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2022/4/16 18:30

柔らかなシルエットとキビキビした走りで80年以上も愛されるイタリアの名車フィアット「500」

本稿では「コレ押さえときゃ間違いない!!」的ブランドと、そのアイコニックなモデルをフィーチャー。生まれては姿を消していく商品が多いなかで、世代を超えて愛され、文化的価値さえ備えた一流のクルマ、フィアット「500」にクローズアップしました。

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

進歩とは無関係なクルマ だからこそ不老不死なのだ

フィアット

500(チンクエチェント)

DATA

初代モデル発売 1936年
累計販売台数 約630万台(推定)
現行ラインナップ数 5モデル(うち2モデルはアバルト)

フィアット

500 チンクエチェント

221万円(税込)〜

大ヒットした2代目500のデビューから半世紀後の、2007年に登場した現行モデル。デザインは往年のモデルをオマージュしたもの。16年にマイナーチェンジして現在に至る。221万円〜という身近な価格設定も人気の理由だ。

SPEC【500 1.2 CULT】●全長×全幅×全高:3570×1625×1515mm●車両重量:990kg●パワーユニット:1240cc直列4気筒SOHC●最高出力:69PS/5500rpm●最大トルク:10.4kg-m/3300rpm●WLTCモード燃費:18.0km/L

 

現行の3代目フィアット「500」は、登場からすでに15年も経つが、まったく年を取らない。なぜなら、もともと不老不死の仙人みたいに、浮世離れしたクルマだからだ。

 

初代、そして2代目のフィアット500は、イタリアのモータリゼーションを支えた最小限の大衆車だったが、現行モデルは、ある意味最大限の趣味グルマ。後席や荷室の狭さを見ればわかるように、最初から実用性をかなり無視したレトロ感あふれるモデルで、一種の愛玩物と言える。テクノロジーの進歩とも無関係。逆に2気筒エンジン+ターボなどという、現代では考えられない古臭〜い(失礼!)メカニズムも採用して、それが逆に濃い味わいになっている。

 

フィアット500は、欧米ではすでに新型のEVモデルが発売されているが、現行のガソリンモデルはこのままガソリン車が製造禁止となるまで生産され、終了後も長くアイコンとして愛されるだろう。まさにタイムレスな名車だ。

 

↑2016年のマイナーチェンジでライト周りやバンパー形状が変更された。変わったことが気づきにくいボディシルエットはさすがだ

 

↑コンパクトカーとはいえそこは現代のクルマ。通常サイズで185Lの容量を持つラゲッジルームは後席を倒すことで550Lになる

 

↑丸いライトは2代目500のイメージを色濃く受け継いだパーツ。トップモデルはバイキセノンヘッドライトを装備する

 

↑シンプルなインパネデザイン。パネル色はボディと同じ色で統一される。スマホ接続対応の7インチモニターは標準装備だ

 

↑500に用意されたエンジンは1.2Lの4気筒と0.9Lの2気筒ツインエアエンジン+ターボ(写真)の2種。特に後者は現行モデルの主力ユニットになり、カタログ燃費19.2km/Lを誇る

 

 

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