BANDAI SPIRITSのプラモデル公式アンバサダーとして結成された、現在5人組のアイドルグループ、LINKL PLANET(リンクルプラネット)通称“リンプラ”。プラモデルの魅力を発信し、プラモデルのパーツのように、プラモデルとファン、プラモデルと世界(=プラネット)をつなぐ存在となるべく活動するアイドルだ。
7月27日に配信され連続ドラマ「量産型リコ-プラモ女子の人生組み立て記-」のエンディングテーマに選ばれた1stシングル「ツクッテクミタテテ」を皮切りにコンスタントに楽曲を配信、11月30日には5thシングル「SIGNAL」が配信されたばかり。他のアイドルグループと大きく異なる点は、言うまでもなく「プラモデルの魅力を発信する」という点。模型関連のイベントに出演したり、動画でもプラモデルの開封、組み立て動画を配信するなど、コンセプト重視型だ。
まずは自作キットとともに自己紹介!
プラモデルを作って楽しむ女子は、昔も今も少数派かもしれない。リンプラメンバーも、お父さんやお兄ちゃんの影響で組んでみたことがあるメンバーがいれば、まったく触れたことのないメンバーもいて、経験値もそれぞれだ。
この日もメンバーそれぞれが組み立てたキットを持参して登場してくれたリンプラの5人。アイドルグループで時々ある「セクシー担当」「ダンス担当」「バラエティ担当」のような役割もまた、リンプラ独自の世界観に基づいた、プラモデルづくりにおける特性をいかした「マスター」を目指すというものになっている。オーディションの過程でも、自宅に未組み立てのキットが送られてきて、それを仕上げて持ってくるというなど、他のアイドルグループではまずありえない審査があったりもした。
グループの特性だけでなく、もちろんLINKL PLANETのメンバーもそれぞれの個性、魅力を放っている。その作品とともにメンバーを知っていこう。
まずは「デコレーションマスター」、宮﨑菜々さん。
「最年長で水色担当、宮﨑菜々です。アニメとお笑いが大好きです。作品は……まずこのベースを見てください! これは海底をイメージしているんです。全体にちりばめられた緑や青、これ、ランナー(プラモデルのパーツがついている枠)を細かく切ったものなんです! 海底に光が差しこんでいるイメージをどうやって表現しようかなと思ったときにランナーが目に入って。ライティングするとめちゃくちゃ綺麗です! 本体もブルーとシルバーをアクセントにして綺麗めでカッコいいところを目指しました」
続いては「早組みマスター」の石川恵里加さん。
「赤色担当です。特技はどこでも寝られることです! 今のプラモデルは説明書も見やすくて初心者でも組み立てやすいものが多いので、まずは早組をして、塗装や他のパーツを組み合わせるアレンジを考えるなど、他のことにこだわる時間を増やせたらいいなって思っています。この作品では全体の色に統一感を出せるようにして、サビも塗装で表現してみました。ベースは私も海底のイメージなのですが、市販のものにお父さんがパテを盛って海の底ぽい凸凹を作ってくれました。そこに緑色で光っているような塗装をしてみたところがこだわりです」
「ポージングマスター」を担当するのが大音奏依さんだ。
「担当カラーは白、おしゃれとカワイイを追求することが好きです。私の作品のテーマは火の鳥、フェニックスです! 全体を赤系で仕上げてみました。もともとカッコいいプラモデルにカワイイを加えてみたいなと思って。それで羽をくっつけてみたり、このスカートのような部分も、もとは爆発を再現するエフェクトパーツなのですが、それをつなぎあわせてカッコよくてカワイイ見えるようにしてみました」
メンバーから「ガチ度が高い!」と言われていたのがこのあとの二人。安藤玲菜さんは、「塗装マスター」として塗装の道を究める。
「最年少のピンク担当です。みんなを笑顔にすることが好きで、だいたいふざけてます(笑)。ドラマと音楽、あと寝ることが好きです! この作品を作る前に、川口名人(川口克己氏。1980年代のガンプラブームをけん引した伝説のモデラー。現BANDAI SPIRITSシニアアドバイザー)にラップ塗装(ラップを使用して複雑なまだら模様を表現する塗装法)を教えてもらい挑戦してみました。私も水中のイメージで、ギラギラ感を塗装で表現してみました。全部をラップ塗装にするとくどくなりそうなので、メリハリやバランスも考えています。あと、水中なのでボンベも背負っています!」
そして、「オールラウンドマスター」を目指すのが、荒井芽依さんだ。
「関節好きの関西人です。人間もプラモデルも関節が大好きです。担当カラーはグリーンです。オタクです。オールラウンダーという、全部ひっくるめたやべぇマスターの名前をいただいたので、がんばります。実は今回は基本塗装はほとんどしていなくて、ウェザリング、汚し塗装をめちゃくちゃがんばってみました。砂漠や荒野のイメージで、砂ぼこりなどの汚しを意識してます。武器も盛り盛りにしてます!」
「プラモデルは自由」と言われることもあるが、リンプラメンバーも、女子ならではの発想をプラモデルに柔軟に取り入れていく。
菜々「ネイル、マニキュアでも塗装ができるんですよ! フリーダムガンダムの背中の翼のようなところ、あれを上のほうまで全開にせず、下のほうに広げてスカートぽく見えるようにしてみたり。キラキラな色を塗って“フリーダムガンダム・女の子バージョン”みたいにしました」
玲奈「私もガンプラをピンク色に塗装したり、桜の花びら型のマスキングシールを使って塗装したことあります」
恵里加「恵里加ももともとお裁縫とか細かいことが好きで、プラモデルを作ってみたらそれと似た部分もあるかなと思いました。同じようにプラモデルづくりも好きになってくれそうな女の子、多い気がします。ちなみに最初に作ったのは、袋入りで発売でされているエントリーグレードのガンプラでした。作りやすかったです!」
奏依「奏依はなぜかRG(小スケールだがパーツ数も多い精密なシリーズ)が最初だったんですよね(笑)。何も知識がなかったので、こういうものなんだと思っていたのですが、あとからそれがすごいシリーズなんだって知りました(笑)」
初の単独ライブを前に意気込み語る!
プラモデル作りの楽しさを啓蒙するいっぽうで、もちろんアイドルらしく(?)ステージで歌ったり踊ったりもする。歌やダンスも経験者、初心者さまざま。
菜々「私は地元広島でアイドル活動をしていた経験があるのですが、LINKL PLANETのメンバーとしてステージに立ったときに、見てくださる方が手を振ってくれたり手拍子をしてくれたりというのがまた経験できて、やっぱりアイドルっていいなって思いました」
玲菜「私は歌もダンスも初めてで、全部初心者。フリを覚えるのも遅くて落ち込んだりもしました。だけど、メンバーのみんながアドバイスくれたり、ステージから見える皆さんの笑顔に励まされてがんばってます」
恵里加「恵里加は歌うことは好きだったのですが、ダンスはほんとに苦手……学校でダンスしたりすることが時々はやったりするじゃないですか、そういうのにもノレなかったタイプなので……(笑)。努力を続けています」
友達どうしのダンスの流行にはノレないが、いわゆる「陰キャ」というわけではないという恵里加さん。失礼ではあるけれど、「陰キャ」の自覚がある人は……? と聞くと、スッと挙手する玲菜さん。一斉に「絶対違う!」とツッコミが入る。
玲菜「学校ではめちゃくちゃ抑えてるの! 学校でエネルギーを貯めておいて、みんなと会ったときにそれを爆発させてるんです! どっちもできるってことですね、イエィ(笑)」
奏依「うん、当たり前のことだけど、本番でファンのみなさんに見てもらう以上、努力は必要ですよね。努力をしたぶんだけ感動を与えることができると思っているので、今できること以上のことができるよう、努力を続けます」
芽依「奏依、最近自信がついてきたって言ってたね」
奏依「プラモデルのマスターを目指すこととは別に、アイドルとしての課題もそれぞれあるので、それをみんなで協力しながら高めあっていけるグループにできたらいいなって思っています」
芽依「いいこと言うなぁ……って、うまくまとまったからもういいかなって油断してました(笑)。みんなできない、できないって言うけれど、けっこうできるんですよ! 私はけっこう緊張しいなので、そこをみんなに支えてもらいながら自信を少しずつつけていっています」
12月27日には初めての単独ライブが渋谷duoで開催される。
芽依「緊張しいの荒井は、緊張した日々を過ごしながらもメンバー、お客さん、みんな一緒に楽しめたらいいなって思っています」
奏依「デビューからここまでがんばってきたからこそ、思い切り楽しいものを!」
玲菜「初期から見てくださっているファンの方には成長した姿を見てもらいたい」
菜々「単独ライブっていうことは、私たちのファンだけの空間! そこがまず楽しみです。曲もギッシリ詰め込んでいるので、途中でバタンキューしないよう体力づくりもがんばります」
恵里加「恵里加はみなさんと直接会えることは楽しみ。ソロコーナーがちゃんとできるか不安ですが、うまくいくよう毎日がんばっています!」
単独ライブでは、リンプラにしかできないパフォーマンスも予定されている。そしてこの日にLINKL PLANETの2期生もお披露目される。ますますパワーアップするリンプラは、アイドルシーンとプラモデルのシーンを飛び越えて、思わぬ「リンク」でつなぎ合わせた作品を送り出してくれるかもしれない。
LINKL PLANET 1st LIVE ツクッテクミタテテ
日時:2022年12月27日(火)
18:00開場/18:30開演
会場:渋谷duo MUSIC EXCHANGE
前売券:3000円
※未就学児入場不可
※整理番号順入場
※ドリンク代600円(税込)別途必要
※お一人様2枚まで
【詳しい情報は下記URLより】
https://bandai-hobby.net/site/plamogirlsproject/news_20.html
(執筆:太田サトル/撮影:我妻慶一)