不安な気持ちになったとき、どのように対処していますか?
『仕事・お金・人間関係 「あ~、困った!」と思ったら読む本』(和田秀樹・著/学研プラス・刊)では、精神科医である著者が「不安の対処法」を解説しています。
休めば消える不安もある
よい仕事をしよう、いい毎日を送ろうと思うなら、むしろ、休みをしっかりとりながらがんばるほうが、ずっといい結果をもたらすでしょう。
(『仕事・お金・人間関係 「あ~、困った!」と思ったら読む本』から引用)
ひどく疲れているとき、楽しいことには鈍感(どんかん)に、つらい悲しいことには敏感(びんかん)になってしまうものです。味覚が鈍ってご飯をおいしく感じられない。神経質になって怒りっぽくなる。不安定です。
「いつもの自分と違う」と感じたら、すぐに休むべきです。残業はお断りして、寄り道せずに帰って、熱いシャワーを浴びて、栄養と水分をしっかりとって、ぐっすり眠りましょう。
たっぷり寝たのに、まだ不安が残っていたら? 原因を突きとめたほうが良さそうです。
不安は2種類しかない
人が本能的に持っている不安は、「大きな音に対する不安」と「落下する不安」だけだと言われます。そのほかのことは、「不安だと思うから不安なだけ」だそうです。
(『仕事・お金・人間関係 「あ~、困った!」と思ったら読む本』から引用)
イジメやストーカーなどの犯罪被害による「不安」や、うつ病などの気分障害による「不安」は、個人ではどうにもなりません。専門家の助けを求めるべきです。
犯罪や病気とは関わりがない「不安」ならば、原因を突きとめることによって解消できるかもしれません。取り組むべきは、いま感じている不安や悩みをリストアップすることです。
不安をリストアップする
何が不安なのか。どうして不安なのか。思いつくままにどんどん書いていってください。
(中略)
書き出してみると、不安だらけ、悩みだらけだと思っていたのに、このあたりでネタ切れ。それほど不安だらけではなかったことに気づくこともあるでしょう。(『仕事・お金・人間関係 「あ~、困った!」と思ったら読む本』から引用)
格差社会。超高齢化。人手不足。物価上昇。賃金停滞。不安や悩みのタネは尽きません。心細くなったときには、文字で書き出してみましょう。
自分がいったい何に不安を感じているのか、ネタ切れになるまでリストアップしてください。手書き、パソコンのキーボード入力、スマホ入力、なんでもOKです。
いかがでしょうか? 書いてみると、思ったよりも少ないことに気づきます。たいていの人は10個以内で収まるのではないでしょうか。
大きく分ければ「仕事」「お金」「人間関係」に集約されるでしょう。優先順位をつけて、1つずつ解決していけば、不安の数は減っていきます。重荷(不安)が1つ無くなるだけで、身も心も軽くなるはずです。
人生は目標どおりにならない
考えてもわからないことは考えない。これも一つの不安対策です。
(中略)
目標を立てることは大事です。でも、目標はしょせん目標。目標通りになることなど、めったにありません。(『仕事・お金・人間関係 「あ~、困った!」と思ったら読む本』から引用)
あなたの「不安」はどこにあるのでしょうか? 脳内ですか? 胸の奥ですか? 所在がわからない、そもそも手を伸ばしても届かないから「不安」だと感じるのです。
雲をつかむようなマネはやめましょう。できないことを「できない」と認めたとき、いままで悩んでいた不安から解放されます。
高望みによる「不安」。時間が解決してくれる「不安」。考えすぎの「不安」。思いちがいによる「不安」など、さまざまな種類があります。生きているかぎりは不安がつきまといます。しかし、不安を見分けて対処することはできます。お試しください。
【著書紹介】
仕事・お金・人間関係 「あ~、困った!」と思ったら読む本
著者:和田秀樹
出版社:学研プラス
人生で克服できない問題は、それほど多くありません。大切なのは「とりあえず」問題を棚上げし、心を平静に保ち、打てる手をうつこと――。精神科医として多くの悩みに向き合ってきた和田秀樹先生が困ったときでも心穏やかにいられる「心のコツ」を教えます。
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