オリーブオイルの「ピュア」にご用心
さて、オリーブオイルのよさがわかったら、次は選び方、買い方だ。
わたしたち日本人は「ピュア」を高品質の証として好む傾向にあるが、オリーブオイルに関してはこの「ピュア」という言葉は混乱のもとになるので注意したい。
現在、日本で売られているオリーブオイルは三等級に分類されている。
●バージンオリーブオイル
オリーブの果実を搾っただけで、いっさいの化学加工をしていないものがバージンオイル。酸度がもっとも低く、果実の香りや味わいを持ち、欠点のないものをエキストラと分類する。価格はやや高め。
●ピュアオリーブオイル
精製オイルにバージンオイルを混ぜたもの。価格は手ごろで、オリーブ100%の純粋なオリーブオイルには違いない。
●オリーブポマースオイル
二番搾りを精製した無味無臭のオイルの風味づけにバージンオイルを足したもの。日本にも少量輸入されていて、安価。
テイスティングで好みの味を選ぶ
オリーブオイルは“香り”“苦味”“辛味”の3つの要素で表現される。最近ではレストランにワインリストのようにオリーブオイルリストを備えているところもあり、そういうところではオリーブオイルのソムリエがお客の要望によってオイルを選び、料理との相性を説明してくれるそうだ。
スーパーやデパート、小売店でもスペイン産、イタリア産などの輸入品に加え、国産のオリーブオイルのボトルもずらりと並び、どれを選べばいいのか迷ってしまうが、お気に入りのオリーブオイルはやはり自分の鼻と舌を使って選ぶのがいいそうだ。
とりあえず3本を用意し、スプーンに1杯ずつ口に含んで味見をする簡単なテイスティングの方法がこの本で紹介されているので試してみたい。
ちなみに私は青々とした苦味があるスパイシーなオリーブオイルが大好きだ。もともとは脂っこい料理は苦手なほうなのだが、オリーブオイルだけは別でサラダにも、炒め物にも、煮物にも、そしてパンにもオリーブオイルをたっぷりつけて香りを楽しんでいる。
本書には、世界の代表的なオリーブオイルのリスト、オリーブオイルを使いこなす料理のレシピも満載。オリーブオイルを知り尽くしたい人の究極のガイドブックとなるだろう。
【著書紹介】
オリーブオイルのすべてがわかる本
著者:奥田佳奈子
発行:筑摩書房
オリーブオイルをもっと楽しむためのディクショナリ。おいしいオリーブオイルの選び方、探し方、和食への応用のしかた、オリーブの歴史や物語、製造方法や産地、健康的だといわれる理由、料理のレシピなどを満載。