京都の日本酒の生産量は全国2位。大手メーカーをはじめ、蔵元の半数は伏見に集中しています。伏見は桃山丘陵からの良質な伏流水に恵まれた安土桃山時代からの銘醸地。「女酒」といわれる口当たり柔らかな甘口の酒が造られています。一方で、近年は飲みやすい「女酒」の枠にはまらず、個性を主張して注目を集めている蔵元も。今回は、そんな京都で押さえておくべき4つの銘柄を紹介します。
その1
料理と合わせて楽しみたいフレッシュな食中酒
松本酒造
澤屋(さわや)まつもと
守破離(しゅはり )純米生酒
2365円(1.8ℓ)
優秀な産地の酒米が持つ力強い旨みを引き出すため、徹底した手仕事にこだわる蔵。本品では、料理に合わせたときに最適なバランスとなるよう、味のボリュームの調整がなされています。フレッシュな風味もしっかり表現。
その2
後味が軽いため合わせる料理を選ばない
藤岡酒造
蒼空(そうくう)
純米 美山錦(みやまみしき)
3186円(1.8ℓ)
大手酒造場が並ぶ伏見において、純米酒のみの製造にこだわる少量生産の蔵。醸す酒は大手に負けない品質と、その評価は高く、なかでも本品は、やわらかな口当たりと米の旨みが楽しめます。後味は軽いため、合わせる料理を選ばないのも特徴。
その3
飲み飽きしない旨みのある辛口酒
木下酒造
玉川(たまがわ)
自然仕込 生酛純米酒(しぜんじこみきもとじゅんまいしゅ)
コウノトリラベル
3147円(1.8ℓ)
蔵の杜氏(※)は、史上初の外国人杜氏・英国人のフィリップ・ハーパー氏。英国の名門、オックスフォード大学を卒業し、教師として来日後、日本酒に魅せられて酒造りの道へ。杜氏を亡くし廃業を考えていた現社長と出会い、現在に至っています。ハーパー氏の好奇心を示すかのように、当蔵の酒は実に多種多様。40%から88%精米までの複数の米を駆使し、速醸(比較的短時間で仕込める現在主流の造り)から、時間をかけて造る伝統的な山廃(やまはい)、生酛(きもと)まで、幅広く醸しています。本品は無農薬の米を使った飲み飽きしない辛口酒。豊かな旨みは、常温以上で楽しみたいところです。
※杜氏(とうじ)…職人集団を束ねる務める酒造りの最高責任者のこと
【フィリップ・ハーパー氏のコメント】
日本酒が持つ多彩な表情を「玉川」で楽しんでほしい
「日本酒が持つ多彩な表情を、玉川の商品で楽しんでほしい。この生酛純米は姉妹商品の純米吟醸とは対照的な造りを採用し、同じ米でも違う味と飲み方になるという、日本酒の幅広さを表現しました。今後は、熟成による味の変化を楽しんで頂けるお酒を増やしたいです」
その4
磨く必要がないから精米歩合は73%
竹野酒造
弥栄鶴(やさかつる)
祝蔵舞(いわいくらぶ)生原酒
参考価格1296円(720㎖/季節限定)
20代で杜氏に就任した行待佳樹氏が醸す、モダンながら古典的な純米酒。酒米「祝」が良質で磨く必要がないからと、精米歩合は73%と低精白(※)です。米の旨みがたっぷり溶け出し、フレッシュかつ濃醇な味わいとなっています。
※低精白…お米の精白(玄米のぬかを削ること)をあまりしていない状態。つまり、玄米のぬかをあまり削っていない状態のこと。通常は、お米を削る割合を増やすほど、雑味のない味になるとされています。