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2018/10/11 20:51

「新4K衛星放送」時代のテレビの選び方! 「4Kチューナー別体モデル」のコスパ厳選3モデル

12月1日の「新4K衛星放送」スタートへ向けて、同放送に対応するチューナーを内蔵するテレビや単体チューナーが続々登場しています。本記事では前・後編に分けて、チューナー内蔵タイプと外付けタイプのそれぞれでプロがベストバイを判定。後編では外付けタイプについて判定します。

 

【前編】

今から4Kテレビ買う人、「チューナー内蔵マスト」! 東芝&三菱電機の2モデルを徹底ジャッジ

 

外付けタイプですが、東芝と三菱電機以外の現行機は新4K衛星放送チューナーを非搭載。外付けチューナーは、テレビメーカーのほか、アンテナメーカーなどから10月以降に発売予定ですので、テレビと併せてチェックしましょう。

 

【ジャッジする人】

AV評論家

藤原陽祐さん

新聞記者、専門誌編集を経て独立。本誌でのテスト企画をはじめ、専門誌など幅広い媒体で精力的に活躍しています。

 

【その1】同社の最上位映像エンジンが4Kの上質な輝きを再現する

ソニー

ブラビア KJ-55X9000F

実売価格20万2890円

直下型バックライトや最上位の映像エンジン「X1 Extreme」などを採用して画質を向上。地デジから4Kまで、あらゆる映像をリアルかつ臨場感豊かに描きます。OSはAndroid TVを採用し、リモコンに話しかけるだけで様々なコンテンツを検索・視聴可能。

SPEC●画面サイズ:55V型(65V、49V型もあり)●バックライト方式:直下型LED部分制御●4Kチューナー:非内蔵●接続端子:USB×3、LAN×1ほか●消費電力:237W●サイズ/質量:W1228×H771×D268㎜/19.1㎏●地デジ/BS/110度CSチューナー:各2●4K VOD対応数:5●音声実用最大出力:20W●HDMI入力端子:4

 

↑リモコン中央には「Googleアシスタント」ボタンを備えています。ボタンを押しながら話しかけると、放送/録画番組やネットコンテンツを検索可能

 

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4Kコンテンツ視聴:☆×3.5

NetflixやdTVなど多彩なネット動画に対応

ネットコンテンツの充実が魅力。同社の別体チューナー「DST-SHV1」(実売予想価格5万9270円、11月10日発売)はテレビのリモコンでも操作できます。

 

録画性能:☆×3

音声操作は便利だが2チューナーは物足りない

内蔵チューナーは2基で、テレビ放送視聴中に裏番組を1つしか録画できないのが物足りません。音声による検索・録画予約の精度は上々です。

 

使い勝手:☆×3.5

リモコンは使いやすいがネット動画の遷移は遅め

リモコン上部に6つのネット動画ボタンを集約。ワンプッシュで各サービスのホーム画面にアクセスできて便利です。遷移にややモタつくのが残念。

 

音質:☆×3

クリアで聴きやすいがやや軽めのサウンド

下部に10W×2chのバスレフ型スピーカーを搭載。独自のバーチャルサラウンドやアップスケーリング技術で高音質化を図るものの、音はやや軽めです。

 

<総評>

高レベルな画質で新4K衛星放送を満喫できる

くっきり・はっきりの画作りでしたが、決して厚化粧に見えない技術はさすが。同社の4K放送チューナーと接続したときの使い勝手は、内蔵モデルと同等となります。新4K衛星放送を高レベルな画質でストレスなく楽しめるでしょう。

 

【その2】8K技術を生かした色彩豊かで高精細な映像が魅力

シャープ

AQUOS 4T-C60AM1

実売価格28万670

AIoTクラウドサービス「COCORO VISION」に対応したほか、最新のAndroid TVを採用するなど先進のスマート機能を搭載。新開発の映像エンジン「AQUOS 4K Smart Engine PRO」の搭載により、地デジから4K放送まで臨場感豊かな映像を堪能できます。

SPEC●画面サイズ:60V型(50V、43V型もあり)●バックライト方式:エッジ型LED部分駆動●4Kチューナー:非内蔵●接続端子:USB×2、LAN×1ほか●消費電力:約215W●サイズ/質量:W1354×H849×D341㎜/約33.0㎏●地デジ/BS/110度CSチューナー:各3●4K VOD対応数:5●音声実用最大出力:35W●HDMI入力端子:4

 

↑同社の4Kチューナーをつないで、右上の「+4K」を押すと、テレビリモコンでの操作が可能に。中央左には「Googleアシスタント」ボタンも備えます

 

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4Kコンテンツ視聴:☆×3.5

4Kチューナーと連動させてテレビリモコンで操作できる

同社の新4K衛星放送チューナー(価格未定/11月下旬発売)と接続して同放送を視聴可能。テレビリモコンの操作で番組を直接選局できます。

 

録画性能:☆×3.5

チューナーを3基備え2つの裏番組を同時に録画

3チューナーを備え、番組視聴中に別の2番組を同時に外付けHDDへ録画できます。放送番組の出演者情報を画面付きで表示でき、検索・録画が可能です。

 

使い勝手:☆×3.5

AIが好みを学習して快適な視聴をサポート

ユーザーの嗜好などを学習して、オススメ番組や情報を音声で知らせる「COCORO VISION」に対応。家族で使えて便利ですが、一部サービスが有料なのが残念です。

 

音質:☆×4

クリアで聴き取りやすく臨場感もたっぷり

オンキヨーの技術を取り入れた、3WAY5スピーカーの2.1chシステムを搭載。クリアで聴き取りやすく、臨場感あふれるサウンドが楽しめます。

 

<総評>

8K技術を応用した高画質とAIの利便性が合体

同社は唯一8Kテレビをラインナップ。その技術は4Kモデルにも応用されており、本機も色彩豊かで高精細な映像を楽しめます。また、AIを駆使したスマート機能の充実ぶりも大きな魅力。同社の今後の伸びしろを感じます。

【その3】映像が「宙に浮いて見える」フレームレスデザインを採用

パナソニック

ビエラ TH-55FX800

実売価格23万7460

ベゼルの周りをガラス素材で覆ったフレームレスデザインや、最薄部約8㎜のフラットパネル形状を採用。映像が宙に浮いているように見えます。色再現性と質感表現力が進化した映像エンジンにより、映像本来の色や質感、コントラストを描写できます。

SPEC●画面サイズ:55V型(65V型もあり)●バックライト方式:エッジ型LED部分制御●4Kチューナー:非内蔵●USB×3、LAN×1ほか●消費電力:190W●サイズ/質量:W1234×H775×D254㎜/約32.5㎏●地デジ/BS/110度CSチューナー:各3●4K VOD対応数:7●音声実用最大出力:20W●HDMI入力端子:4

 

↑左上が張り出た独特の形状を踏襲。中央上の十字ボタン周りに、Netflixや音声操作を起動するボタンを配置。4K放送への切り替えボタンはありません

 

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4Kコンテンツ視聴:☆×4

ビエラリンクにより4Kチューナーと連動

4K VODは最も豊富。同社4KチューナーTU-BUHD100(実売予想価格3万5510円/10月中旬発売)とつなぐと、ビエラリンク(※)により連携操作が行えます。

※:パナソニックのHDMI連携機能。対応する同社のAV機器をひとつのリモコンで操作できます

 

録画性能:☆×3.5

音声でワードを登録して自動録画が行える

テレビ放送視聴中に、2つの裏番組を外付けHDDに録画可能。番組名や人名で自動録画する「フリーワード録画」を音声入力で登録できます。

 

使い勝手:☆×4

テレビ番組とネット動画をシームレスに楽しめる

放送中の番組や録画番組、ネット動画を一覧表示できる「アレコレチャンネル」が便利。見たい番組を探して、簡単に視聴や録画予約が行えます。

 

音質:☆×3

コンテンツに合わせてモードが選べる

「ミュージック」「スポーツ」など5つのサウンドモードを備え、コンテンツに合わせて最適な音が選べます。最薄部約8㎜の薄型設計で、音の迫力にはやや欠けます。

 

<総評>

4Kチューナー搭載ディーガの登場が待たれる!

フレームレスの高いデザイン性に加え、高輝度IPSパネルの採用やエンジンのブラッシュアップなど、画質も上々。4K放送チューナーを搭載し、録画にも対応するディーガが12月に発売されるとのことで、そちらも期待したいです。