんに向けて、写真家・コムロミホさんがプリントの極意を伝授する。

- コムロミホ
- ファッションの撮影現場でカメラに触れフォトグラファーを目指す。街スナップをライフワークに旅に出かけ、作品を発表。現在「MONO GRAPHY Camera & Art」をオープンし、写真集の販売やプリント出力に関する相談にも乗る。
- 土橋良子 (つちはしりょうこ)
- 本格的な撮影がしたいと約8年前に一眼レフを購入したのがきっかけで写真に夢中に。コンテストの応募作品やフォトサークルで見せるプリントを納得いくものにしたいと「エプソン EW-M973A3T」を購入し、日々プリントする。
納得の1枚に仕上げる自宅プリント出力に挑戦
自分の写真をキレイにプリントしたいと、写真高画質プリンター「エプソン EW-M973A3T」をお使いの土橋さん。日々自宅でプリントした作品を写真サークルで発表するなど、フォトライフを謳歌している。土橋さんの目下のお悩みは、自宅プリントした作品で、自分の思いや撮影現場で感じたイメージまで相手に伝わっているのか……? ということ。
今回は、コムロさんがオーナーを務める写真集専門書店兼ギャラリー「MONO GRAPHY Camera & Art」にも導入されている「エプソン SC-PX1VL」を使って、コムロ流 “思い” を伝えるプリント術を体感してもらい、納得の1枚を仕上げてみた。
今回使用するプリンター
エプソン プロセレクション SC-PX1VL
「UltraChrome K3Xインク」を採用した10色顔料インク搭載のA2ノビ対応プリンター。コンパクトタイプのA3ノビ対応プリンター「エプソン SC-PX1V」のどちらでも、写真展クオリティのプリントを自宅で実現できる。

3種類のエプソン写真用紙で作品出力
写真用紙クリスピア<高光沢>
高い光沢感と白色度でメリハリの効いた印象が得られる。

写真用紙<絹目調>
光沢感を抑えた落ち着いた仕上がり。

Velvet Fine Art Paper
上質なテクスチャーが施され、絵画的な表現にも向いている。

自分の“思い”が伝わるプリント作りとは
普段は主にストリートスナップを撮影して、エプソンの「写真用紙<絹目調>」に出力していますと、土橋さんはたくさんのプリントを見せてくれた。

写真を始めたころは以前から自宅にあったA4サイズのプリンターを使っていたそうだが、その仕上がりには納得いかず写真高画質プリンター「エプソン EW-M973A3T」を購入。今のプリントはどれもが既に写真として十分な出来映えだ。

土橋さんの普段のプリント方法は?
- 「ニコン NX Studio」でRAW現像して「Epson Print Layout」を通じて出力
- 主に2Lサイズの「写真用紙<絹目調>」にプリント

現在は愛用の「ニコン Z6III」で主にストリートスナップを撮影。さらなる写真上達を目指して購入した「エプソン EW-M973A3T」を使って作品を出力。「写真用紙<絹目調>」がお気に入り。
「エプソン EW-M973A3T」を選んだ理由は?
- お店プリントと違って自宅でたくさん安くプリントできる
- RAW現像したものをすぐにプリントで試せる

お店だといろいろ試してプリントすると値段が高くなる。エコタンク搭載の「エプソン EW-M973A3T」ならで低コストで、本格的な写真画質プリントが自宅でできる。
プリントをする目的は?
- コンテストへの応募や、写真サークルで写真を見せるため

コンテストに応募する作品を出力したり、もっと写真がうまくなりたいと参加している写真講座や写真サークルで見せる作品をプリントしている。
プリントのお悩みを解決!
■土橋さんの悩み
- キレイにプリントできてもイメージ通りなの?
- 自分の狙いやイメージは相手に伝わっているの?
■コムロさんのアドバイス
- どんなプリント用紙を選ぶかが大切!
- プリンターの特性を知ることも重要!

納得のいくプリント作品をつくるには?
- 撮った人の思いが再現できるプリンター&用紙選びがポイント

プリンターはもちろん写真用紙にも個性があって、それによって仕上がった画面から見えてくるもの、伝わってくるものが変わってくる。
紙によって仕上がりは変わる
土橋さんの写真を見たコムロさんは「この写真にはほかの用紙が合うのでは?」と話す。用紙によって、光沢感、表面のテクスチャー、紙色が異なっていて、それによって写真から伝わってくる雰囲気や空気感が変わるのだという。モノクロ写真では特に黒の階調の出方、カラー写真では色の再現性が影響してくる。
では実際どのようなプロセスで用紙を選んで行けば、ベストな1枚にたどり着けるのか。コムロさんの写真用紙選びを見ていこう。
自分のイメージに合う用紙を選んでみよう!
用紙には大きく分けて「光沢」「半光沢」「マット (無光沢)」の3系統があり、その出力結果を見比べてみることが始まりとコムロさんは言う。今回用いたエプソンの3種類の純正用紙はまさにこれに打って付け。「実際プリントしてみて最も自分好みの紙質の用紙から深掘りするのが作品イメージに近づけるコツ!」とアドバイスしてくれた。コムロさんの作品で用紙選びの実践術を学んだ。

同じ写真を数種類の用紙に出力して見比べてみよう
①「光沢」「半光沢」「マット」の3つから自分が「好き」と思うものを選ぶのが基本
コムロさんが撮影した同じ猫の写真をエプソンの3種類の用紙「写真用紙クリスピア<高光沢>」「写真用紙<絹目調>」「Velvet Fine Art Paper」に出力し、どれが好みか土橋さんに聞いてみた。猫の毛並みの感じや背景の柔らかいトーンなど、マットな「Velvet Fine Art Paper」の雰囲気が気に入ったようだ。

マット 猫の毛並みが柔らかい
半光沢 風景に奥行き感が出ている
光沢 透明感が高く海がクリア
② 同じマット系で別の用紙を深掘りする
今度は同じマット系の用紙4種類で出力した猫の写真を見比べてもらう。紙の色、表面のテクスチャーの違いなどでまったく異なった印象に。選び方は自分が好きなものでOKとコムロさん。

③ モノクロは表現の違いに気付きやすい
続いて、猫が歩く街の風景をモノクロ写真で土橋さんに見てもらう。紙の地色が白っぽいとメリハリ感が強調され、黄色っぽいと温かい印象に。普段使っている半光沢系に比べ、光沢系では光と陰の強弱がはっきりするという発見が!

④ 用紙の違いは主題の見せ方に影響する
用紙選びによって空気感を変えたり、被写体を取り巻く雰囲気を強調することもできる。半光沢系でも黒の締まりで冷たさを感じたものや、強いテクスチャーで立体感が出て時の流れを意識できたものなど、用紙ごとに受ける印象の違いを実感した。


3種類のエプソン純正用紙で比べてみよう!!
今回使った用紙にはそれぞれ特徴があり、「光沢」「半光沢」「マット」の違いを見比べるのに最適だ。この3種類の用紙に土橋さんの作品を実際に出力してみた。


■写真用紙クリスピア<高光沢>
特徴
- 高光沢
- 白色度が高い
- コントラストが高い
コムロさんのおすすめポイント
- 高コントラストで抜けが良く、光と影の表現に最適
- 色鮮やかな風景などに最適
■写真用紙<絹目調>
特徴
- 半光沢
- 紙色が青白い
- 光沢よりコントラストがやや低め
コムロさんのおすすめポイント
- 立体的に見えるのでしっとりとした落ち着いた写真に向く
- 空気感を表したい街の風景などに向いている
■Velvet Fine Art Paper
特徴
- マット (無光沢)
- 階調再現に優れる
コムロさんのおすすめポイント
- 黒に落ち着きが出る
- モノクロ写真に向いている
- 建物や人物などメインとなる被写体に目が行きやすい
- 汎用性が高く幅広い被写体に向く
高画質プリンターで プリント作品を仕上げよう!
自宅プリントに最適なA3対応プリンターの特徴
「エプソン SC-PX1V」は10色の顔料インクを搭載し階調再現に優れるほか、幅広い質感の用紙に美しくプリントできる用紙対応力が魅力。土橋さんが普段使っている「エプソン EW-M973A3T」はエコタンク方式を採用し、鮮明なプリントが低コストで得られる。どちらも「モノクロ写真モード」を搭載。
エプソン SC-PX1V

- 10色顔料インク
- 階調再現に優れる
- 黒の再現力が特に高い
- ブルーの再現域が広い
- より多くの表現 (用紙) に対応
エプソン EW-M973A3T

- 染料5色インク+顔料1色インク
- 黒の締まりが良い
- コントラストが高め
- 鮮やか
- ランニングコストが安い
「Epson Print Layout」なら設定が簡単
いろいろな用紙に出力するとき大変なのがプリンターの設定だが、「Epson Print Layout」で出力をするならとてもスムーズ。「エプソン SC-PX1V」「エプソン SC-PX1VL」は、他社製用紙の設定に便利な「Epson Media Installer」にも対応する。

クリスピアの透明感に感動
コムロさんが選んだ写真用紙1種類を加えた4種類のプリントを土橋さんに見てもらい好みを聞いた。カラー写真で選んだのは普段から使う「写真用紙<絹目調>」だったが、モノクロ写真は「写真用紙クリスピア<高光沢>」という結果に。

■店や提灯の明かりが落ち着いた印象の絹目調が自分好み

■光と陰の印象が自分のイメージに近い「SC-PX1VL」+「写真用紙クリスピア<高光沢>」に感動!

純正用紙以外でプリントするときの注意点
① 紙の反りに注意しよう!
紙はまっすぐ平面に見えても反りがあって当たり前。反りはプリントに汚れが付く原因になるので直してからプリントするのがコツ。

② 厚めの紙はなるべく平面手差しで行なおう
厚手の用紙を背面トレーからプリントするとうまく給紙できない場合がある。そのときは平面の手差しトレーを使うとよい。

③ 特に四隅が反りやすい用紙は余白を作ってプリント
用紙によっては特に四隅が反りやすいものがある。全面プリントだとプリンターのヘッドが当たって作品を汚してしまう恐れがあるので、余白を作って出力するようにしよう。

いろいろ用紙を試すことが自信ある作品づくりのカギ
出力した自身の作品を土橋さんに見てもらい、どれが自分のイメージに近いかを聞いてみた。すると、モノクロの街の写真について「クリスピアの透明感が意外にも自分のイメージに合っていると気付けたのはとても新鮮でした」と話してくれた。
今回の体験を通じて、さまざまな用紙に出力して見比べてみることが自信を持ったプリントづくりにつながるということを学んでいただけたのではないだろうか。
体験してみた土橋さんの感想
- 自信を持ってコンテストに応募できるプリントが作れる
- 自宅プリントで “思い” まで伝えられそう
普段と違うプリンターで使ったことのない用紙で出力した自分の写真を見て、写真から感じ取れる雰囲気に違いがあることがわかりました。これからはコンテストの応募作品でもより自信を持って仕上げることができます。

〈協力〉エプソン販売株式会社