GetNaviは「買って間違いなし!」のアイテムを紹介し続けて25年。膨大な数のデジタル製品からベスト・オブ・ザ・ベストを専門家に挙げてもらった。これらのアイテムがいかに革新的なのか、最新モデルはどのように進化しているのかを徹底解説。
※こちらは「GetNavi」2024年7月号に掲載された記事を再編集したものです。
選定人
ジャーナリスト西田宗千佳さん
モバイル機器、PC、家電など通電モノに明るい。雑誌や新聞、ウェブなどに寄稿するほか、テレビ番組の監修なども手がける。
【その①】“携帯電話”の概念を覆し全世界でスマホ文化を確立
Apple
iPhone 15 Pro
15万9800円(128GB)〜
ボディにチタン、内部にアルミを使用することでProとしては最軽量(187g)を実現。新たにアクションボタンを搭載し、消音ほか様々な機能を起動できる。24/28/35㎜の焦点距離を切り替え可能な48MPのメインカメラを搭載。
SPEC●ディスプレイ:6.1インチ Super Retina XDR●Proのカメラシステム:48MPメイン、超広角、 望遠、4つの光学ズームオプション●接続端子:USB-C(USB 3)●サイズ/質量:W70.6×H146.6×D8.25mm/187g
最新・最上とは一線を画したハイスペックな普及モデル
iPhoneは2007年、Appleの創業者スティーブ・ジョブズ氏によって初披露され、その後、世界中に「スマートフォン(以下スマホ)」の存在を広めた。日本においても2023年のスマホ出荷台数シェアでは、54.7%と半数以上を占め、12年連続で1位を独走している(MM総研調べ)。
「初代iPhoneは革新的ではあったものの、ごく初期にはフィーチャーフォンに比べ見劣りする部分もありました。そのため、最初から売れたわけではなく、普及には数年を要しました」(西田さん)
当初苦戦を強いられたものの、その後の3Gは日本でも発売されるなど、全世界で利便性や操作性の高さが認められ大ヒット。今日まで毎年新作が発表されている。
「iPhoneは、自社・他社を問わず、アプリやアクセサリーなど“巨大市場”を確立しました。スペックは常に最上というわけではなく、量産性を重視した“ハイスペックな普及モデル”でもあります。このスタンスが使い勝手につながり、多くの人に長きにわたり愛されているのでしょう」(西田さん)
<これぞ殿堂入りの理由>
「まさしく世界を変えた製品。アプリや周辺機器のあり方まで変えてしまいました。スマホは日々機能アップしており、iPhoneも時期により中身は大きく異なりますが、使い勝手の一貫性はスマホ随一!」(西田さん)
エポック-メイキング モデル
どのモデルも高い操作性とスタイリッシュなデザインは不変。
3G(2008年)
日本発売第一号機。ソフトバンクのみでの取り扱いで、店舗前には発売日前から長蛇の列ができた
4S(2011年)
Siriを初搭載し、iCloudに対応。S・ジョブズ生前最後に発表されたモデル。後期は“4s”に表記変更
5s(2013年)
指紋認証機能「Touch ID」を初搭載。本機種よりソフトバンク、auに加え、NTTドコモも参入した
X(2017年)
顔認証「Face ID」、全面有機ELディスプレイなどを初搭載。初代発表から10周年を記念してXに
【その②】独特ながら最適なキー配列がスピーディなタイピングを実現
PFU
Happy Hacking Keybord Professional HYBRID
3万1900円
東大名誉教授の和田英一氏とPFUとの共同研究で誕生。ミニマルなキーの合理的な配列により素早いタイピングが行え、プログラマーやライターなどの愛用者が多い。本機は、BluetoothとUSB-C接続対応のハイ・スタンダードモデル。
SPEC●キー仕様:静電容量無接点方式、押下圧45g、4.0mmストローク、シリンドリカルステップスカルプチャ、キーピッチ19.05mm●サイズ/質量:W294×H40×D120mm/540g(電池含まず)
初回ロットわずか500台が約20年で50万台超えのヒットに
ファーストモデル「KB01」は、1996年12月に発売し、500台の初回ロットは瞬く間に完売。当初スイッチ機構はメンブレン方式だったが、後に静電容量無接点方式に変更された。2018年に累計出荷台数50万台を突破。
<これぞ殿堂入りの理由>
「プロ好みの使い勝手を形にした、ハイクラスキーボードの先駆者。心地よいタイプ感はもちろん、どこにでも持ち歩けるコンパクトさも人気の理由です。昨今のキーボードトレンドに合わせ、進化し続けています」(西田)
【その③】プロもアマチュアも写真を撮る楽しみを再認識できる
リコー
RICOH GR III
実売価格12万1479円
一眼カメラに迫る高画質撮影が可能な単焦点モデル。コンパクトなボディながらAPS-Cサイズの大型イメージセンサーを搭載し、F2.8の明るいレンズ、画質処理エンジンGR ENGINE 6と併せて高画質を徹底的に追求した。
SPEC●撮像素子:約2424万画素原色フィルターCMOS●焦点距離・F値:約28mm相当(35㎜換算)、F2.8〜F16●サイズ/質量:約W109.4×H61.9×D33.2mm/約257g(本体のみ)
フィルムからデジタルへ変わっても高画質へのこだわりは変わらない
1996年、フィルムカメラ「GR1」がデビューして約10年後の2005年、「GR DIGITAL」が誕生。初代から一貫して広角単焦点にこだわり、安易にモデルチェンジをすることなく、ファームウェアのアップデートで成熟を図っている。
<これぞ殿堂入りの理由>
「高品質カメラというと“一眼”のイメージが強いですが、コンパクトを追求。初代モデルのデザインを維持しつつ、小型スナップ用カメラへのこだわりが、プロからアマチュアまで写真好きの心を捉えています」(西田さん)