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2018/5/14 17:30

決して割高では…ない? AI特化の完全ワイヤレス「Xperia Ear Duo」一週間身につけ続けてジャッジ

ソニーモバイルは「Xperia Ear Duo」を4月に発売しました。同製品は、耳をふさがないことで周囲の音が聴けるという完全ワイヤレスイヤホン。どんな機能があるのか、どんなシーンで便利なのか、実際に1週間使ってみた筆者が、その使い勝手や気づいたことをお届けします。なお、本記事では同機をGalaxy Feel SC-04Jとペアリングして検証しました。

 

秘密は穴の開いた構造

Xperia Ear Duoの最大の特徴は、耳の穴に入れる部分がリング状になっていること。この構造により、再生する音楽と周囲の音の両方が聴こえます。音楽を聴いていても、インターフォンの音、家族や同僚の声を聞き逃しません。

 

↑穴の開いたイヤーピースが特徴的

 

また、音声操作にも対応。ソニーのアシスタント「Assistant for Xperia」を呼び出し、声で操作できます。アシスタントは、設定で「Googleアシスタント」や「Siri(iOS端末の場合)」に変更可能です。

 

Xperia Ear Duoは平たく丸いケースに入っています。大きさは手のひらからほんの少し余る程度。ズボンのポケットなどに入れるにはやや苦しいサイズです。マグネット式のふたをパカッと開けると、イヤホンが左右の並びで収まっています。

 

↑ケースのサイズは直径約89mm、厚さ約25mm、重量は約76g

 

ペアリングには専用の「Xperia Ear Duo」アプリが必要です。AndroidはGoogle Playストアから、iOSはAppstoreからインストールしておきましょう。画面指示に従って右のイヤホンを取り出すと、自動でペアリング設定が始まります。ペアリングが成功したら、イヤホンを装着。使用する言語やニックネームを登録したら、初期設定は完了です。

 

↑特徴的な下掛けスタイル。耳たぶを下からはさむように装着。走ってもズレないほど安定感は抜群

 

音楽を聴きながらでも問題なし!

まずは、会社でラジオを聴きながら仕事をしてみました。「radiko.jp」をインストールし、Xperia Ear Duoアプリで「機器の設定」→「アシスタント」→「声で起動するアプリ」と進んだら、radikoを選んで起動するワードを設定。

 

↑「ラジコ」と設定

 

起動方法は、まず右のイヤホンのタッチパッドを長押し。「お話し下さい」と音声が聞こえたら、「ラジコを起動して」と言います。これでradikoが起動しました。

 

使ってみるとすぐにデュアルリスニングを実感。ラジオの音とともに、周囲の声も聞こえました。相手が何を話しているかはっきりとわかるので、コミュニケーションに支障はありません。電話やインターフォンが鳴っても聴き逃すことはありませんでした。さすがに音量を最大まであげると聴き取りづらいですが、それでもたいていの音は聴き取れました。

 

穴の開いた構造にもかかわらず、音漏れがほとんどないことも魅力。約50cmの距離で音量を最大にすると、わずかに聴こえる程度でした。

 

次に、今日の予定をチェックしました。カレンダーアプリと連携していれば、直近の予定を知らせてくれます。機能を呼び出すには、タッチパッドをタップすればOK。タッチパッドに割り振る機能の設定は、Xperia Ear Duoアプリの「機器の設定」→「タッチパッドの設定」から変更可能。どの機能を割り当てるか、自分の使い方に合わせてカスタマイズしましょう。

 

↑左右と、タップの仕方によって機能を割り当てられる

 

メールやSNSのメッセージ通知も読み上げてくれます。わざわざスマホを取り出さなくても、予定やメッセージを確認できるのは非常に便利でした。通知するアプリは個別に設定できるので、たとえば、業務連絡用に使っている「Slack」アプリを追加してもよし。反対に、仕事中煩わしいLINEの通知をオフにしてもよいでしょう。

 

↑読み上げるアプリの設定画面。オン/オフ、追加が可能

 

屋外ならではの機能

屋外でも使ってみました。車通りの多い道や人混みの中、駅のホームなどでは、室内よりも周囲の音が大きいためにイヤホンの音も聴き取りづらくなりました。

 

実はXperia Ear Duoには、周囲の環境に合わせて自動的に音量を調節できる「アダプティブボリュームコントロール」機能が備わっています。そこで、こちらをオンにした状態でも検証してみました。

 

↑「機器の設定」から変更できる

 

同機能を有効にすると、交通量の多いところや踏切の近くだと音量は大きく、静かな場所に移ると小さくなりました。

 

筆者の体感では、イヤホンの音量と周囲の音の割合は通常2:8ほど。車や電車が通った瞬間は、イヤホンの音はほぼ聴こえません。屋外では、周囲の状況に注意しなければならないため、安全面から音量のバランスも配慮されているかもしれませんね。

 

そのほか、ナビゲーション機能との連携も検証してみました。タッチパッドを長押ししてから、「ナビして」と伝えます。目的地と移動手段を順に聞かれるので、それぞれ答えると、スマートフォンでGoogleマップが起動し、経路を案内してくれます。しかし、音声案内ではなく最終的にスマホを取り出す必要があるので、これなら最初からスマホで設定した方が早そうです。

 

↑ケースの充電は付属のUSBケーブルを接続して行う

 

イヤホンのバッテリーは、4時間ほど使ったところで切れました。これはメーカーの公称値と一致します。ケースに収納すると充電される仕組み。3回分の充電が可能なので、こまめに充電すれば、丸一日使えるでしょう。バッテリー残量はXperia Ear Duoアプリから確認できますし、「バッテリー残量は?」と聞けば、「アクセサリー○%、スマートフォン○%です」と音声でも答えてくれます。

 

ちなみに、iPhoneでもペアリングして使ってみました。iOSでは利用できるボイスアシスタントがSiriのみであったり、タッチ操作のカスタマイズ、読み上げ機能が利用できないなどの制限がありました。そのため、Xperia Ear Duoを最大限活用したい場合には、Androidスマホとペアリングする方がよいでしょう。

 

Xperia Ear Duoの実売価格は3万2270円。完全ワイヤレスイヤホンの相場を考えると、やや高価な部類ではありますが、周囲の音との両立や、アシスタント機能の充実度、操作の簡単さを考えれば満足いく製品です。あなたもXperia Ear Duoで新しいリスニングを体験してみてはいかがでしょうか。