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イヤホン
2020/1/17 18:00

Bluetoothイヤホンが“500円”の衝撃! SNSで話題の「ダイソーイヤホン」の実力は残念ながら……

先日Amazon.co.jpで購入した約3000円の完全ワイヤレスイヤホンが「割と聴ける」音質だったことにショックを受け、低価格イヤホンもいよいよ無視できないレベルになってきたのかと、編集部のオーディオ担当として感慨深い思いに浸っていたところ、Twitterでさらに衝撃的なつぶやきを発見しました。

 

なんと、100円ショップのダイソーがネックケーブルタイプのBluetoothイヤホンを発売したというのです。価格はダイソーにしては高価な500円(税抜)となりますが、同様のタイプの一般的なBluetoothイヤホンは安いものでも3000円程度はしますから、破格の値段といってもいいでしょう。筆者は正直、「これで普通に聴ける音ならオーディオ市場はいよいよヤバいな……」と思いました。

 

これまで100円ショップの有線イヤホンを購入して使ってみたことはありましたが、そのときの音質はお世辞にも“イイ音”とは思えず、「イヤホンを忘れたから仕方なく」「ワイヤレスイヤホンのバッテリーが切れてしまったのでその場しのぎで」という場面以外で使おうとは思えませんでした。

 

しかし、Twitterのコメントを見ていると、「意外と悪くない音」というコメントも見受けられます。前述の完全ワイヤレスイヤホンの例もあることですし、もしかすると現在の100均イヤホンは音質が向上しているのかも……と考え、近所のダイソーへ走ったのでした。

 

質感・スペックは価格以上のクオリティ

発売されたばかりの商品のためか近所の小規模なダイソーには残念ながらまだ置いておらず、都心部の大規模店舗にてようやく見つけることができました。パッケージには「ブルートゥースイヤホン(マグネット式)」と書いてあり、カラーは黒と白の2色が用意されています。

↑ダイソー「ブルートゥースイヤホン(マグネット式)」(白)

 

さっそく購入しスペックをチェックしてみると、最新のBluetooth 5.0に対応しており、スマートフォンでハンズフリー通話もできるマイク付きリモコンまで備えています。充電用のマイクロUSBケーブルが付属しますが、交換用イヤーピースは同梱されません。

 

連続再生時間は2~3時間とかなり短め。他社の最新機種では10時間以上持つことがざらなことを考えれば、ここでコストダウンを図っているのかなという気がします。バッテリーは比較的高価なため、容量の少ないものにして原価を抑えているのでしょう。

 

ワイヤレスイヤホンの音質を左右する要素のひとつでもあるコーデックについては明記されていなく、おそらく標準のSBCのみサポートしているものと思われます。

 

イヤホンを取り出してみると、ハウジング部・ケーブルとも質感は悪くなく、これが500円とは……と唸るほど。ハウジングはアルミのメタリックな質感が生かされており、赤いラインがワンポイントになっています。ケーブルはフラットな“きしめん”タイプで、絡まりにくく強度も十分。

↑フラットタイプのケーブルを採用

 

↑メタリックなアルミハウジングに赤のラインがあしらわれています

 

残念ながらイヤーピースはペラペラで、耳に入れるときに音がペコペコ鳴ってしまいます。フィット感はそれほど悪くないのですが、遮音性が低いため「あれ、音漏れしてる?」と心配になるほど。可能ならイヤーピースは替えたほうがよいでしょう。

↑イヤーピースを外したところ。ホコリや耳垢などの侵入を防ぐメッシュが貼られている

 

ウリのひとつであるマグネット式は、ハウジング部分に磁石が内蔵されており、使わないときはイヤホン同士をくっつけておけて邪魔にならないというもの。市販されているもののなかには、イヤホンをくっつけると電源オフに、離すとオンになるオートオン/オフ機能を備えたものもありますが、さすがにこちらはそこまでの機能はありません。

↑マグネット内蔵で使わないときはくっつけておける

 

ケーブル部分にはマイク付きリモコンを備えており、再生/一時停止や曲送り/曲戻し、音量調整、着信時の受話/終話など一通りの操作が可能。ボタン部分は少し突起しているので、慣れればブラインド操作もできそう。充電ポートもこの部分に備えていますが、カバーがついていないので水濡れには注意。

↑マイク付きリモコンを搭載

 

↑充電ポートはむき出しなので水濡れに注意

 

音質はAMラジオ並み

これまでスペックや質感をチェックしてきましたが、それなりにしっかりした作りで価格以上の価値はあると感じました。しかし、イヤホンのキモは音質。音を聴いてみないことには真価はわかりません。

 

ということで、手持ちのiPhone 11にワイヤレス接続して音をチェックしてみることに。ペアリングは電源ボタンを5秒以上長押しして、LEDライトが赤と青に交互に点滅したらiPhoneの接続画面から「EA9745」を選択します。一度接続してしまえば、次回からは電源を入れるだけで自動的に接続してくれるオートペアリング機能も備えているようです。

 

さっそく音を聴いてみると、第一印象は「……AMラジオを聴いているみたい」というものでした。とにかく解像感が低く、音がダンゴのようにひと固まりになって聴こえます。バックでどんな楽器や音色が演奏されているか、判別するのも難しいほど情報量がそぎ落とされてしまっている感じです。

 

音質の傾向としては、中域が盛り上がった“カマボコ型”に近いでしょうか。低域も高域も伸びないのでそう感じるのかもしれません。音楽的な表現はかなり苦手そうです。ただ、ボーカルが前に出てくるので、ラジオ番組など人の声がメインとなるコンテンツには向いていると思います。

 

曲を変えながら試聴を続けているうちに、「?」と疑問に感じたことがあります。音質の悪さでなかなか気づかなかったのですが、定位感がちょっと変なのです。そこで昨年のNHK紅白歌合戦を盛り上げた日本が誇るDIVA・MISIAのデビュー曲「つつみ込むように…」を再生してみることにしました。この曲は、イントロにパーン、パーンという音が右ch→左ch→右ch→左chと左右から交互に打ち寄せるように鳴るので、ステレオ感を確かめるのに最適な楽曲なのです。

 

イントロをチェックしてみると、左右から分かれて聴こえるはずの音がなんと両方から同時に聴こえます。つまり、このイヤホンは「モノラル」ということになります。AMラジオのように聴こえたのも、このモノラル再生のせいかもしれません。パッケージを確認すると、確かにステレオという表示はありませんが、モノラルならモノラルと書いておいてほしいところ。ますます音楽用としては不向きだと思えてきます。

 

音の遅延については、最新のBluetooth規格に準拠してることもあり、ワイヤレスとしてはごく標準的な程度。アクションゲームをプレイしてみると、ボタンを押して0.5秒くらい遅れて音が鳴るくらいのタイムラグを感じます。音ゲーのようにシビアなタイミングを要求されるゲームはツライかもしれませんが、動画を見るくらいなら違和感は感じないでしょう。

 

バッテリー持ちは、はじめにフル充電をした状態から音楽を流しっぱなしにして、約3時間50分ほどで電源が落ちてしまいました。公称スペックよりは持ちましたが、通勤・通学で使うなら毎日充電したほうが安心でしょう。

 

結論:「どうしてもイヤホンが必要」という場合以外はオススメできない

税抜き500円という衝撃的な安さのダイソーBluetoothイヤホンですが、使ってみた感想としては、前述の激安完全ワイヤレスイヤホンとは違い「音はよくない」と思います。モノラル再生ということもあり、個人的にはこれで音楽を聴くのはツライと感じました。バッテリー持ちも短く、日常的に使うのは厳しいでしょう。冒頭で書いたように、手元にイヤホンがなく緊急でやむを得ず必要になるシーン以外での購入はないと思います。

 

このイヤホンを購入すべき人は、「音が出れば音質にはまったくこだわらない人」「スマホを買い替えたらイヤホン端子がなくなったので、とにかくワイヤレスイヤホンが必要な人」「AMラジオしか聴かない人」「イヤホンに1000円以上出したくない人」でしょう。それ以外の方には、あと2000円出して各社のエントリークラスのワイヤレスイヤホンを購入することをオススメします。

 

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