フィルム時代のカメラを復活させたかのようなデザインのPENシリーズやOM-Dシリーズで、スタイリッシュなカメラというイメージが強いオリンパス。だが、実はライブバルブ、ライブコンポジット、深度合成、ハイレゾショットなど豊富な独自機能も魅力となっている。また、発売後のファームウェアアップデートも頻繁で、機能追加が期待できる点もポイントだ。そうしたオリンパスのマイクロフォーサーズ一眼の代表機種を上級、中級、初級にわけて紹介。それらの特徴について解説する。
【上級機】豊富な機能と耐久性を備えたフラッグシップ
カメラグランプリ2017を受賞した同社のフラッグシップモデル「OM-D E-M1 MarkII」。AF、AEともに追従した状態での秒18コマ連写に対応し、オールクロス仕様の像面位相差センサーを備える。そのほか、最大5.5段の補正が可能な5軸手ブレ補正機能を搭載する。
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【中級機】ファームアップで機能は最新機種並み
同社の中級機に当たるのが、OM-D E-M5 MarkII。2015年2月の発売だが、フォーカスブラケットの追加などのファームウェアアップデートを重ね、最新機種にも迫る性能を維持。防塵防滴、耐低温ボディにもなっており、過酷な撮影シーンにもしっかりと応えてくれる。ダイヤル配置など、操作系が上位機種とほぼ同じなのもうれしい。
【初級機】ボディ内手ブレ補正や連写などが魅力
今秋にはエントリークラスの最新モデル「OM-D E-M10 Mark III」が登場。410gと小型・軽量ながら、強力な5軸手ブレ補正や秒8.6コマの連写、4K動画撮影などに対応する。「SCN(シーン)」や「AP(アドバンストフォト)」などの4つのカメラアシスト撮影モードにより、カメラ初心者でも簡単にクリエイティブな写真が撮影できる。
【オリンパス一眼6つの特徴】ボディ内手ブレ補正や画像合成機能が魅力
最新のオリンパスのOM-DシリーズやPENシリーズは、強力なボディ内5軸手ブレ補正を備え、静止画、動画ともにブレなく撮れる。特にOM-D E-M1 MarkIIでは、対応レンズとの組み合わせで最大6.5段分の補正効果が得られる。このほか、深度合成機能など、ボディ内での画像合成機能も魅力だ。
特徴1/手ブレ補正
同社の現行一眼の全モデルが5軸のブレに対応した強力な手ブレ補正を搭載している。特にE-M1 MarkIIとM.ZUIKO DIGITAL ED12~100mm F4.0 IS PROとの組み合わせでは、ボディとレンズの手ブレ補正が協調することで最大6.5段分もの補正が可能だ。
特徴2/防塵・防滴
E-M1 MarkIIやE-M5 MarkIIは、ボディのつなぎ目はもちろん、ダイヤルや、シャッターボタンなどの可動部までシーリングが施されている。レンズやバッテリー交換時に水が入らないように注意すれば、ほこりの多い環境や、雨や水しぶきのかかる状況でも安心して使える。
特徴3/アートフィルター
カメラ内で画像を加工し、演出を加えるデジタルフィルターを同社では「アートフィルター」と呼ぶ。ポップアート、ファンタジックフォーカスなど種類が多く、設定ごとに効果の強弱が変えられる。バリエーションも豊富で気軽に個性的な写真が楽しめる。
特徴4/深度合成モード
ピントをずらして撮影した複数の写真をもとに、広範囲にピントが合った写真を生成する画像合成の一種。マクロ撮影など、被写界深度の浅い被写体で重宝する。これをカメラ内で自動で行えるのが深度合成モード。深度の深い写真を簡単に撮影できる。
特徴5/高速AF
E-M1 MarkIIは、121点オールクロス像面位相差AFセンサーを搭載し、被写体にピントを合わせ続けた18コマ/秒連写が可能。これは、数値的にいえば一眼レフのフラッグシップ機を凌駕している。また、そのほかの機種もコントラストAFの改良により、かなり高速なAFを実現している。
特徴6/ハイレゾショット
0.5画素単位でセンサーを動かしながら8回撮影し、それらの画像をもとに5000万画素相当の画像を生成するのが「ハイレゾショット」だ。被写体の動きに弱いという弱点もあるが、E-M1 MarkIIでは、最新画像処理エンジン「TruePicⅧ」により被写体の動きによる画像の乱れを最小限に抑え、自然な写りを実現している。
写真/吉森信哉 解説/青柳敏史