Googleは今年のフラッグシップ機「Pixel 9」シリーズにおいて、全モデルに新型チップ「Tensor G4」を採用しました。しかし、流出したベンチマーク結果では、やはり競合他社のスマホよりも遅れを取っていることが明らかとなっています。
そんななか、Google幹部がTensor G4はベンチマークで良いスコアを出すためではなく、実際のユーザー体験に合わせて設計していると述べています。
インドのビジネス新聞Financial Expressの取材に対して、GoogleのPixel製品管理チームの主要メンバーであるSoniya Jobanputra氏は、チップ設計では「速度や偉業」を目的としてないとコメント。さらに「特定のベンチマークを打ち負かすためではなく、実用性を高めるために設計しています」と述べています。
要は、Pixel 9シリーズを日常的に操作する際、直接的な便利さをもたらすように作っているということ。
その一つが「アプリを開くときの問題点」の解消とのこと。アプリを素早く起動したり、複数のアプリを開いているときに切り替えやすくしたりというわけです。
もう一つが、AIとの緊密な統合。Tensor G4はマルチモーダル化、つまりテキストや画像、音声を理解して処理できるGemini Nanoにも最適化されたと言います。実際「Made by Google」イベントでは、Pixel 9シリーズは過去機種よりオンデバイスAI(クラウドと通信せず、端末内で処理)性能が3倍となり、毎秒45トークンを処理できると説明していました。
この取材の中で、Jobanputra氏はゲームの性能について触れていません。ゲームこそが従来のベンチマークと最も密接な関連があり、その結果が良くなるほど快適に遊べるものです。
来年の「Pixel 10」シリーズに搭載される「Tensor G5」チップは、iPhone 15 ProのA17 Proと同じ高度な技術により製造されると噂されています。その結果、処理速度が上がり、電力効率も高まる=バッテリー持ちもよくなると期待できます。
もっとも、Pixel 9シリーズも最高のAI体験ができることは確かであり、あと1年待つか、今すぐに買うかは悩ましいところです。
Source: Financial Express
via: Wccftech