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2020/9/25 18:00

多機能なANC入り完全ワイヤレスイヤホンが出た! プロが認めるNUARL「N10 Pro」のすごさを徹底解剖

いま数多くある完全ワイヤレスイヤホンのなかで、日本のブランドであるNUARL(ヌアール)が発売した新製品「N10 Pro」には音質と優れたアクティブ・ノイズキャンセリング効果のほかにも、スマホアプリと連携する多彩な機能が揃っています。今回はN10 Proの実力を隅々までチェックしてみたいと思います。

 

NUARL初のANC搭載完全ワイヤレスイヤホン誕生

NUARLは2016年11月に誕生したイヤホンブランドです。音質にこだわり抜いたコストパフォーマンスの高いワイヤレスイヤホンが評判を呼び、2018年にはブランド初の完全ワイヤレスイヤホン「NT01」が誕生。高品位なサウンドがイヤホンに精通するマニアから熱烈な音楽ファンまで幅広い人々の琴線に触れました。

 

N10 ProはNUARL初のアクティブ・ノイズキャンセリングと外音取り込み機能を搭載する完全ワイヤレスイヤホンです。本機の高音質へのこだわりを深く知るためには以下のポイントに注目しましょう。

↑NUARLの完全ワイヤレスイヤホンのフラグシップモデルでもある「N10 Pro」

 

自社で開発した大口径10mmのダイナミック型ドライバーユニット「N10」です。剛性と弾力性に富む樹脂素材PEEKをベースに、その表面にTPE(エラストマー素材)とチタンを皮膜蒸着した独自の「PTT多層皮膜振動板」が鋭い切れ味としなやかさを併せ持つサウンドを鳴らします。

 

クアルコムのBluetoothオーディオ向けシステムICチップ「QCC5124」を組み込んだ効果は、スマホなど音楽プレーヤー機器と安定した接続・通信ができること以外に音質にも現れます。ICチップに統合されているDSP(デジタル信号処理専用のプロセッサ)の高性能を活かしてチューニングを丁寧に仕上げて、NUARLのフラグシップモデルらしいきめ細かなサウンドに仕上げています。

↑充電ケースに装着。ケースのデザインもスタイリッシュです

 

NUARLの上位イヤホンが受け継いできた、アメリカのTBI Audio Systemsが基礎技術を確立した「HDSS」テクノロジーがN10 Proにも搭載されました。この技術により、耳にイヤーピースを装着して使うカナル型イヤホンのサウンドがすっきりとクリアになり、広い音場が開けます。カナル型イヤホンが苦手という方にもこの見晴らしの良いN10 Proのサウンドを試して欲しいと思います。

 

専用アプリで様々なカスタマイズが可能

アクティブ・ノイズキャンセリング機能はクアルコムのQCC5124に組み込まれている技術をフルに活用しています。イヤホンの外側・内側に配置したマイクを使うハイブリッド方式のノイズキャンセリングは、フィードフォワード/フィードバック両側のノイズキャンセリング処理をデジタル制御として、リスニング環境周囲の雑音だけをきれいに消去します。

 

N10 Proをスマホにペアリングして使ってみました。アクティブ・ノイズキャンセリング機能をオンにすると急に耳に圧がかかって窮屈に感じられるイヤホンも多いのですが、NUARLのN10 Proはすっと自然に周囲のノイズが聞こえなくなるような効果がとても心地よく感じられました。バスの走行音やエアコンのファンなど継続して響く低音域のノイズから、雑踏に集まる人の話し声、カフェで近くに座っている人の会話まで、音楽リスニングの妨げにもなる様々な環境音をフラットに消してくれます。

 

後にも触れるN10 Pro専用のスマホアプリからは、ノイズキャンセリングモードを「音質優先/バランス/ANC優先」の3段階から選択可能。音質優先にすると音楽のボディがよりしっかりとして、多くの騒音に囲まれる通勤・通学の電車やバス、地下鉄の中でも明瞭に音楽が聞こえてきます。映画の効果音やダイアローグも肉付きが良くなります。エンターテインメント系のコンテンツに限らず、移動中に英会話のレッスン、ニュース動画を視聴する際にも「音質優先」モードがおすすめ。

↑ノイズキャンセリングモードは「音質優先/バランス/ANC優先」から効果を選択可能

 

音楽再生を止めて、長距離移動の電車や飛行機の中で眠りたい時には「ANC優先」にすると、消音レベルの強度が少しアップします。オフィスを離れて、テレワーク環境で静かに集中して書類を作成したい場面など、耳栓としてイヤホンを活用したい時に「ANC優先」モードを上手に使いこなしましょう。「バランス」モードは音声の聞こえ方と、周囲のノイズを押さえ込むバランスがちょうど良いモードです。ビデオ通話の際に有効だと思います。

 

ノズルの先端に着脱できるイヤーピースはフィット感が異なるシリコン製の「Block Ear+」とフォームタイプの「Magic Ear+for TWE」の2種類を同梱しています。どちらも抗菌仕様のイヤーピースなので安心して使用できますね。パッシブな消音効果は等しく高いレベルにありますが、フォームタイプのイヤーピースは低音域の弾力感が引き締まり、シリコンタイプのイヤーピースは中高域の抜け感が引き立つ特徴がそれぞれに感じられました。楽曲に合わせて付け替えながら音質の変化も楽しむのもいいでしょう。

↑シリコン製の「Block Ear+」とフォームタイプの「Magic Ear+for TWE」から装着感や好みの音質でイヤーピースを交換できます

 

NUARLのイヤホンは音質だけでなく、むやみな装飾を廃したファッション性の高いデザインがユーザーを魅了してきました。N10 ProもBATTLES DESIGNの百崎彰紘氏をプロダクトデザイナーに迎えて、フラグシップモデルらしい上質な華やかさを持ったデザインとしています。サイドパネルに配置されたブランドロゴの後ろ側には音の波紋のようなレリーフが施されています。イヤホンを傾けた時に光の反射で模様が浮かび上がってくる様子がとても神秘的です。

 

充電ケースの柔らかな丸みを持たせたデザインも手に馴染みやすく、重さや大きさを感じさせることなくバッグからスムーズに出し入れできます。イヤホン単体での音楽再生時間の目安は、アクティブ・ノイズキャンセリング機能をオンにして、iPhoneにペアリングしてAACコーデックで聴く場合が約5時間。ケースによる充電を繰り返しながら使えば、約30時間の音楽再生が楽しめます。

 

 

イコライザーによる音質のカスタマイズも自由自在

NUARLオリジナルのiOS/Android対応モバイルアプリ「N10 Connect」から、イヤホンの様々な操作・設定、ファームウェアのアップデートなどが行えます。

 

アプリを起動すると画面にはイヤホンのバッテリー残量がパーセント表示されます。音量レベルはLOW/MID/HIGHの3段階から切り換えられますが、あらかじめLOW/MIDに設定すると最大音量が絞られ、耳へのダメージが軽減できます。

 

スマホなどBluetoothに対応する音楽プレーヤー機器との接続する場合、オーディオコーデックはaptX/AAC/SBCの3種類から選べます。アプリからコーデックを切り換えて音質の違いを楽しんだり、万が一バッテリーの残量が気になる場合は駆動時消費電力が少ないAAC/SBCを選択してもよいでしょう。

↑ペアリングする機器に合わせてオーディオコーデックはaptX/AAC/SBCが選択可能

 

アプリのイコライザー機能を使えば、サウンドのカスタマイズもできます。デフォルト設定は「標準」ですが、ボーカルや楽器のメロディの滑らかさが引き立つ「ソフト」と、演奏全体のトーンが落ち着く「フラット」の2種類から、聴きたい音楽のジャンルやその時の気分に合わせたリスニング感の調整も楽しめます。

↑3段階のイコライザー切り替えを設けています

 

万一イヤホンが手元に見つからない場合は、アプリのマップ上でイヤホンとスマホを最後に接続した場所が表示される頼もしい「Find Earbuds」機能も便利。

 

ペアリングしているスマホの音楽再生、ハンズフリー通話は左右イヤホン本体の側面と下側に配置されているメイン・サブボタンからリモコン操作ができます。タッチセンサーリモコンは便利な反面、イヤホンを着脱する際にリモコンパネルに触れてしまい誤操作が発生することもよくあります。左右に2つずつのボタンで必要な操作を網羅するN10 Proののリモコンは理にかなっています。

 

サブボタンは1回押すごとにビープ音が鳴って、ノイズキャンセリングと外音取り込み、それぞれのオフの切り換えがループします。ビープ音が鳴る回数で現在のモードがわかります。

↑本体側面のサブボタンでリスニングモードを切り換えます

 

音楽再生はメインボタンによるシングル/ダブル/トリプルクリック、長押しの操作になりますが、一番覚えやすいパターンをスマホアプリから選んで割り当てられるので安心です。

↑音楽再生・ハンズフリーに関わるボタン操作はアプリから設定を変更できます

 

 

屋外で音楽を聴く時には外音取り込みを上手く使おう

外音取り込みをオンにするとノイズキャンセリングはオフに切り替わります。外音取り込みは音楽を再生しながら外の音が取り込める「標準」をデフォルトとして、ボタン操作でオンにした時にスマホアプリから再生中音楽のボリュームを下げるか、または音楽を一時停止するかの3つの設定を決めておくことができます。

 

本体のマイクを使った外音取り込み機能も、マイクに由来するノイズのないクリアな音質が魅力的です。イヤホンを装着したまま環境音が自然に聞こえてくるので、街を歩きながら、ジムで体を動かしながら音楽を楽しむ時にはオンにしたいところ。

↑外音取り込み時の音楽再生モードを選ぶことができます

 

またコロナ禍の影響により、最近は在宅ワークの時間が長くなっているという方も増えていると思います。ビデオ会議の音声に集中するため、ヘッドホンやイヤホンを使っていると、生活音が聞こえなくなって不便に感じられるもの。N10 Proのように精度の高い外音取り込み機能を搭載するイヤホンなら、例えば子どもの泣き声にも即座に反応したり、自宅に一人でいる時にドアベルが鳴った場合も応答ができるので、頼もしく感じられるでしょう。

 

 

N10 Proのサウンドを聴いてみた

aptX再生に対応するスマホ「Google Pixel 4a」でN10 Proの音楽再生をチェックしました。

↑N10 ProのサウンドをGoogle Pixel 4aに接続して聴いてみました

 

筆者がこれまでに聴いてきたNUARLの「N6 Pro」「N6」「NT01A」に代表される完全ワイヤレスイヤホンの上位モデルは、いずれも解像度がとても高くクールで煌びやかな音の印象がありました。N10 Proも先行するプレミアムイヤホンと同じく、原音をむやみに色づけしないニュートラルなバランス感覚と、目の覚めるような解像度の高さを備えながら、加えて中低域の力強さと、みずみずしい張りのある弾力感を得ていっそうの進化を遂げていました。

 

低音の打ち込みが鋭く、音像定位がとても鮮明です。ロックやEDMの楽曲はリズムセクションの安定感が抜群。クリアで粒立ちの良い中高音域が豊かな空間の広がりを作り出します。アクティブ・ノイズキャンセリング機能による「静寂の透明感」が心地よい緊張感を作りだし、音楽の色鮮やかさを引き立てます。ボーカルは声の表情が繊細に移り変わる様子が立体的に浮かび上がってくるように感じられるほどリアル。従来のNUARLのイヤホンは、ボーカルのキリッとしたクールな艶っぽさが魅力的でしたが、N10 Proはより温かみのある人肌の心地よさが伝わってくるようなボーカルに感じられました。J-POPやジャズのボーカル系の楽曲にも相性がとてもよいイヤホンだと思います。

 

さらにHDSSテクノロジーのおかげで、とても広々とした音場感を描き出せるイヤホンなので、例えば大編成のクラシックのオーケストラ、ジャズのビッグバンドの演奏も雄大なスケールを感じさせてくれることでしょう。どんなジャンルの音楽を聴いてもワクワクとさせてくれるイヤホンです。

 

マイク性能も良好。ビデオ通話にも活用したいイヤホン

ビデオ通話にイヤホンを使っていると、通話の相手に「声が聞き取りにくい」と指摘されたことはありませんか? 通信回線の不具合が原因の場合もままありますが、あるいは使っているイヤホン・ヘッドホンのマイクの性能にも問題があるのかもしれません。N10 ProにはクアルコムのcVcノイズキャンセル技術が搭載されているので、イヤホンに内蔵するツイン仕様のマイクで集音したサウンドから、ノイズ成分を除去して話者の声を整えて通話相手に伝えることができます。これからのイヤホンは「音質」を語る際、マイクによる集音性能にもぜひ注目しながら、ビジネスツールとしても徹底活用できるよいイヤホンを選びたいものです。

 

NUARLでは万一、完全ワイヤレスイヤホンの片側をなくしてしまった場合にも、購入から1年以内であれば紛失した側のイヤホンを安価に購入できる有償の「片側紛失保証」をユーザーサービスとして設けています。「完全ワイヤレスイヤホンは紛失してしまわないか心配」とお考えの方も、このサービスがあれば安心ですね。

 

もう完全ワイヤレスイヤホンはお気に入りの1台を持っているという方から、そろそろ入門機からワンランク上のイヤホンにステップアップを図りたいという方にも、アクティブ・ノイズキャンセリング機能付きイヤホンの魅力をすべて揃えるNUARL N10 Proをおすすめしたいと思います。

 

 

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