サムスンの「Galaxy Watch5/5 Pro」やGoogleの「Pixel Watch」の発売が近づいているなか、米クアルコムが次世代Wear OSスマートウォッチ向けの新たなSnapdragonチップが「もうすぐ登場する」と予告しました。
クアルコムは、Wear OSが「Android Wear」と呼ばれていた時代からスマートウォッチ市場に参入している古株。現在までに「Snapdragon Wear」ブランドで3つのチップを投入しており、ほとんどのWear OS製品で採用されています。
事実上の原点であるSnapdragon 400はASUSのZenWatchやソニーのSmartWatchなどにも採用された「業界標準」でしたが、もともとはスマートフォン向けのチップ。それを初めてスマートウォッチ向けに最適化したのが、2016年のSnapdragon Wear 2100だったわけです。
その2年後に発表された「Snapdragon Wear 3100」のコアは2100とほぼ同じでしたが、バッテリー持続時間の向上を追求しつつ、一部のタスクを肩代わりするコプロセッサを追加。しかし、時代遅れの28mm設計(iPhone 13搭載のA15チップは5nm)であり、また大半のスマートウォッチのRAMが1GB未満だったため、まだ動作のモタ付きが目立っていました。
さらに2020年、クアルコムはSnapdragon Wear 4100と4100+を発表。この2つは12nm設計となり、全体的なパフォーマンスも大きく向上し、バッテリー持続時間もわずかに伸びました。
さて、クアルコムのSnapdragon公式アカウントは、「何か大きなものが刻一刻と近づいている」という意味深な予告をツイートしています。さらに、添付動画の終盤で「大事なものを身につけろ」と言いつつ、アニメーションは新型チップを強烈にアピールしているかのようです。ただし、それ以外の手がかりは現在のところありません。
The clock is ticking on something big. ?⌚ pic.twitter.com/0bYaGf3SrF
— Snapdragon (@Snapdragon) July 12, 2022
米9to5Googleは、このチップの名前が従来の延長で「Snapdragon Wear 5100」になると推測。とはいえ、スマホ向けチップがSnapdragon「888」などの数字から「Snapdragon 8 Gen 1」と「Snapdragon 7 Gen 1」に移行したことを考えると、変更される可能性もあると指摘しています。
製品名がなんであれ、新型チップに大きな期待が寄せられているのは確かでしょう。Galaxy Watch 4シリーズに搭載されたサムスン製のExynos W920チップは5nmプロセス製造であり、性能に関してはSnapdragon Wear 4100に大差を付けています。
クアルコム製チップは、さまざまなメーカーに提供されるため、パフォーマンスや省電力性能が向上すれば、スマートウォッチ全般の使いやすさが底上げされることになりそうです。
Source:Snapdragon(Twitter)
via:9to5Google