わたしたちは、どれだけ頑張ればいいのでしょうか? 何のために、誰のために頑張っているのでしょうか?
『頑張らない人は、うまくいく。』(中谷彰宏・著/学研プラス・刊)という本があります。「頑張ること」にまつわる57のアイデアを収録しています。
うまくいく=楽しくなる
「うまくいく」が「いい結果が出る」という意味なら、いい結果が出た時はいいですが、出ない時は楽しくなくなります。
いい結果が出た時も、いい結果につながらなかった時も、どちらもハッピーという状態が「うまくいく」ということです。
(『頑張らない人は、うまくいく。』から引用)
結果は「一瞬」です。だから、喜びも「一瞬」で消えます。達成感や満足感は長続きしないものです。
何かを学んだり試したりするのは「挑戦」です。結果が出るまでに長い時間がかかりますが、上達したときには小さな喜びをたくさん得られます。
結果は「一瞬」。挑戦は「一生」。結果を出すまでの過程が楽しむことができれば、たとえ成功できなかったとしても、人生はハッピーです。ゆっくり噛んで食べる「味わい上手」になりましょう。
頑張らずに、恋をする
仕事や上司にリスペクトがある人は、頑張らなくても仕事ができます。
仕事や上司にリスペクトがない人は、頑張って仕事をする必要があります。
(『頑張らない人は、うまくいく。』から引用)
リスペクトは「尊敬」という意味です。「興味」や「関心」のことでもあります。
恋愛対象の相手には、努力しなくても「リスペクト」を感じます。好きな相手には、時間や労力やお金を惜しまずに使います。なぜなら、恋をしている相手に尽くすのは「幸せ」だからです。恋をするように仕事ができれば、きっと楽しいはずです。
いまの職場が楽しくないのは、業務内容や上司に恋をしていないからです。お見合いよりも恋愛をしたい人のほうが多いはずなのに、職場の人間関係にかぎっては「お仕着せ」でガマンしている人が多いです。
他人のことで頑張らない
間違った頑張りは、自分のことでも頑張りながら、人のことでも頑張ってしまうことです。
(中略)
相手を変えることはできないので、自分の課題に集中します。
大体は自分の課題から逃げるために、逃避として人の課題に手を出し始めます。(『頑張らない人は、うまくいく。』から引用)
「わからず屋の上司」がいます。勉強不足であったり、自己保身のことばかり考えていたり、はっきり言って無能です。腐っても上司なので、プレゼンテーションや決済を認めてもらう必要があります。このとき「説得」や「啓蒙」しようとするのは誤りです。頑張りかたとしては大きな間違いです。
無能であることは、他人が変えようがありません。低レベルな思考パターンを探って、相手の理屈に合わせたものを差し出して、それで良しとしましょう。
ひとりで頑張らない
自分1人が頑張っているという頑張り方は、間違った頑張り方です。「今この時間にも、誰かがどこかで頑張っている」と思えばいいのです。
(『頑張らない人は、うまくいく。』から引用)
挑戦をすれば、小さな喜びが得られます。しかし、つらいこともあります。何度やっても結果が出せないこともあります。あきらめそうになります。
頑張っているのは、あなただけではありません。「つらいのは、おまえだけじゃない!」という意味ではなく、あなたを含めて「頑張っている人」がたくさんいるからこそ、わたしたちは文明生活を維持できるのです。
全国的な大雪に見舞われたとき、除雪をがんばってくれた人たちがいました。除雪車は振動が激しいので、肉体へのダメージが大きく、運転手はぐったりと疲れるそうです。わたしたちが眠っているあいだに。睡眠時間を削って。連日連夜。感謝です。
あなたを含めて、みんなが頑張っているからこそ社会が成り立っています。近くにはいなくても、どこかに「頑張り仲間」がいると確信できれば、励まされるような気持ちになります。
「頑張らなくても、うまくいく」のですから、頑張ればもっとうまくいきます。頑張りは裏切りません。正しい頑張りかたで、精いっぱい頑張りましょう!
【著書紹介】
頑張らない人は、うまくいく。
著者:中谷彰宏
出版社:学研プラス
「頑張っているのに結果が出ない」、「やる気に、ムラを感じる」。大切なのは頑張ることよりも、頑張るとはどういうことなのか見直していくこと。「こんなに頑張っているのに」という被害者意識から抜け出し、自分らしく成長するコツを紹介。