AV
カメラ
2018/12/18 16:00

バスケ撮影で「FUJIFILM X-T3」は雄弁に語る。“動きモノにも強いミラーレス”ここにアリ!

2018-19シーズンで3年目を迎えた、プロバスケットボールリーグ「Bリーグ」(公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ)。発足以来、アリーナDJの導入やライティングなどによる演出(ムービングショー)の実施など、エンターテイメント面にも力を入れ、これまでバスケットボールと接点のなかった層も新たに取り込んで大いに盛り上がっています。

 

そうしたリーグの盛り上がりにともない、女性ファンを中心に「選手のカッコいい姿を写真に撮りたい!」という人たちも増えています。ただ、バスケットボールは試合展開が非常に速く、選手の動きも複雑かつ素早いので撮るのが非常に難しいスポーツの1つ。しかも、室内競技なので必ずしも明るい環境ではなく、カメラにとっては非常にシビアな条件が揃っています。

 

そこでGetNavi webでは、動きモノ撮影に強くなった最新ミラーレスカメラ「FUJIFILM X-T3」を使って、プロが教えるバスケットボール撮影会を企画。東京・渋谷を拠点に活動する人気チーム「サンロッカーズ渋谷」の協力のもと、ファン3名を招いて実施しました。その模様を写真たっぷりでレポートします。

 

【今回使ったカメラはコレ!】

富士フイルム
FUJIFILM X-T3
実売価格19万9260円(ボディ)

今回使用したのは、富士フイルムの新世代ミラーレスカメラ「FUJIFILM X-T3」(以下、X-T3)。クラシカルな外観とは裏腹に、ダイヤル操作中心のわかりやすい操作性で初心者にも使いやすく、約11コマ/秒の連写や高速AFでスポーツシーンなど、動きモノ撮影も得意なカメラです。防塵防滴仕様のボディやSDカードのダブルスロットなど、安心感のある仕様も人気。

 

今回は、室内競技ということもあり、交換レンズは大口径望遠ズーム「FUJINON XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR」を使用。大口径&手ブレ補正(最高約5段分)搭載で室内での手持ち撮影にも最適です。ズームリングの動きが滑らかで、防塵・防滴&-10℃の耐低温構造が採用されているのも魅力。35mm判換算で76-213mm相当の画角をカバーします。

 

■FUJIFILM X-T3の詳細を知るにはコチラ↓
https://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/x/fujifilm_x_t3/

 

講師はプロのスポーツカメラマン! 参加者は悩めるサンロッカーズファン3名

今回の撮影会では、前述のとおりサンロッカーズ渋谷の協力のもと、スポーツカメラマンの山田高央さんを講師に3名の女性サンロッカーズファンに参加していただきました。参加者の皆さんは本格的なカメラでバスケットボールの試合を撮った経験があまりない、もしくはうまく撮れたことがないということで、まずは山田カメラマン式のバスケットボール撮影のコツや最適なカメラ設定についての講習会を実施。その後、実際の試合でX-T3を使って撮影を行いました。

講師/山田高央(ヤマダ タカオ)さん
1968年/東京都出身/日本写真芸術専門学校卒。出版社写真部を経て2005年からフリーとして活動開始。週刊誌・月刊誌等でスポーツ・ポートレート等ジャンルを選ばず多方面で作品を発表している。日本スポーツプレス協会会員・国際スポーツプレス協会会員。

 

参加者/佐藤さん
普段からバスケットボールを撮ってもブレずに撮れたことがない……ということで今回の企画に参加。チームキャラクターのサンディーが大好き。「選手だけでなくサンディーもかわいく撮れたらいいな。あと、ピントの合った選手のアップが撮ってみたいです!」(佐藤さん)

 

参加者/加藤さん
普段から一眼レフを使っているものの、撮るのはポートレートなどが中心で、本格的なバスケットボールの撮影はほぼ初めて。好きな選手はキャプテンの満原優樹選手やロバート・サクレ選手。「今日の目標はとにかく選手をかっこよく撮ることです!」(加藤さん)

 

参加者/家始さん
普段はミラーレスカメラのユーザー。カメラ好きではあるものの、バスケットボールの試合は見るのが専門で写真を撮ることはほとんどなし。ベンドラメ選手の大ファン。「カメラもバスケットボールも大好きなので楽しみです!」(家始さん)

 

バスケ撮影のコツ&おすすめカメラ設定を伝授

講習会ではまず、山田カメラマンが作品を見せつつ、撮影のポイントを解説。ここではその一部をご紹介しましょう。

【山田式・バスケ撮影のコツ】

その1. 狙う選手を決めて追うべし!

バスケはパス回しが速く、ファインダーを覗きながらボールを追い続けるのは難しいですよね。そんなときは、特定の選手に狙いを定め、ボールを持つ前から追いかけておくというのも1つの作戦です。

「試合中は司令塔であるポイントガードやシューティングガードの選手が比較的撮りやすいです。彼らを軸にAFを追尾させながら狙い続けることで、ドリブルシーンやシュートシーンが狙えるチャンスも増えて、バスケットボール撮影の醍醐味を味わえます」(山田カメラマン)

 

その2. 周囲の選手を入れ込んで“雰囲気”のある写真に!

横位置で普通に撮ると、隙間の多い写真になってしまいがち。周囲の人物を入れ込むなど、雰囲気が伝わるよう工夫しましょう。

「構図は、横よりも縦のほうが撮りやすいのですが、周辺の選手や背景にいる選手・コーチなどを画面に上手く取り込めれば、横位置の写真も雰囲気の伝わる面白いものになります」(山田カメラマン)

 

その3. あきらめずに狙い続ける根気が重要!

バスケのような動きの激しいスポーツシーンでは、一発でピントを合わせるのはプロでも困難。あきらめずに何度もピントを合わせ続ける気持ちが大切です。

「選手の動きは不規則かつ素早いので、AFを使って選手を追いながら連写で撮影することになります。多少AFが迷うことがあっても、シャッターボタンを半押しし直したり、ピントが合うまで半押しし続けるなど、あきらめずに狙い続けることが重要です」(山田カメラマン)

 

そのうえで、今回用意したX-T3がなぜバスケ撮影に向いているのかを解説。山田カメラマンは、特に次の3つをポイントとして挙げていました。

【X-T3のココがバスケ撮影向き!】

その1. 明るさ調整に失敗しない「EVF」

ミラーレスの大きな特徴である電子ビューファインダー(EVF)。X-T3のEVFは約369万ドットと高精細で、表示も滑らかです。

「プロバスケットボールの試合では、ムービングショー(試合前などに行われる、ライティングなどを使った演出)などを撮ろうとしても一般的な一眼レフでは照明の明るさが次々と変化し、露出が合いにくいもの。撮影結果を見ながら撮れるミラーレスカメラなら、露出などの失敗なく撮影できます」(山田カメラマン)

 

その2. 縦位置でも使える「3方向チルトモニター」

一般的なカメラのチルトモニターはカメラを横に構えた際の上下方向にしか可動しませんが、X-T3は縦位置に構えた場合にも有効。縦位置での撮影が多いバスケ撮影と相性抜群です!

「シュートシーンでは、3方向チルトモニターを使って、低い位置から見上げるように撮ることで迫力が出せます。また、写真に変化をつけたい場合、あるいは背景に天井付近の暗い部分を入れて選手やボールを引き立てたいときにも、低い位置から撮るのは有効です」(山田カメラマン)

 

その3. 秒間11コマの高速連写

スポーツ撮影で特に重要になってくる「連写」。X-T3は、CHモードで約11コマ/秒で撮影できるほか、電子シャッター使用で約20コマ/秒、さらに1.25倍のクロップモードを使用すると約30コマ/秒での撮影も可能となります。今回は、メカニカルシャッター使用の約11コマ/秒で撮影。

「人物やボールのわずかな変化を捉えるには、やはり高速な連写が必要。その点、X-T3の約11コマ/秒というのは安心感があります」(山田カメラマン)

 

こうした撮影テクニックなどについて丁寧に解説され、参加者の皆さんも、プロならではの撮り方、使いこなし方に関心しながら聞き入っていました。

↑普段聞くことのない、プロカメラマンならではのテクニックや撮影方法、設定などに聞き入る参加者。熱心に話を聞く参加者に、山田さんも解説に力が入ります。実際にカメラを手にしながら解説するなど、実際にどうしればいいのかをわかりやすく解説していました

 

続いて、バスケットボールを撮る場合のオススメのカメラ設定を伝授。以下がそれをまとめた表になります。

<山田式バスケットボール撮影設定(青山学院記念館版)>

絞りF2.8
シャッター速度1/1000秒
ISO感度ISO6400
ホワイトバランス3600K(ホワイトバランスシフト:R+7、B+7)
フィルムシミュレーションプロビア
連写高速連写(CH)
縦/横位置のAFモード切替フォーカスエリアのみ(フォーカス位置は縦横共に中央から2つ上)
AFAF-C
フリッカー低減/顔認識OFF
※会場により撮影条件が異なりますので、ご注意ください

まず、素早い動きを写し止めるには速いシャッター速度で撮る必要があるため、シャッター速度は1/1000秒程度が基本。そのため、絞りは開放、さらにISO感度は6400程度まで上げる必要があります。

↑X-T3は電源を切った状態でも各種設定が一目でわかる仕様。撮影しながらの微調整も容易です

 

↑ホワイトバランスは、光源が水銀灯である場合がほとんどなので、3600K前後をベースに微調整を行うといいでしょう

 

照明のちらつきによる露出のばらつきを抑える「フリッカー低減機能」も室内スポーツにおいて有効ですが、今回は連写速度を優先してオフにしています。撮影してみて、フリッカー現象の影響が大きいようであれば機能をオンにしてみましょう。また、画面の中に顔がたくさん入ってくると、どの顔にピントを合わせるかカメラのほうで迷うこともあるので、今回は顔認識はオフとしましたが、オンにしてみて思うようにピントが合うようであれば、使用してもいいでしょう。特に、画面内に多人数の選手が画面入らない条件なら、かなり高い確率で正確なピントが得られます。

 

■FUJIFILM X-T3の詳細を知るにはコチラ↓
https://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/x/fujifilm_x_t3/

劇的な勝利と予想以上の撮れ高に大満足!

撮影講習会が終わると、いよいよ試合会場へ移動してX-T3を使った実践編。今回の撮影会は、サンロッカーズ渋谷の本拠地、青山学院記念館で実施しました。JR渋谷駅から歩いて行ける距離にあり、都内なら平日でも仕事帰りに気軽に寄って応援できる抜群の立地。当日も多くのファンで盛り上がっていました。

↑撮影位置は、撮影のしやすさの点からアウェイ側のコートエンドに設定。アウェイサイドで応援する我々に気づいたサンディーが駆け寄ってきてくれるシーンもあり、参加者の熱気も急上昇!

 

↑試合中、夢中でシャッターを切る参加者。ハーフタイムに感想を聞いてみると、「AFが速くて撮りやすいですね」「ファインダーが見やすくて、イメージどおりに撮れていそうです」「連写が速いのがいいですね」といった声があがりました

 

試合は、前半はサンロッカーズ渋谷がやや押され気味だったものの、素早いボール回しとダイナミックな攻撃が続き、最終的には僅差ながらもサンロッカーズ渋谷が勝利。試合も撮影も盛り上がったゲームでした。

↑試合後には選手とハイタッチする機会も。こうしたファンサービスの高さもBリーグの人気の要因の1つ

 

試合終了直後、参加者の皆さんに撮影の感想を聞いてみました。それぞれの作品と山田カメラマンの寸評とともに紹介します。

【佐藤さん】

「想像していたよりも断然使いやすかったです。ダイヤル操作がわかりやすくて、ズームリングも操作しやすかったですね。ピントも思っていた以上に合ってくれて、撮りやすかったです。ISO6400で撮ったのですが、ファインダーで見た限り、画質もきれいで高感度でも実用的だと思いました。友人にも薦めたいです。たくさん撮影したので、数枚でもいい写真が撮れていたらと思います。試合も無事勝てて、とっても楽しかったです!」(佐藤さん)

↑佐藤さんの作品。「ティップオフの瞬間を暗いバックを生かし、選手を浮かび上がらせたことで、空中の一瞬の戦いがハッキリと表現されています。表情・伸びた手・ボールの位置が絶妙で、これから始まる熱戦を予感させてくれる作品となっています」(山田カメラマン・評)

 

【加藤さん】

「上手く撮れたかは自信がありませんが、画質自体はすごくきれいで感激しました。さすがに、オフェンスを撮るのは難しいなと感じましたが、それでもダンクシーンも撮れたんじゃないかな……と思います。カメラも試合も大満足でした! このカメラで、山田さんに教えていただいた設定で撮ったら上手く撮れたので、もっとこのカメラを使いたいなと思いました」(加藤さん)

↑加藤さんの作品。「サンロッカーズ渋谷が勝利を収めた瞬間、選手がチームメイトと喜びを分かちあう瞬間が見事に捉えられています。アウェイチーム席側からの撮影でしたが、ホームチームの観客やベンチを一緒に写し込んだことで、チームの勝利がよりよく表現されています」(山田さん・評)

 

【家始さん】

「こんなにきれいにブレずに撮れるんだ! と感動しました。上手く撮れたかはともかく、ブレずに撮れたというのがうれしく、楽しかったです。ダイヤル操作中心でカメラがどんな状態になっているか一目でわかって、初めてでも見ただけで操作できると思います。ファインダーが見やすくて、AFも速くて正確でした。機能が豊富な割に重すぎず、バランスのいい重量感。できれば、買って使いたいです。試合にも勝てて、うれしい1日でした」(家始さん)

↑家始さんの作品。「一進一退の熱戦のなか、タイムアウトから次の展開を模索しながらボールに向かう選手の心のなかが覗けるような写真です。激しいシーンを狙った作品が多いスポーツ写真ですが、このような静かな闘志が感じられる作品も良いものです」(山田さん・評)

 

皆さん、想像していた以上の写真が撮れて、しかも試合も勝利! 大変満足された様子でした。もちろん、山田カメラマンもこの試合を撮影。その作品は、以下のサムネイルをクリックすると大きく表示できます。

 

■FUJIFILM X-T3の詳細を知るにはコチラ↓
https://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/x/fujifilm_x_t3/

選手の目にはどう映る? キャプテン・満原優樹選手インタビュー

後日、サンロッカーズ渋谷の練習場にうかがい、同チームのキャプテン、満原優樹選手にインタビューさせていただきました。当日は、撮影会参加者の作品と山田カメラマンが撮影した作品のプリントを持参。プリントやX-T3を実際に見ていただきながら、山田カメラマンを交え、バスケットボールや写真、カメラについて語っていただきました。

↑2018-19シーズンのチームキャプテンを務める満原優樹選手(左)と山田高央さん

 

――早速ですが、満原選手が考えるバスケットボールの魅力について教えていただけますでしょうか?

満原優樹選手(以下、満原):どのスポーツよりも展開、オフェンスとディフェンスの切り返しが速いスポーツで、プレイしていてエキサイティングだと感じています。また、観戦いただいている皆さんにとっても、コートと客席の距離が近く、臨場感を感じていただいているのではないかと思います。

↑普段、スマホで撮影することはあるものの、一眼カメラは使っていないという満原選手

 

――では、サンロッカーズ渋谷のチームの魅力はどういった点でしょうか?

満原:チームとしても速い展開を目指していて、なかでも特に速い切り返しが魅力のチームだと思います。また、チーム全体としてディフェンスを頑張りたい、という目標があって、これは必ずしも点数には結び付くとは限らない部分ではあるのですが、そうした泥臭い部分も見ていただけたらと。あとは、表参道という好立地にホームアリーナがあるので、アクセスが良く、試合が観戦しやすいという点も魅力だと思います。

 

――今回は撮影会を実施し、FUJIFILM X-T3というカメラで試合を撮影させていただきました。実際にサンロッカーズファンの方が撮影した写真をプリントして持ってきましたので、ぜひご覧ください。

満原:コートで写真を撮ってくださっているファンの方はよく見かけるのですが、その写真を見る機会はあまりないんですよね。(写真を見ながら)皆さん、本当に上手く撮っていただいてますね。選手も少なからず、カッコよく撮ってもらいたいと思っている部分はあるので、うれしいです。

 

――山田カメラマンが撮影した写真もご覧ください。

↑今回はA1サイズにプリントした大きな写真も用意。ISO6400という高感度ながら、このサイズまで引き伸ばしてもノイズが悪目立ちしません

 

満原:動きのある瞬間の写真など、さすがはプロですね…。

 

山田高央カメラマン(以下、山田):いや、カメラが優秀になっているので、撮るポイントがわかれば、誰にでも撮れるチャンスはあると思います。選手の皆さんは、そのポイントがわかっていると思うので、我々よりも良い写真が撮れるんじゃないかな?

 

満原:なるほど! これからもさらに進化するでしょうし、ある意味、プロ泣かせのカメラですね。

 

山田:本当にそうなんですよ。X-T3は、一般に「ミラーレス」と呼ばれるカメラで、ファインダーや液晶で見たままに撮れるというのが魅力。AFが高速で暗い場所でもピントが合いやすいので、屋内で行うバスケットボールなどを撮るのに向いたカメラなんですよ。連写も速いので一瞬を撮り逃しません。よろしければ、触ってみてください。

↑渡されたばかりのX-T3で自主練習を行うチームメイトを撮影する満原選手。「シャッターを押しただけなんですが、それでもすごくよく撮れたのがわかります」と好印象な様子

 

満原:確かに連写、凄いですね。ブレずに撮れるし……。実際に撮るとハマっちゃいますね。結構、こういうの好きなんですよ。いやぁ、欲しくなってきました。

 

山田:高感度でもきれいに撮れて、なおかつ手ブレ補正搭載で、室内でも安心。「フィルムシミュレーション」という独自機能で、色を鮮やかにしたり、モノクロにしたりといったことが簡単にできるのも楽しいですよ。

 

満原:モノクロ写真、いいですね。あ、本当にきれいに撮れるなあ。ファインダーや液晶も、凄くきれいです。いいなあコレ……。

↑実際に使ってみて、ますますX-T3に興味津々といった様子の満原選手。X-T3の魅力を語る山田高央カメラマンの解説にも熱が入ります

 

――最後に参加者や読者の皆さんに一言お願いします。

満原:僕自身、バスケットボールは最高のスポーツだと思っていますし、1回見に来ていただければ、その楽しさが伝わると思います。サンロッカーズ渋谷は都心にホームアリーナがありますので、気軽に見に来ていただいて、その迫力や臨場感を実感していただけたらと思います。応援、よろしくお願いします!

FUJIFILM X-T3を使っての撮影会は、参加者だけでなく、その仕上がりを見た選手からも好評でした。インタビューのなかで山田カメラマンも語っているとおり、X-T3は設定さえきちんと行えば、撮るのが難しいとされている室内スポーツなどでも、誰でも比較的簡単に撮影することができます。今回、特に撮影が難しいとされるバスケットボールにおいても、その実力が十二分に発揮されました。バスケットボールの試合自体も、大変迫力のあるもので、今後ますます観戦や撮影を楽しもうとする人が増えてくるでしょう。

 

■FUJIFILM X-T3の詳細を知るにはコチラ↓
https://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/x/fujifilm_x_t3/

[対談]スポーツに強いヒミツは進化した「AF」にアリ!

FUJIFILM X-T3は、従来モデルに比べてAFの合焦速度や精度が圧倒的に高くなっています。それはプロカメラマンである山田高央さんも実感しており、「屋内スポーツで使えるAFになった」と太鼓判を押すほど。では、具体的には、どういった点が変わって高性能化を実現しているのでしょうか? ここからは、富士フイルムでAFの開発に携わっている、R&D統括本部 光学電子映像商品開発センターの桜武仁史さんと山田高央カメラマンの対談をお送りします。

↑富士フイルム株式会社R&D統括本部 光学電子映像商品開発センターの桜武仁史さん(左)と山田高央さん

 

山田高央カメラマン(以下、山田):早速ですが、FUJIFILM X-T3はAFが特に良くなっていると感じるのですが、技術的にはどういった進化を遂げたのでしょうか?

 

桜武仁史さん(以下、桜武):弊社のカメラは、画質重視でレンズが設計されています。そのため、これまでAFは多少不利になるケースも出ていました。それが、X-T1やX-E2の頃から像面位相差AFが入り、AFが速くなってきました。ただ、当時は新しい技術ということで、未熟な部分もあったと思います。

そのオールラウンドカメラであるX-Tシリーズが進化するなかで、センサーやアルゴリズム、画像処理エンジンなどが着実に進化。最新世代であるX-T3では216万ドットの位相差画素が配置され、画面全体での像面位相差AFが可能になりました。しかも、エンジンの処理能力が前世代よりも約150%向上して、これまで苦手だった、あまり模様がないような被写体に対しても位相差AFで素早く合わせられるようになりました。

↑「弊社のレンズは単焦点の大口径レンズが多いこともあり、精度と速度を両立させるのは難しく、これをクリアするのは思った以上に大変でした」と開発時の苦労を語る桜武さん

 

山田:瞳認識AFの精度も高いですよね。しかも、特に調整しなくてもデフォルトの状態で問題なく使えるのは、大変ありがたい。AF-Cのときのスピードも速すぎず、遅すぎずで使いやすいと感じます。アマチュアの方でもスポーツ撮影が楽しめるAFだと思います。

↑ポートレートや子ども撮影にも人気の顔認識/瞳認識AF。それぞれについてオン/オフが設定可能(写真は両方をオンにした状態)

 

桜武:顔・瞳認識AFについては、合焦率が200%アップしています。また、X-T3になって、顔認識、瞳認識含めて“喰いついたら離さない”と評されることが増えて、ようやく現場で使いやすいAFになったかな……と自負しております。

こうした精度や速度、粘り強さを向上させるために、1つのAFポイントを分割して240の測距情報が得られるようにし、その分布などから最終的な距離を演算するようにしています。X-H1(2018年3月発売の上位モデル)では60の測距情報でしたので、概ね4倍の情報が得られるようになり、精度や速度などの向上に寄与しています。

↑AFポイント自体が増えただけでなく、1つの測距点から得られる距離情報も多くなっています。画像処理エンジンの高速化で、取得情報の演算速度も速くなり、高精度・高速合焦が可能になりました

 

山田:AFがスッと素早く合うようになったことで、スポーツや動きモノであっても“撮ってみようかな”と思えるAFになりましたよね。今回のようなバスケットボールは屋内競技で動きも速いのでAFにはかなり厳しい状況ですが、参加者の方も十分撮影を楽しめたようです。

 

桜武:確かに、室内スポーツは、暗くて、速く動く被写体を、高感度で高速シャッターで撮る、というように、AFが非常に苦手な条件が揃っています。ただ、X-T3ではそうした点を何とかクリアしたいと考えて、様々な技術を投入しました。

 

山田:AF以外でいえば、ボディがすごく持ちやすくなったと感じたのですが、グリップが少し大きくなっていますか?

 

桜武:そうですね。従来機であるX-T2から形状を工夫するなどして、スリムさを保持しながら持ちやすい形状に仕上げています。

↑スリムボディながら手になじみやすいグリップ感も好評

 

山田:このホールディング性の高さも、撮ってみようかなと思わせてくれるポイントですよね。あと、EVFも高精細になって見やすいと感じました。

 

桜武:通常のEVF、LCDの表示はパネルに画像を1枚ずつ順次表示させるのが基本です。当社のEVF、LCD表示では、画像が部分的にでも表示できる状態になった場所から順次表示することで、画面表示の遅延を最小にして、滑らかに見えるように工夫しています。

 

山田:X-T3は正直、ミラーレスでここまで撮れるんだ! と思えるレベルで、バスケットボールに限らず、様々なものを撮ってみたくなる汎用性の高いカメラだと思います。最後に、桜武さんのおすすめポイントはありますか?

 

桜武:屋内スポーツなどの厳しい条件でも、AF面での“撮れ高”は、圧倒的に高くなっていると思います。これまで、プロの腕がないと撮れなかったシーンが撮れるようになっていると思うので、そうしたシーンを楽しんで撮っていただけたらと思います。

↑X-T3のAF性能について盛り上がる、桜武さんと山田さん。対談終了後も、ミラーレスの良さやXシリーズの魅力などについて語り合っていました

 

「ミラーレスは動きモノが苦手」を覆すオールラウンドな一眼カメラ

FUJIFILM X-T3を用いてのバスケットボール撮影会は、参加者の満足度が高く、作品も個性的な写真が多かったように思います。これは、初めて使うカメラながら参加者が十分に使いこなせていた証拠でもあるでしょう。サンロッカーズ渋谷の満原キャプテンも、想像していた以上に質の高い作品に感心していた様子で、カメラについても気に入ったようです。

 

従来のミラーレスカメラは、室内スポーツなどの撮影にはあまり向かないと考えられてきました。しかし、ここまで見てきたように、X-T3に関してはそのイメージに当てはまらないAF性能や連写性能を備えたオールラウンドなミラーレスカメラだといえます。

 

バスケットボールなどの屋内スポーツはもちろん、風景やスナップ、日常の記録まで、様々なシーンで活躍するX-T3をぜひ一度手にしてみてください!

 

■FUJIFILM X-T3の詳細を知るにはコチラ↓
https://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/x/fujifilm_x_t3/

 

撮影/我妻慶一