JVCケンウッドは、2017年に復活した「Victor(ビクター)」ブランドについて、今後のブランド戦略についてメディア説明を実施するとともに、同ブランドの名を冠して発売されるWOODイヤホン「HA‐FW10000」について発表しました。
ビクターブランドは、2017年にケンウッドの創立70周年、JVC(日本ビクター)の創立90周年、そしてJVCケンウッドの合併5周年を記念した事業の一環として発表されたもので、新技術「EXOFIELD」を投入した音響カスタマイズシステム「WizMusic(ウィズミュージック)」などを展開してきました。
さらなるブランド展開のために、新たに3つの方針を打ち立ててブランドの拡大を図ります。
1.「原音探究」の再定義を図り、製品やサービスにビクターブランドを付与
2.音楽制作を行う「ビクタースタジオ」のノウハウを活用したブランド展開
3.「ビクター」ブランドの段階的グローバル展開
このうち、1については、現在展開されている「WizMusic」以外にも、ビクターブランドでの製品展開を加速。その一例として、現在JVCブランド下で展開しているポターブルオーディオのフラッグシップライン「CLASS-S」がビクターブランドに統合されるほか、根強いファンの多いシステムコンポ「WOOD CONE」シリーズがビクターブランドとして展開されます。
また、木の振動板を使ったヘッドホン・イヤホンの「WOODシリーズ」誕生10周年を記念する新フラッグシップモデル「HA-FW10000」もビクターブランドより11月上旬に発売。実売予想価格18万円前後(税抜)という価格にふさわしく、同社の最新技術を惜しみなく投入した製品となっています。
HA-FW10000は、薄さ50ミクロンの軽量ウッドドームに、カーボンコーティングしたPET振動板を組み合わせた新開発のドライバーユニットを採用。ハウジングとスタビライザーには日本産楓の無垢材を削り出したものを使い、硬度の高い漆を多層塗りして仕上げています。
さらに、本体デザインは、MMCX端子を独立したポッドに収納し、ハウジングから分離する構造を採用。ハウジング内の音響設計の自由度を大きく確保することで、徹底した音質追求を図っています。
JVCケンウッドがこれまで培ってきた技術や育て上げてきた数々のブランド、音楽制作のビクタースタジオの協力など、グループが持つ財産を総動員して再構築が図られる老舗ブランド“ビクター”の復活は、新規参入が相次ぐオーディオ業界に一石を投じる存在になるかもしれません。