強く自己主張するものや一風変わったものが取り上げられるのは当然のこと。しかしながら、「本当にいいモノ」というのは、役者でいう名バイプレーヤーのごとく、他を引き立てる場合もあるのです。今回はそれと同様、自らは強く主張しませんが、料理をしっかりと引き立てる岐阜県の銘酒を紹介していきましょう。
その1
芳醇さに加えて優雅な香りも楽しめる
小左衛門(こざえもん)
特別純米 信濃美山錦(とくべつじゅんまい しなのみやまにしき)
2650円(1.8ℓ)
300年以上前の元禄年間の創業ながら、立ち上げは15年前と比較的若いブランド。どれも芳醇さが持ち味ですが、本品では果実を思わせる優雅な香りも楽しめます。主張しすぎることがないため、合わせる料理を選びません。
その2
ワインのような軽快な酸が持ち味
津島屋外伝
純米酒 der Vater Rhein(父なるライン)
2592円(1.8ℓ)
こちらの蔵では一般的な酵母のほか、特殊なワイン酵母での日本酒造りにも取り組んでいます。本品は旨みの凝縮感とバランスを重視し、原酒でも11%という低アルコールを実現。ワインのような軽快な酸と、優しい旨みが楽しめます。
その3
酸味を強調した穏やかな香りの食中酒
房島屋(ぼうじまや)
純米無ろ過生原酒
2520円(1.8ℓ)
木曽三川の一つ、揖斐川の最上流の酒蔵。適度に酸味と旨みがのったキレのよい食中酒を醸します。本品は、シリーズ中で最も酸味を強調した製品で、肉や油を使った料理にもぴったり。バナナを思わせる穏やかな香りも魅力です。
その4
上品な甘みでキレが良く肉料理にも合う!
三千櫻(みちざくら)
愛山60(あいやまろくじゅう)
3631円(1.8ℓ)
自社所有の山の湧水を使い、自社栽培米と地元の米で醸す蔵。派手過ぎないきれいで軽やかな酒造りを目指しています。こちらは愛山を使用した6割磨きの純米酒。上品な甘みがありながら、キレが良いのが魅力で、肉料理にも合います。
その5
特A地区の山田錦を使ったキレイな味わいの純米酒
醴泉(れいせん)
純米山田錦
1534円(720㎖)
昔ながらの甑(こしき)を使い、手間のかかる抜け掛けで米を蒸すなど、丁寧な造りを行う蔵。本品は養老山系を源とする超軟水の伏流水と、特A地区の山田錦を贅沢に使い、透明感のあるなめらかな酒に仕上げています。ぬる燗にしても美味です。
以上、岐阜県の銘柄5選でした。その穏やかな味わいは、じっくり語りたいときにもぴったりですね。居酒屋で見かけたら、ぜひ試してみてください!
※商品は時期によって取り扱いの有無、価格に変動がある場合があります