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コロナ禍でも資金調達件数が44%も増加! 勢いが止まらないアフリカの「スタートアップ」

13億人を超える巨大市場、アフリカ大陸のスタートアップ企業が世界中の企業や投資家から注目されています。世界平均の約2倍の速さで人口が増加している莫大な可能性を秘めたフロンティアは、2050年には25億人を突破すると予測されており、その人口規模は世界の4分の1以上を占めると分析されています。

世界中から熱視線を浴びるアフリカ

 

アフリカ各国は長年、開発途上国として世界経済や最先端技術における分野で後塵を拝していました。しかし、情報通信技術の発達によるブロードバンドの普及とインターネットユーザーの増加によって、スタートアップとテクノロジー系企業の勃興が起こり、世界各国の企業が提携や投資、出資などで競い合っています。

 

日本においては、この状況を察知した一部の企業や投資家がすでに進出している事例もありますが、現地の言語や文化の壁に加えて、距離的な障壁から正確な情報を有している企業が少ないのが現状です。アフリカには、日本よりも進んだ技術を使ってビジネスを展開している分野も存在する一方、欧米の企業や投資家は歴史的背景や言語的な強みを生かして、アフリカ諸国に情報網を張り巡らせており、情報収集や分析、アクションにおいて数歩先を行っています。

 

アフリカでは、フィンテック、アグリテック、ヘルステック分野において、現地の社会問題を解決することを目指すスタートアップが多く、世界の最先端技術を取り入れて展開しています。また、道路や電気などの基礎インフラが未整備である開発途上国が、先進国が歩んできた発展段階を飛び越えて、最先端技術に一気に辿り着いて普及させる「リープフロッグ現象」が起きています。

 

世界各国に拠点を置くベンチャーキャピタルのPartech Partners社によると、2020年にアフリカのハイテクベンチャー企業347社が、前年比44%増となる359回のラウンドで約14.3億米ドルの資金を調達したとのこと。この資金調達額は前年比29%減でしたが、世界経済を凍りつかせたコロナ禍の状況においても僅かな減少に留まっており、アフリカのエコシステムや、最先端技術を導入した複数企業の連携事業は、上昇の機運を維持しています。さらに、2021年は2019年を上回る調達額になると予測されており、50億ドル規模で推移している日本のVC調達額を超えることも射程圏内に入ってきました。

 

日本企業のダイキンが展開しているWASSHAとの合弁会社、Baridi Baridi(タンザニア)は、リープフロッグを活かしながら現地に進出している好事例です。高性能でニーズに合うエアコンを、現地の購買力を考慮したサブスクリプション型のビジネスモデルで展開。製品販売が厳しい経済環境下において、モバイルマネー経由で料金回収ができるこの仕組みは、最先端技術を導入した現地に合わせたモデルとして好評を得ています。

 

海外での事業展開において、現地での情報収集や調査という観点からスタートアップ企業は重要な事業パートナー候補の一つであり、提携や合弁会社設立はもちろん、出資や投資対象などさまざまな連携方法があります。欧米の企業や投資家は、アフリカのエコシステムの回復や主要産業分野のデジタル化の加速度が上がっていることで、「アフリカは大きな潜在能力を秘めた市場である」という見方をさらに強めています。

 

経済成長率の鈍化により成熟ステージにある日本を含めた先進各国の企業にとって、アフリカのスタートアップとのパートナー展開は大きなチャンスです。市場や人口拡大の予測を考慮して、できる限り早めに現地に進出したいと考える企業も多いでしょう。その際には、事前の正確な情報収集や現地スタイルに合わせたビジネスモデルの検証が成功のカギです。未来の世界経済を牽引するであろうアフリカ大陸は、日本企業の今後のグローバル展開における重要な候補地の一つになっているのです。