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2018/4/21 21:30

「アコギ感覚で弾けるエレキ」って意味わかる? 細かすぎる楽器の進化を知ると大変驚く

年に1回開催されてる世界最大規模の楽器・音楽機材等の見本市「NAMM Show」で登場する、様々な新世代の製品を見ていると、楽器や音楽機材も日々進化していることがわかります。その進化は、音楽をやらない人にとってはなかなかピンとこないかもしれませんが、その進化によって起こる変化が理解できると、音楽の楽しみ方自体が変わるほどのレベルであることがわかります。

 

今回は、国内楽器メーカーのなかでも、特に意欲的な製品を次々と投入しているローランドの製品群をもとに、知ると大変驚くであろう最新楽器の現状をお伝えしたいと思います。

 

「アコギのように弾ける」新提案ギターアンプ

ギター向けアイテムを中心に展開する「BOSS」ブランドの製品では、こちらの新提案ギターアンプ「KATANA-AIR」にぜひとも注目してほしいです。

 

↑「KATANA-AIR」。予想実売価格は4万3000円前後。テーブルの上に置いておく感じで使えるコンパクトさ

 

↑ケーブル類を一切使わず使用可能。アンプの移動もストレスフリー

 

同社のギターアンプ「KATANA」シリーズは、いわゆる「真空管を使わずに真空管アンプのようなサウンドや挙動を再現する」タイプのアンプのひとつとして高い評価を得ています。なのでこちらの新モデルもそのサウンドは折り紙つきです。ギター側のボリューム操作での歪み具合の変化の滑らかさなんてところまで満足させてくれます。

 

その上でこのモデルが新たに提案してきたのは「AIR」の部分、つまりワイヤレスです。ギターのジャックにワイヤレス・トランスミッターを差し込めば、シールドケーブルでの接続なしでKATANAアンプから本格サウンドが飛び出します!モジュレーションやディレイなど基本的なエフェクトも内蔵しているので、別途のエフェクターの接続も必要ありません。

 

↑様々な形状のギターの端子周りに対応できるように工夫された形状です

 

↑トランスミッターはアンプ側にセットしておくことで充電されます

 

しかもそのトランスミッターにセンサーが搭載されていて、ギターをギタースタンドから持ち上げて抱えると自動でスタンバイ解除、スタンドに戻してしばらく動きがないと自動でスタンバイモードに戻ってくれます。なのでトランスミッターやアンプの電源をいちいちオンオフする必要なく、ギターを手にするだけでアンプから音が出るのです。アコギかよ!

 

ワイヤレスとなるとレイテンシー、弾いてから音が出るまでの遅れが気になるかもしれません。でもそれも心配無用。実際に弾いてみても音の遅延などの違和感は感じられませんでした。

 

「ギターを手に取るだけでアンプから本格サウンドが飛び出す」という気軽さは、自宅でギターを弾く時間を自然に増やしてくれそうです。製品自体も電池駆動でケーブル不要、音色もスマホアプリで調整できる完全ワイヤレス環境はとても快適な演奏空間をもたらします。これはエレクトリックギターの使い勝手に革命を起こすレベルではないでしょうか?

 

なおBOSSブランドの製品としては他に、マルチエフェクターの最新ハイエンドとして「GT-1000」も発表。こちらもライブからレコーディングまで活躍してくれることでしょう。

 

↑「GT-1000」。実売価格は10万8000円。旧モデル「GT-10」は、LUNA SEA/X JAPANのSUGIZOさんが愛用していることでも知られています

 

 

生音とエレクトリックサウンドを融合できる魔法のドラム

「ハイブリッドドラム」というシステムをご存知でしょうか? アコースティックのドラムに「トリガー」と呼ばれるセンサーを装着して、ドラムの生音にエレクトリックサウンドを重ねて発音するドラムシステムです。バスドラムの生音を補強するような生音主体の使い方から、生音では出せない特殊サウンドを鳴らすエフェクティブな使い方まで、実は結構普及している音楽機材でもあります。

 

とはいってもアマチュアのドラマーには、本格的なハイブリッドシステムは少し敷居の高いものでした。そこで、この「RT-MicS」です。

 

↑「RT-MicS」。予想実売価格は2万6000円前後。スネアに何かちょこんと付いてる?程度の存在感

 

見ての通りスネアドラムなどにポンと装着して使うスタイル。トリガーと音源モジュール、生音も拾えるマイクが一体化されているので、これ一個でシンプルなハイブリッドシステムを始めることができます。

 

生音とエレクトリックサウンドの細かな設定も可能。スネアの生音、生音とエレクトリックサウンドのミックス、エレクトリックサウンド単体を、叩き方だけで鳴らし分けることもできます。新世代ドラマーの皆様、いかがですか?

 

素人でも簡単に多重録音ができるスマホアプリ

音楽をやっていて作曲や録音もする方なら、「多重録音」の経験はあるかもしれません。ドラムスを録音→録音した音を聴きながら、重ねてベースを録音→ギターを同じく→ボーカルを同じく→バンドサウンド完成!」という工程が多重録音です。「4XCAMERA」は動画で多重録音が超簡単にできちゃうアプリなのです。

 

↑レイアウト例。画面を2〜4分割した演奏動画を簡単に作成できます
↑4XCAMERAはiOSのみ配信中。無償で2画面、App内課金480円で最大4画面まで分割できる。「歌ってみた」「弾いてみた」にはぴったり?

 

多重録音の「録音」の代わりに、「iPhoneのカメラで動画撮影」を重ねていきます。各パートごとに動画撮影し、マルチ画面の演奏動画を作れるのです。撮影済みの動画ファイルの読み込みもできるので、その場に集まってみんなで撮影しなくても、動画ファイルのやりとりで進めることもできます。例えば、ギターやエフェクターの試奏レビュー動画を作るのにもよいかもしれませんね。まずは手元で弾いている内容を撮影して、それに合わせて次に足元のエフェクターの設定やオンオフの流れを重ねて撮るとか。

 

 

雑に設置しても高音質で録音できるレコーダー

「R-07」は普通にポータブルオーディオレコーダーなのですが、しかし使い勝手の面に素晴らしく配慮されたモデルです。

 

↑R-07は実売価格2万6160円。小型というほどではありませんが、手のひらサイズで十分なポータビリティ

 

↑このちょっと上を向いた角度がポイント

 

ボディ背面の絶妙な柔らかさの素材、また絶妙な角度のマイク部分によって、机などにただ置いただけの状態でも、余計な振動や反射音を拾うことなく、狙った音を拾ってくれます。

 

専用ボタンも用意されている「リハーサル」機能も便利。バンド練習を録音する場合なら、曲の盛り上がって音が大きくなるあたりをあらかじめ「リハーサル」演奏すると、その音量をベストな音質で録音するための入力レベル調整を自動で行ってくれます。簡単にでも良い音で録りたいという根本的なニーズに応えてくれる機能です。

 

と、ここで紹介した製品だけでも、ローランドというメーカーが実に幅広いアイテムを展開していることも伝わったかと思います。楽器の世界にたまに目を向けてみると、その進化に驚きますので気になった方はチェックしてみてください。