特集

普段は入れないコースサイドから撮った! WEC富士6時間耐久レース撮影セミナー密着レポート

何をどう撮りたいか? テーマ設定は技術以上に大切

約6時間にわたって、事前レクチャーから撮影指導、講評まで、参加者たちと真摯に向き合い、交流してくださった小林先生。最後にCAPA「流し撮りGP」の審査で重きを置いているポイントや、モータースポーツ写真への熱い想いをお聞きしました。

WEC富士6時間耐久レース撮影セミナーレポート

 

写真の構図に角度をつけるかどうかには決まりはないし、かっこよく見せる手法としては全然アリだと思います。ただ、僕は根が古い人間だから、写真というのは何よりも “真実やリアルを伝えるもの” でありたいと思っています。登り坂なら登り、下り坂なら下りとして、そのサーキット本来の地形や美しさをそのまま伝えることをすごく大切にしますね。

それから、僕はレタッチ (画像加工) があまり好きじゃないんです。写真を整える調整としのレタッチは必要であり、デジタル映像の大きな長所ですが、「流し撮りGP」ではレタッチ競争を見たいわけじゃないし、加工に頼らなくても良い写真というのはたくさんある。大切なのは、ただスローシャッターでスピード感を出すような技術だけではなく、撮影者が何を伝えたいのか? 僕 (見る人) に何を見せたいのか? という思いやメッセージが伝わってくるかどうか。「あ、この人はここを考えて撮ったんだな」と共感できる写真に僕は惹かれるし、そういった作品を選びたいと思っています。

WEC富士6時間耐久レース撮影セミナーレポート
大会公式プログラムに掲載された、これまで小林先生が撮影したWEC富士の作品を紹介。小林先生はWECが富士スピードウェイで開催されるようになってから、一度も欠かさず撮影を行っています。

写真の技術やスキルというのは、経験を重ねて撮っていけばいつかは誰でも絶対にうまくなるものだと思います。でも、その人が持っている感性や “何をどう撮りたいか” という考え方やテーマ設定は、技術以上に大切なものなんです。自分が狙った通りの写真が撮れるようになると、写真はどんどん楽しくなっていく。だからこれからも、その “狙い” や “伝えたい思い” を何より大事にして、撮影を楽しんでいってほしいです。

WEC富士6時間耐久レース撮影セミナーレポート

 

〈撮影〉後藤佑紀
〈協力〉FIA WEC、富士スピードウェイ

 

  1. 1
  2. 2
  3. 3