天ぷらやから揚げなどの揚げ物をレンジでチンすると、衣が油でベチャベチャになりますよね。パンも同様、レンジで加熱すると焼きたての香ばしさは失せ、ふにゃふにゃになってしまいます。それならばとトースターを使うと、表面だけ焦げて中まで火が通らない……。そんな悩みを解決してくれるトースターサイズの調理器が登場しました。シャープ「ヘルシオ グリエ AX-H1」です。発売日は10月11日で、実売価格は4万円前後。
ヘルシオ グリエは、ウォーターオーブン「ヘルシオ」と同様、過熱水蒸気技術を使ったウォーターオーブン専用機。簡単にいえば、ヘルシオから電子レンジ機能と、ゆでる・蒸すの機能を省略したモデルです。機能を省略したとはいえ、その実力は必要十分。価格は手ごろでサイズもコンパクトと、本機ならではのメリットもあります。発表会では、本機の調理デモが行われましたので、さっそく見ていきましょう!
冷えた揚げ物を外側はカリッ、中はアツアツに仕上げる
一度冷めてしまった唐揚げを温め直します。普通の電子レンジで温めると油が染み出して衣がベチャベチャになりがちですが……。
水蒸気をさらに加熱すると、100℃を超える温度に加熱された「過熱水蒸気」に変わります。これを使って加熱・調理するのがヘルシオ グリエ。過熱水蒸気は、水を使わないオーブン加熱に比べて約8倍の熱量を持っており、食品を外側を素早く焼き上げるとともに、中までしっかり加熱することが可能だといいます。
完成しました。外側はカリッと仕上がり、中までしっかり火が通っています。
ヘルシオ グリエで温めた唐揚げ(右)に比べて、トースターオーブンを使って温めた唐揚げは中がまだ冷えたままでした。逆にしっかりと温めると、今度は焦げてしまうものも(左)。と、このように、お惣菜を作りたての味に復活させることができるのが、ヘルシオ グリエの魅力。また、近年増加してきた冷凍の惣菜も、中はアツアツ、表面はサクサクに仕上げるといいます。
加熱と同時に余分な油が落とせるからヘルシー
さらに、先ほどの写真で、トレイの右下に余計な油が落ちているのがわかるでしょうか? 本機では熱量の多い過熱水蒸気のみで加熱することで、余分な油を落とす「脱油」効果もあるんです。電子レンジと比べ、油の摂取量が抑えられるのがうれしいですね。また、本機では油を使わずに揚げ物ができるノンフライ調理も可能です。
温め直しの例をもうひとつ。パンの温め直しで難しいのがクロワッサンです。バターがたっぷりと入っているので、トースターだと焦げやすく、レンジだとベチャっとなりがち。その点、ヘルシオ グリエで温め直したクロワッサンは外側がサクっ、内側はしっとりの焼きたて状態になりました!
モーニングセットが一気に調理できる!
さらに本機の大きな利点は、異なる食材の同時調理もできること。たとえば、パンと生卵、ベーコンで巻いたアスパラを投入すれば、外カリ中モチのトーストが焼きあがるほか、フライパンを使わずに目玉焼きやアスパラのベーコン巻きが一度に完成するんです。忙しい朝でも、しっかりとした朝食が手軽にできるのはありがたいですよね。一方、同じことをトースターオーブンで行ったところ、食パンのトーストは焼けていますが、タマゴはまだ固まりきっておらず、ベーコンも生焼けでした(写真右)。
操作は加熱の強さを選んで時間をダイヤル設定するだけ
次に、操作面を見ていきましょう。ヘルシオ グリエは過熱水蒸気で使う水を入れるタンクが上部にあるので、水の入れ替えなどもラクラク。タンクを設置するだけで、電源がオンになるのも便利です。
操作も簡単で、基本的には時間設定のダイヤルを回すだけ。調理の内容によって過熱水蒸気の強さを3段階から選ぶことができ、それもダイヤル自体を押すだけで切り替えられます。
ちなみに、本体にはヘルシオカラーの赤を採用していますが、従来よりは若干明るめの色に変更。レトロモダンなデザインを採用し、新しいヘルシオシリーズとしてアピールしています。「HEALSIO」のロゴも、「HEALSiO」とiが小文字に。iの点が雫の形になっていることで、よりウォーターオーブンのイメージがわかりやすくなっています。
冷えたお惣菜や冷凍食品を作りたて同様に復活させることができ、脱油やノンフライ調理もできてヘルシー。モーニングセットの同時調理も可能と、大きな魅力を秘めたヘルシオ グリエ。電子レンジを温めにしか使っていない人、電子レンジやトースターに不満がある人などにはうってつけの一台です。
【SPEC】
パワー:3段階(弱・中・強)
タイマー:15分
定格消費電力:1410W
付属品:焼き網、トレイ、メニュー集など
サイズ/質量:W412×D315×H218mm/約6.3kg