人気のアクションMMO「Destiny 2」のチートソフト(ゲーム内で不正行為をするためのツール)を作成した企業が、同ゲームを開発・運営するBungie社に1350万ドル(約18億円)の損害賠償を支払うことで合意したと報じられています。
米TorrentFreakによると、BungieはElite Boss Techとの訴訟で1350万ドル(約18億円)を支払うことで和解したとのことです。この訴訟は昨年8月にBungieが起こしたもので、数か月ごしに決着をみた次第です。
今年2月の途中報告でBungieは、Elite社のチートソフトが『Destiny 2』のゲームプレイとプレイヤー体験の整合性を脅かしていると主張していました。またBungieはチート防止技術の実装により「法外なコスト」がかかったとも付け加えています。
これを受けてElite Boss Techのオーナーである被告らは、チートソフトを開発するために『Destiny 2』のコピーを作成したり配布したりしていないと主張したとのこと。また、Bungieの限定ソフトウェアライセンス契約の特定条項は行使できず、同社からの著作権侵害の主張は根拠がないと反論していたそうです。
しかしながら、今回Elite Boss Tech側は、自社のチートソフトが『Destiny 2』の著作権で保護されたコードを改変し、その結果として「無許可の二次創作」が発生したことに同意しています。このチートソフトは約6765回ダウンロードされ、1回ダウンロードされるごとに2000ドルの罰金が課された計算だと伝えられています。
さらに合意の一環として、Elite Boss Tech社は今後もBungieの知財を侵害するソフトを作ったり配布したりできないとされています。「この終局的差止命令は、訴状で主張された特定の知的財産権の地域的範囲に関係なく、全世界で被告を拘束し、被告またはその資産が存在する場所の管轄裁判所で執行できる」とのこと。つまり合意は米国だけではなく、ほかのあらゆる国にも及ぶというわけです。
ここ最近のオンラインゲームはどれもがアンチチート(不正防止)ソフトのインストールが必須とされており、人気の携帯ゲーミングPC「Steam Deck」でもアンチチートが動かないため非対応とされたタイトルがあります。たとえばマイクロソフト製であれば『Gears 5』や『Halo Infinite』など 。
またBungieは特にチート対策が厳しいことで知られており、(アンチチートの動作が怪しい)Steam Deckで『Destiny 2』を無理やりプレイしようとするとBANすると警告していました。それにしても18億円とは驚くべき金額ですが、チートソフトで稼ごうとする不届き者に対しての警告を兼ねているのかもしれません。
Source:TorrentFreak
via:Gamesradar