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2024/9/27 6:00

近未来の飛行機はフライト時間が長くなる!? その意外な効果とは

音よりも速い超高速旅客機の開発が進められるなど、技術の進歩とともに短縮されているのが飛行機のフライト時間です。しかし、近未来ではフライト時間が逆に長くなる可能性が出てきました。

↑少しゆっくり飛んでみたら?

 

「航空業界の新たな未来を描く5年」。こんなタイトルが付けられた報告書が先日、発表されました。これは英ケンブリッジ大学の科学者が発表したもので、フライト時間と排出される二酸化炭素について調べた内容です。

 

ますます悪化する地球温暖化対策として、飛行機から排出される二酸化炭素を減らそうと「大胆な三つの対策」を提言。その一つが、飛行機の飛行速度を落とすという方法です。

 

その内容によると、現在の飛行速度を15%遅くすると、消費燃料が5~7%減らせるとのこと。15%遅く飛行するといっても、大西洋を横断する飛行ルートで、フライト時間がおよそ50分長くなる程度と試算されています。

 

環境に配慮されたジェット燃料や軽量な機体の開発など、さまざまな方面から地球温暖化対策は行われていますが、単純に飛行速度を遅くするだけなら、すぐにでも取り入れられる方法です。飛行時間が長くなることは利用客にとってマイナスの要素になりますが、「空港での待ち時間を短縮することでカバーできる」と、この研究者は説明しています。

 

この先、飛行機の利用者には「目的地まで早く到着する」という利便性よりも、「温暖化対策を優先して飛行速度を落とす」という選択肢が出てくるかもしれません。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. Bad news for nervous fliers! Flights could soon get even LONGER – as scientists call for planes to fly 15% slower to curb carbon emissions. September 24 2024